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January 02, 2014

Random Haiku House ひとりぼっち編

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 今日は写真を一枚も撮っていないので、昔のファイルから。1998年6月17日に富士フイルムのDS20(30万画素)で撮影したものである。ある先輩から、実につまらん写真だといわれた覚えがあるけれど(笑)、このカメラで撮った中では一番気に入っている。ちょっとだけ手を加えて画像サイズを拡大してみた(原寸は 640×480 ピクセル)。

 デジタルのものはいくらでも加工できるのだが、先日来ご紹介している俳句には一切手を入れていない。へたくそが手を加えると、たいてい質がさらに低下するからである。

 まずはクリスマスの句。最近「クリぼっち」ということばを知ったが、クリスマスにひとりぼっちという句が多かったのは偶然であろうか。
 

   クリスマスなにもかはらず空を見る 

 クリスマスだからといって、なにが変るというわけではない。この日もいつもどおりひとりなのである。 

   ひとり寝や歌流れくるクリスマス

 きのどくである。慰めようもないくらいだ。 

   クリスマス女は酔ひて冬の川 

 ヤケを起こして身投げでもするつもりなのだろうか。 

   クリスマス海がうがうと狙撃兵

 これもクリぼっち。だれを狙っているのかは知らぬが、狙撃兵はじっと孤独に耐えねばならない。 

 サラリーマンものも多かった。当然といえば当然だが、こちらもほとんど悲しいものばかりである。

   サラリーマン色失ひしきのふけふ

 なにかヘマでもしでかしたのであろう。それともリストラへの恐怖か。

   サラリーマン心細さよ散る桜    

   サラリーマン足をぬらして雨の中 

   サラリーマン酔つて倒れる夜ふけかな   

   サラリーマン単身赴任おぼろ月 

   サラリーマン台風近し墓の上

 なんだか絶望的な気分になってきた。サラリーマンなんぞになるものではないとつくづく思うけれど、たまには楽しいことだってあるのだ。

   サラリーマン鱈の鍋食ふ夜の町

   サラリーマン暖簾をくぐる嵐山 

 そりゃあそうだろう。酒でも飲まねばサラリーマンなどやっていられるものか。なお第二句だが、「嵐山」を京都の地名だなどと思ってはいけない。たぶんおでん屋であろう。  

   運転手ただなんとなく夜となる 

   運転手背中さびしき夜の霧 

 これもサラリーマンものの仲間に入れてよいだろう。景気がよくなったというのは大嘘で、タクシーは客待ちが多い。待っているうちにいつの間にか夜が来たのである。

 恋の句が多かったのもめずらしいことだ。
 

   初恋や別れかねたる喫茶店 

   初恋やよろめき歩く夜長し 

 月並もいいところだが、気持はよくわかる。 

   わがために口紅をさす娘かな

 これはちょいと色気があってよい。

   
雪国や半年ぶりの恋をして

 歌謡曲調とでもいえばいいのだろうか。国境のトンネルを抜けたのであろう。

  
 恋破れ神を信ぜず老教師

   恋破れ林檎をかじる冬の月


 恋はまた破れるものでもある。祈りがかなえられなかった悲しみは深い。老教師が恋をしてはいかんという法律はないから、温かい目で見てやろうではないか。

 さて今日で打ち切りにするつもりだったが、まだずいぶん残っている。あと一、二回は新年句会でしのげそうだ。

 最後に今日もお気に入りの一句。理由は……やはりない(笑)。

   青葡萄わがゆく闇のいつまでも

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Comments

いやあ、引き続き絶好調ですね、コンピューターが・・・

私の好みとしては・・・

わがために口紅をさす娘かな

ですかな・・・
さて娘とは何歳ぐらいの御嬢さん・・・?

Posted by: 三友亭主人 | January 03, 2014 at 21:20

>三友亭さん

 残念ながら Windows 7 以降では動作しないんですけど、(作った本人がいうのもなんですが(笑))ひまつぶしには最適のアプリケーションです。

 でも国文科の先生はカンカンになるでしょうね。

> さて娘とは何歳ぐらいの御嬢さん・・・?

 そりゃあもう決まっていますよ。歳は二八か二九からず、ってね。

Posted by: 薄氷堂 | January 03, 2014 at 23:50

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