日の暮れるのがほんとうに早くなってきた。ぼくは長い夜を愛するけれど、日暮れは遅いほうがいい(無理な話?)。
いただきものの真っ赤なリンゴでアクセントをつけた『嵐が丘』は本日ゼロページ。といってもサボったわけではない。財産相続に関する箇所を丹念に拾い集めてまとめたのである。
ご承知のとおり、昔の英国の小説には相続がらみの話が多い。なにしろある日突然貧乏人が大金持ちになったり、悠々と暮らしていた人が赤貧の身に転落したりするのだからたまらない。
まあ、ぼくみたいに低め安定の生活に満足しているのがいいのかもしれない。酒さえ飲めれば、まず文句はないしね。
Comments
>財産相続に関する箇所を丹念に拾い集めてまとめたのである。
私はまた薄氷堂さんに相続の問題が生じて、そのためにお勉強を始めたのかと思いましたよ。
Posted by: 三友亭主人 | November 14, 2013 06:14
私は英国文学に触れる機会が少なく(専ら本人の無精に起因するものですが)経験不足ではありますが、以前『バラントレーの若殿』は読んだことがありました。
これも相続に関わるドロドロした物語でしたね。
私もそれほど裕福でない家の次男坊として生まれて「楽で良いな」と痛感しております。
禅では「放下著」と言うのですが、元々持ってるものが少ないと放り出すものも少なくて良いような気もしますね。
しかし海の夕暮れというのは、これまた別格・・・
Posted by: Nori | November 14, 2013 09:34
う~~ん。相続できる遺産……まったく当てがありません。こちらが残すにしても、幻住庵は兄弟か、姪っ子甥っ子が持って行くのでしょう。
しかし、こうやって見ると北の海は文学になったり、演歌になったりしますが、南の海というやつは、ダイビング雑誌の表紙にしかなりません。きれいなのはいいんですが。
Posted by: 根岸冬生 | November 14, 2013 13:14
>三友亭さん
相続の問題なら悩んでみたいものですが……(笑)。
小説中の遺産の行方を気にしたってはじまりませんよね。
Posted by: 薄氷堂 | November 14, 2013 22:51
>Noriさん
ぼくにえらそうなことをいう資格はありません。昔の不勉強のつぐないをしているだけなんですよ。
英国の相続制度はすぐに理解できるようなものではなく、時代によってもちがうのでやっかいです。
『嵐が丘』の場合、時代設定と適用される相続法との間に時期的なずれがあるという指摘もあり、作者のエミリさんさえエラーをするものを、ぼくごときものにすんなりわかるはずはありません。
どちらかというと法学か歴史学の縄張りでしょうね。お任せします(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | November 14, 2013 23:02
>根岸冬生さん
> 相続できる遺産……まったく当てがありません。
その遺産を相続できる「当て」が英語でいう expectations です。「当て」だから、当然はずれることもあるわけ。
そんな当てはないほうが気楽ですよね。
Posted by: 薄氷堂 | November 14, 2013 23:09