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October 29, 2013

Daily Oregraph: 本日キューカン……せず

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 大都会釧路の夜景……といっても、本文とはなんの関係もない。例によって生存証明写真である。

 さてある方から電話をいただいて、

 -あなたちゃんとキュウカン日を作らなくちゃいけませんよ。

と、お小言をちょうだいした。

 -はあ、ブログならいつでも喜んで休刊しますよ。どうせ駄文を書き散らしているだけですからね。

とお答えしたら、

 -とぼけちゃいけません。アルコールの休肝日ですよ。

 いつも「一杯やる、一杯やる」と書いているからご心配くださったらしい。

 -ハイハイ、わかりました。

 冷汗かきつつそう返事はしたものの、これは弱ったなあ。

  読もうとすれば新聞休刊
  退屈しのぎの図書館休館
  やけのやんぱち昼間のバーボン
  勢いづいて銚子を三本
  かつぎこまれた爺の急患

 う~む、そんなみっともない真似はしたくないから、やはり休肝日は必要かもしれない。どうしたらよいか、これから一杯やりながら(笑)思案するとしよう。

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October 27, 2013

Daily Oregraph: 萬事不如意

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 あらかじめお断りしておくが、今日のタイトルは「手元不如意」ではない。いくら貧乏なジジイとはいえ、千円や二千円の金には困っちゃいない(百万や二百万とはいえぬところがつらいけど……)。

 つい二日前に「なにをやってもうまくいかぬ」と書いたら、昨夜というか今朝、そのうまくいかぬ夢を見た。切れ切れにつづく長い夢だったが、その間中なにをしてもうまくいかなかった。もっとも鮮明に覚えているのは最後の場面である。

 なんでも路線バスに乗って、いよいよ降車時に運賃を支払う段になったら、必要な金額をなかなか支払えないのだ。財布に小銭はいくらでもあるのだが、どうしてもピッタリの金額にならないのである。

 たしか金額は百円であった。五十円玉一枚と十円玉五枚をそろえたと思ったら、いつの間にか五十円玉が五円玉に変わっている。百円玉を一枚取り出すと、中華民国の百円玉だったりする。

 財布の中をかき回し、今度は大丈夫だと思って一枚手のひらに乗せたら、なんとそれは108円玉であった。ウソのような話だがほんと。消費税を上乗せした百円玉だから、サイズが一回り大きいのである。

 結局どうしても百円がそろわない。運転手は意地の悪い顔をしてニヤニヤ笑っている。五十円玉と五円玉はあれよあれよという間に入れ替わる。百円玉らしきものは何枚もあるのに、どれもまともな百円玉ではない。変わらぬのは十円玉ばかりだが、なぜか十枚には足りぬ。

 どうしよう、どうしよう、と焦っているうちに目がさめた。実にいやな気分である。しかしものは考えようだ。いいことがいつまでも続かぬように、悪いこともいつかは終りを告げるにちがいない。

 さて、気晴らしに一杯やるとしよう(いつもこれ(笑))。

 なお写真の硬貨は韓国のもの。何年も前に港で拾ったのである(やはり交番に届けるべきであったか)。

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October 26, 2013

Daily Oregraph: 八ヶ月後

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 おや、今日も漁船派? というわけではないけれど、ひさしぶりに南新埠頭へ行ってみたら、この船をみかけてハッとした。

 実はこの漁船、2013年2月12日の記事で取り上げた沈没船にちがいないのである。陸上で全体を見ると、意外なほど存在感があるものだ。 

 解体費用の出所がないまま放置されているのか、それとも解体されるのを待っているのか…… なんとなくわが定めに重なって(笑)、あわれに思えてくる。

 こういうこともあるから、たまに港をパトロールしなくてはいけないのである。

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October 25, 2013

Daily Oregraph: 低気圧の男

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 このところなにをしてもうまくいかず、どうも気分が晴れぬので、山花温泉でひとっ風呂浴びてきた。

 小雨降る中で露天風呂につかり、ほんの少しは気分転換になったけれど、抜けるような青空が欲しかった。ただでさえ気が滅入っているというのに、気圧が低いと頭をぐいぐい押さえつけられた気分になるからだ。

 帰り道にふと思いついて、漁船派の三友亭さんのために一枚パチリ。こういう景色は釧路も塩釜も変わらないだろう。

 さていささか唐突だが、気晴らしのため南方熊楠先生のダジャレでも。

 少年また王后の麗容に驚き、たちまち象牙の英語で相惚れときた。

 う~む、ivory が相惚れねえ(笑)。

 大悦びで夫と共に二児を大籃(かご)にふせおいた体、あたかも安珍を道成寺の鐘下に匿(かく)したごとし。禿鷲は執念深いからどうせただはおくまい、ドウモ安珍ならぬと案じたのだ。 (以上『鷲石考』より)

 まあ、こんな起承転結のない文章を書くようでは、ぼくなどは「残酷な」の英語で狂える(cruel)ときているから、清姫もあきれて追いかけては来まい。まずはひと安珍。

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October 24, 2013

Daily Oregraph: 酔生夢死

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 そうか、今日は飛鳥Ⅱが入港していたのか。ぼくは貨物船派だが、ほかにネタもないからパチリ。

 このところ身辺に落ち着かぬことあり、なにごとにも集中できず参っているけれど、『嵐が丘』はつづけている。やっと原書の218頁にたどりついた。これを途中で放り出してしまえば、自分はもうおしまいだと思っている。

 もちろん次の目標も模索しなければなるまい。少し目が弱ってきてはいるけれど、乱読も悪くはないか。いくら酔生夢死が理想だとはいえ(笑)、このままくたばるわけにはいかないからだ。

 ……なんてね、格好つけて結局また一杯。

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October 21, 2013

Daily Oregraph: 風のたより

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 写真がないのは無愛想だから、昨日裏庭で撮ったハキダメギクでもごらんいただこう。掃溜の菊とは実にひどい名前だが、牧野富太郎博士みずから命名されたのだという。

 さて写真は本文とはまったく関係がない。Eメールの話である。

 今朝メーラーをチェックすると、コンテナ船の船長からメールが届いていたからビックリ。なにかのまちがいじゃないかと思ったのである。

 たぶん ETA 0700H/22ND てなヤボなことが書いてあるのだろうと思って読みはじめ、もっと驚いた。旧友のインド人船長からの私信だったからである。最後に会ったのはもう20年ほど前のことだろうか。

 よく忘れずにいてくれたものだ。いっぺんにいろんなことを思い出し、さっそく返信して近況報告したことは申し上げるまでもない。

 ドバイからのメールは衛星通信を利用したものだろうから、まあ、風に乗って届いた便りといっていい。今どきEメールなどみなさんあたりまえにお使いだろうが、テレックスのころ、いや電報時代のことを思えば驚異的なツールなのだから、ありがたみを忘れてはなるまい。

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October 19, 2013

Daily Oregraph: 笑う門には

 17日に撮った写真から。こんなこともあろうかと、二枚だけ取っておいたのである(笑)。

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 船上セキュリティ・チェックポイント。たまには趣向を変えて、船内側からパチリ。

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 にぎやかな笑い声が聞こえてきたので事務室に入ってみると、(たぶん)アメリカのコメディ映画を鑑賞中であった。よほどおかしいとみえて、ほとんど笑いっぱなしである。

 おかしいといえば、この事務室には NO SMOKING の貼り紙があるにもかかわらず、デスクに灰皿が置いてある。礼儀上チーフメイトに確かめると 、ニヤリとして "Ok, ok, no problem." だというから、コーヒーを入れてもらって一服した。

 三人は相変わらず笑いつづけている。ぼくには映画よりもそっちのほうがおかしかった。

 ……とまあ、たったそれだけの話なのだが、妙に印象に残ったのである。

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October 17, 2013

Daily Oregraph: 十勝港の一日

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 低気圧が過ぎ去り、輝かしい朝を迎えた。画面下を見ると、所々に昨日降った霰の残っていることがわかる。

 画面左上に見えるのは、台風を避けて沖出しした貨物船。これから再接岸するのである。

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 遠くの山々にも少し白いものが見える。港内はウネリもなく、船も無事接岸して、まずは一安心。

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 昼休み。鳥の気持はわからないと書いたばかりだが、このカモメの気持はなんとなくわかる。しかしおじさんが狙っているのは雑魚じゃないから、おまえさんにおこぼれはあたるまい。

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 おだやかな夕暮れ。

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 そして夜。

 ……とまあ、こんな具合に毎日朝昼晩の写真を撮れば、ブログなんて造作もなさそうだけれど、いつも同じ景色じゃ芸がないしなあ。

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October 16, 2013

Daily Oregraph: 初雪?

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 朝から雨。たまに電話連絡をするだけで、ほぼ開店休業状態なのだが、一度だけ外出するために車に来てみると……おいおい、雪かよ?

 目を疑ってよく見ると、雪ではなさそうだ。しかし雨粒がひとつひとつ、いやにはっきり見える。パラパラというピアニッシモの連続音が聞こえる。

 どうも細かい霰のようだ。それにしたって、霰なら冬の季語だよ。冗談はよしてもらいたいものだ。

 台風はこれから温帯性低気圧に変わって北海道沖を通過するらしいが、明朝のウネリが気にかかる。低気圧が過ぎ去っても、波やウネリはすくにはおさまらないからだ。

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October 15, 2013

Daily Oregraph: 鳥の気持

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 十勝港へ向かう途中、畑に点々と白いものが見えた。牧草ロールにしてはバカに小さいなと思ったら、なんと白鳥の群であった。

 休憩しているのか、エサになるものでもあるのか、鳥の気持はわからない(笑)。

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 こちらは夜の十勝港に浮かぶカモメ。連中がなにを考えているのか、やはりちっともわからない。

 ……と書きながらTVの天気予報を見ているうちに、ハッと気がついた。台風だ。きっと台風にちがいない。台風の接近を予知して不安を感じ、群れているのだろう。

 ……なんてね。結局鳥の気持はわかりませぬ。

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October 12, 2013

Daily Oregraph: 悲しみなきに……

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 今年最後の小松菜。大小不ぞろいなのは、ちゃんと間引きしなかったせいである。もちろんこれでは売り物にはならないが、味はけっして悪くない。

 しかし一面に雑草がはびこっているので、来年はどうしたらよいものか。ふたたび原野に戻すか、それとも鍬を入れなおすか……まあ、一杯やりながら考えるとしよう。

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 肴は小松菜とサンマ。写真はスーパーで一尾75円の小ぶりなサンマだが、今夜焼いて食ったのは、いただきものの一回り大きいみごとなサンマである。

 -うまい!

 思わずそう声に出したほど、脂の乗ったうまいサンマであった。嫌いではないけれど大好きとまではいえぬサンマをこれほど美味だと思ったことはない。目黒のサンマを食べた殿様になったような気分である。

 当ブログにコメントをくださる方々が酒、酒とおっしゃるものだから、ぼくもついつられて今夜は日本酒にした。といっても無印のカップ清酒なのだが、ぼくには十分うまかった。

 なんとかミクスという、くそまずいホットケーキ粉みたいな経済政策下にあっては、自家栽培の小松菜といただきもののサンマ、それに安酒というコースこそ田舎の貧乏ジジイにはふさわしい。

   秋刀魚喰ひ悲しみなきに似たりけり  齋藤空華

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October 09, 2013

Daily Oregraph: ならぬ観念するが観念

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 ひさびさの出勤。今朝も小学生の通学時間と重なったから、信号待ちを利用して alivi 写真を一枚。

 何十年もの間見なれた景色である。この坂はかつて「日赤坂」と呼ばれていた。

 日赤坂を下って南大通りに出ると、「南映」という映画館や古本屋などがあり、よく通ったものだ。奈良の東大寺はまだ残っているというのに、釧路の南映や、その向かいの古本屋はとっくの昔に姿を消してしまった。

 -ああ、南映か、なつかしいなあ。

 そんなことをいうのは、あなたが爺さんあるいは婆さんになった証拠である。いずれあなたも南映のあとを追って忘却の淵に沈み、二度と浮かび上がることはあるまい。

 いや、南映ならなにかの文献に残っているだろうからまだいい。南映が琵琶湖の底に沈んだのだとすれば、偉人伝中の人ではないあなたやぼくは日本海溝の底に沈むのである。しかもあなたを供養しようという奇特な人だって、いつかは必ず絶えるであろう。

 だからといって嘆くには及ばない。琵琶湖や日本海溝ごと地球が消滅する日は必ず来るのだし、どうせ万物はビッグ・バンのなれの果てだと観念すれば、いっぺんに気が楽になる。ウィスキーがうまくなる。お経もいらねばお布施もいらぬ。ただそう観念して、ひたすら酒を飲めばいいのである。

 ……などとデタラメなことを書いているうちに、ほんとうに自分のスランプなどどうでもよくなってきた。われながらまことにありがたい教えではないか。

 さあて、地球が消滅する前にウィスキーでも飲むとしよう。どうです、あなたも一杯?

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October 06, 2013

Daily Oregraph: 裏庭画報 ナナカマド

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 赤い実がしみじみと秋を感じさせるナナカマド。

 鈴なりになった年もあるのだが、今年はずいぶん実が少ない。ひどく気まぐれな木なのである。

 しかし枝ぶりはなかなかいい。これほどの木があるのだから、よほどの豪邸に住んでいるとお思いかもしれないけれど(?)、なあに、鴨長明の方丈を拡大したほどのボロ家ですよ。

 さてネタがないから、また歳時記でも開いてみようか。

   こゝよりのホテルの道のなゝかまど   野村泊月

 希代のプレイボーイ三鬼先生の影響を受けたせいか(笑)、まるでお人柄のちがう泊月先生の句からもつい男女の密会を連想してしまうのは悪いクセである。例によってデタラメな想像をしてみると……

 もちろん若い男女ではない。つまり娘役原節子ではなく父親役笠智衆の年代であろう。もちろんのちの御前様もまだこの頃はずっと若かった。妻に先立たれ、後妻をもらおうかどうか迷っているところ。

 実は彼には意中の人がいた。ときどきこっそり会っているのである。後添いのいない父を心配して嫁に行こうとしない娘を安心させたいという気持もある一方で、気恥ずかしくて再婚をいいだせない彼の心は揺れている。

 二人はつかず離れず、微妙な距離を保ちながら、無言で歩いている。

 -あら、きれいな実。

 女が立ち止まってそういうと、男はその視線を追って、

 -ああ、ナナカマドだねえ。(ここは笠智衆独特の口調を思い出してね)

 カメラはいったん赤い実のなるナナカマドの枝をアップにしたあと、少しずつ引いて、ナナカマドの木と、並んでそれを見上げる二人の背中へ。

 う~む、映倫には引っかからないけど、またしても松竹大船調だなあ(笑)。どうしたら呪縛から逃れられるだろうか?

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October 04, 2013

Daily Oregraph: AliVi 写真

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 これは昨日撮った alivi (生存証明)写真。

 -おっと、待った。アリバイのスペルは alibi だろう。

 -それは不在証明のことでしょう。あなた、学があるようでありませんね。ぼくのは造語でしてね、'I am alive.' の略。なにか文句ありますか? あと百年もたてば OED に収録されるかも知れませんよ。

 人間ネタが尽きると、なにをいい出すか知れたものではない。ネタがなければ無理をしてブログの記事なんぞ書かなくたっていいのだが、あいつ病気で寝込んだんじゃないかと思われるのもシャクだから、ついしょうもないことを書いてしまうのである。

 -それによくごらんなさい。株とは無縁の貧乏人の収入はちっとも増えないというのに、物価は上がる、消費税は上がる。壁に落ちた大きな不安の影が、みごとに世相を象徴しています。この写真、まんざら駄作とも思えないのですが。

 -君ね、頭がどうかしているぜ。しばらく入院したほうがよかないか。

 入院か……それも悪くないかも知れないな。ウィスキーを持ちこめる病院ならね(笑)。

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October 02, 2013

Daily Oregraph: 十月の浜

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 最近散歩をしていないので、煙草を買いに出たついでに浜へ下りてみると、ちょうど石炭列車が通過した。知人の貯炭場からの戻り列車だから、貨車の中は空である。

 写真左上、丘の上に見える建物は旧弥生中学校の校舎。この海岸は浸食されて砂浜がほとんど消滅し、無粋な消波ブロックだらけになってしまったけれど、それを除けば、景色は昔と変わらない。

 生ぬるく湿った風は台風が運んできたものだろう。大嫌いなブロックに腰を下ろし、しばらくその風に吹かれてぼんやりしていた。しかし天気は悪いし、景色は味気ないし、これではせっかく散歩に出た意味がない。

 せめて明るい色彩の花でも咲いていればよかったのだが……

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これじゃ救いようがない。気分転換もなにも、本を開こうという気力がすっかり失せてしまった。

 十月の浜はつまらない。

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