Daily Oregraph: 油量を測る
今日の船上セキュリティ・チェックポイント。担当者はいかにも実直そうな青年であった。世の中にこういう写真をコレクションしている物好きがいるとは信じられず、苦笑いしているところ。
君ね、世界一のチェックポイント写真家(たぶんほかにはいないはず)に撮られたんだから、光栄に思わなくちゃいけませんぞ。
タンク内の燃料の残量を計測しているところ。
深いタンク内の油や、粘度の高い油の量を測るには、ふつうアレッジ(ullage 空槽部容積)から求める。簡単な方法ながら、うまく考えられていると思う。海事思想普及のために、機関部のこの仕事について、ちょっとご説明しておこう。
あらかじめわかっているタンクの深さを H とし、油の深さをDとしよう。先におもりのついた巻尺の長さを、あらかじめ見当をつけて決めておき(長さ L)、それが油面に到達すると、おもりは油面下にほんの少しだけ沈むことになる(深さ d)。
H=D+L-d より、唯一不明な油の深さ D は、H-L+d で求められるというわけ。それがわかれば、タンク・テーブルという表によって油の容積を求めることができる。
算数の基礎を勉強しておけというのはこのことである。わかりましたね、太郎君。
今日のおまけは二引のファンネルのチップ船……なのだが、この位置からだとマークが隠れてよく見えない。しかし兼好法師も「月はくまなきをのみ見るものかは」と書いているように、これもまたよし(笑)。
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Comments
> 算数の基礎を勉強しておけ・・・
いやあ、その算数の基礎がねえ・・・全くの勉強不足でして・・・
高校の時などは進級が決まるたびに、数学の先生の住んでいらっしゃる方角に手を合わせているような状態でしたから・・・
・・・私に舟の仕事はちょいと無理なようです・・・
Posted by: 三友亭主人 | May 24, 2013 07:16
>三友亭さん
ぼくには数学の得意な時期もあったんですけど、わけあって(笑)中学二年のとき突然きらいになり、「数学なんてだれがやるものか!」と決心して、教科書を放り投げてしまいました。若気のあやまちですね。
だから高校時代は悪夢の連続でして、三友亭さんと同じ悲しい境遇でしたよ。
まあふつう四則演算のきまりさえ知っていれば、なんとか生きていけるんじゃないかと思います。
しかしひまつぶしに(笑)基礎を学ぶのもおもしろそうですね。
Posted by: 薄氷堂 | May 24, 2013 08:04