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March 23, 2013

Daily Oregraph: 必須帯安全帽

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 今日の船上セキュリティ・チェックポイント。担当者はノンキにひなたぼっこしているように見えるけれど、まだ風は冷たい。しかしなんとなく春めいた眺めであることはまちがいない。

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 さてネタにつまって苦しまぎれにシャッターを切ったのは、船のカーゴ・ホールド(貨物艙)に出入りする場所である。ふつうエスケープ・ハッチ(escape hatch)と呼ばれているようだが、この場合、非常脱出口というより昇降口といったほうが実際に近いと思う。

 「当心墜落」だとか「必須帯安全帽」などと注意書きがあると、ついのぞいて見たくなるのが人間というもの。ほら、あなただって見たいでしょう?

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 このとおり、垂直のラダーがバルクヘッド(隔壁)に設置されている。足を踏み外したらタダではすまぬことがわかる。

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 ラダーを降り切ったところ。この船の場合はツイン・デッキ(中甲板)があるから、さらに下へ降りるには、手前の開口部からもうひとつのラダーのお世話になる。この開口部などは囲いがないだけに、まさに当心墜落というわけだ。

 安全帽は別に墜落しなくたって有効である。あちこちに突起物やチェーンなどがあって、ボンヤリしているとガンガン頭をぶつけるからだ。ヘルメット
はときに生死を分ける。

 そうそう、もっとも重要なことをいい忘れていたが、貨物によってはホールド内の酸欠に十分注意しなければならない。上からのぞいて見る分にはかまわないが、ウッカリ中へ入ると一命を失いかねないのである。

 もうひとつ、ハッチカバーを閉められて、ホールド内に取り残されることにも注意が必要だ。ぼくは一度だけその経験があるけれど、やっとのことでデッキにたどり着いて日の光を見たときは、なるほどエスケープ・ハッチだなあと感心したものだ。エスケープ・ハッチまで閉められたら大ピンチである。

 最後に、人によっては肥満や加齢も問題である。一日に何度も垂直のラダーを昇り降りしてごらんなさい。現に今日なども、年配のベテラン荷役作業員の方が「これ、こたえるんだよな」とこぼしていたし、若手のぼくでさえ(笑)けっして楽ではなかった。

 う~む、豪華客船の旅を楽しめるリッチなあなたには無縁の
記事であったかもしれない。

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Comments

ヘルメットっていうやつは夏場、蒸れちゃってきついです。
僕は電話工事でしたが、マンホールの中は案外有毒ガスが多くって
検知器が離せませんでした。
電柱に登るときは安全ベルト。
でも、電信柱の上は見晴らしがよくて気持ちいいです。
20代のころでしたからね。
いま上って、体重で柱を傾けさせてもいけないし
狭いマンホール、
体がはまってさあ、大変なんてことにもなりかねません。

船の作業スペースって興味ありますね。

Posted by: 根岸冬生 | March 24, 2013 at 14:55

>根岸冬生さん

 ヘルメットはうっとうしいものですけど、慣れてしまえば頭の一部(笑)。でも夏の暑いときにはねえ……

> 電信柱の上は見晴らしがよくて気持ちいいです。

 それはたいしたものですよ。ぼくなんか高所恐怖症ですから、船のデッキクレーンに昇ったときにはハラハラドキドキ、まあ商売でなければとてもできない芸当ですよね。

> 船の作業スペースって興味ありますね。

 一種のワンダーランドでしょうか。きっと病みつきになりますよ(笑)。

Posted by: 薄氷堂 | March 24, 2013 at 21:10

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