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February 28, 2013

Daily Oregraph: 二月の終わりに

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 税務署へ行って確定申告をすませてきた。職員のみなさまは(不気味なほど)親切で、すっかり感激。これほど丁寧に応対してくださる役所がほかにあるだろうか。

 ぼくは税金の一千万も支払って国家に貢献したかったけれど、残念なことに一円もいりませんといわれたのはなぜだろうか?

 しかしまあ、めんどうな申告もすませたし、心も軽く身も軽く、貧乏人は北埠頭の日通倉庫を見物に行ったのであった。純然たる物好きである。

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 もう大部分取り壊されたかと思いの外、作業はまだ半ばであった。見物人はなぜかぼく一人だけ。

 ああ、こうして二月は終わりを迎えようとしている。

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February 27, 2013

Daily Oregraph: 作戦失敗?

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 宗八(ソウハチ)ガレイ、一尾85円也。買わずに写真を撮っただけ。

 なにしろノートを読み返しているだけの毎日だから、ネタというものがない。おまけにここ数日、どうも文字を読むのがつらくてならない。いわゆるスランプである。

 だれだったか、真剣
素振りをしてスランプを乗り切った野球選手がいたと記憶している。しかしそんな物騒なものはもちろんわが家にはないから、素振りをするなら一升瓶くらいのものだろうか。

 こういうときは思い切って気分転換が必要である。音楽などはよさそうだけれど、それなら毎日聴いているじゃないか。いやいや、思い切ってジャンルを変えるのさ。そこで三橋美智也から浅川マキやビリー・ホリデイまで、一杯やりながら、ごった煮にして聴きはじめたとお思いいただきたい。

 先日札幌の喫茶店に流れていたヘレン・メリルの What's New も聴き直してみたが、しんみりしていい曲である。ニューヨークのためいきに

  I
haven't changed
  I still love you so


なんてささやかれてごらんなさい
ゾクゾクとするから。Handsome as ever (あいかわらずハンサム)じゃないおれには、だれもそんな泣かせるセリフをいってくれない(あたりまえ)のは情けないけどさ(笑)。

 しかし一番こたえたのは、ビリー・ホリデイのだみ声だなあ。こっちはとてもシラフではつらくて聴く気になれない。だんだん気が滅入ってくるのである。そこで酔いが回ってから聴いてみると……ますます気分が落ちこんでくるのだ。

 あの声で You don't know what love is てなことをいわれると、たしかにそうかもしれないなあと思えてくるからふしぎである。

 う~む、スランプ脱出作戦失敗だろうか? でも今日一日だけは勉強をサボって音楽にひたることにしよう。

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February 25, 2013

Daily Oregraph: 港の風

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 ひさしぶりに西港へ。やはりたまには港の空気を吸わなくては、正気を保てないのである(笑)。

 スコップさんの事務所におじゃましてお茶をごちそうになった帰り道に、ちょっとだけ北埠頭へ立ち寄ってみた。 

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 北埠頭西側岸壁から。氷が浮かんでいるのは、たぶん最近風が変わった日のあったせいだろう。

 風がほとんどないぶんだけ、空気ははりつめていてひどく冷たい。春は近いような遠いような、まあ、男をじらす女みたいな季節だね。

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 北埠頭突端から。正面南埠頭、左手に中央埠頭の一部が見える。
 

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 びっくりしたのは日通倉庫が取り壊し作業中であったこと。またしても景色が変わってしまう。この倉庫は案外絵になったのに(2012年3月24日の写真ご参照)。

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 跡地がどうなるのか、いずれ確かめにこなくてはいけない。いつの間にか東港も変わっていくなあ。

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February 23, 2013

Daily Oregraph: 少数派のために

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 今日はノートを開かず、一日中自分のブログの過去記事をチェックしていた。写真がないとさびしいから、昨夜鍋にして食べたタラのアラでもごらんいただこう(笑)。

 実はこの間札幌で会った友人から、ブログの記事を読みたいという請求があったのである。いまどき携帯電話も持たず、インターネットとも縁がないという尊敬すべき人物ゆえ、印刷して送るしかないから、昨年度の記事から適当なものを選んで印刷したら、たちまち100枚くらいになってしまった。キリがないのでいいかげんなところでやめておいたけれど、われながらよくまあ大量の駄文を書いたものだと感心した次第である(笑)。

 さて「尊敬すべき」と書いたのは、けっして皮肉でもなんでもない。最近インターネットを使わない人々を指して情報弱者などと呼んで得意がっているお調子者がいるけれど、とんでもない話である。

 インターネットなんぞに縁がなくたって、人間立派に生きられることはまちがいない。むしろネットにあふれるクズのような記事にまどわされず、じっくり本を読み、深くものごとを考える人がいる可能性を視野に入れたほうがいいだろう。

 情報? 情報というに値する記事がどれくらいあるというのか。ぼくの見るところ、まず二割がいいところではないか(もちろんその二割がとても貴重であることはいうまでもないけれど)。ほかならぬ駄文製造機であるぼくがいうのだからまちがいない(笑)。

 かつてパソコンユーザが変人のオタクのように見られていたことをご記憶だろうか? パソコン通信などはうさんくさい宗教扱いされかねなかったのである。まあ、世の中変われば変わるものだ(これ、皮肉ね)。

 少数派は貴重なのだから、いつも大切にしよう。ぼくはインターネットが便利なことを百も承知の上でいっているのである。

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February 21, 2013

Daily Oregraph: 苫酔を貴船にどうぞ

130216_01 先日苫小牧でおみやげにいただいた、たいへんレアな米焼酎。苫小牧の酔っ払いという意味であろうか?

 ラベルには
苫小牧「樽前山の伏流水」と厚真産「彗星」の和合とある。彗星は厚真町産の酒造米。

 ところがおもしろいことに
原料水 苫小牧水道水とある。つまり苫小牧の水道水すなわち樽前山の伏流水ということらしい。

 焼酎の製造に適しているのだから、東京あたりの水道水といっしょにしてくれるな、という宣言なのであろう。

 それで納得がいったのは、かつて苫小牧港でみかけた看板の宣伝文である。

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 2000年5月21日撮影。思えばバカな写真を撮ったものだが、役に立つときがついに来たらしい(笑)。当時はどうして水道の水を自慢するのか、さっぱり理由がわからなかったのである。

 ついでにいえば、使用したデジカメは KODAK の DC280 である。いまはなきカメラで撮った写真という意味でも価値があるので(?)、exif データを残しておいた。

 とかなんとか書きながら、苫酔をいただく。おお、うまいよ、これ。ツンとした角がないし、上品でスッキリした味わい。
どうもごちそうさまです。

 さて二三日遊んだせいか、すっかり怠け癖がついたので
おおいに反省し、昨日今日とまじめにノートに取り組み、『虚栄の市』ノートの上巻を終えて、やっと下巻に入った。なにしろ大長編だからノートも上下二冊、だんだん疲れが出てきた(笑)。

 その合間に、先日駄文を書く必要があって本棚から取り出した『ABC殺人事件(The ABC Murders)』に目を通していたら、これがまたおもしろい。少しずつ読んでいるうちに C つまり三番目の殺人にたどり着いた。ここでやめるわけにはいかないから、全編再読してちょっとだけ20世紀の風に当たることにした次第である。

 それでは苫酔をもう一杯やりながらポアロにつきあうことにしよう。

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February 20, 2013

Daily Oregraph: 札幌半日散歩-橋の向こう編

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 2013年2月15日。一条大橋を渡って左折、南一条通を西へ。ただいま10時39分。11時51分発の特急に間に合えばいいのだから、時間はたっぷりある。のんびり歩くことにするので、一杯やりながら気楽におつきあいいただければと思う。

 道路の滑り止め用砂袋ボックス。釧路の砂箱は黄色だが札幌はオレンジ色である。砂袋はずっとしゃれたデザインだし、箱も袋を取り出しやすい高さである。これは負けたな、とどうでもいいことを考える(笑)。

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 北海道神宮頓宮。仮のお宮にしては立派な造りである。鳥居を見た以上は素通りできないから、ちょっとだけ寄ってみよう。

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 鳥居をくぐってすぐ左手の狛犬。頭に角が生えているのはおもしろい。この角から雷神を連想し、背後に見える「落雪注意」をうっかり「落雷注意」と読んでしまう(ほんとの話)。

 「へえ、落雷注意か、めずらしいなあ」と思いこみ、帰り際にハッと気づいたのである。ちょっと考えてみればわかるけれど、そんなバカな話があるわけはない(笑)。最近こういうまちがいをすることが多くなった。

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 右側の狛犬には角がない。角の有無にはなにか意味があるのだろう。雌雄の別を示すのかもしれないが、わからないことは狛犬の専門家にお任せしておこう。

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 テレビ塔が見えたので、お上りさんの作法にしたがってシャッターを切る。アリバイ写真の役にも立ちそうだ。

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 二条市場。おもしろそうだから、ちょっと寄ってみることにしよう。

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 ひとつ上の写真に見える角を曲がると、いかにも裏通り派向きの景色である。菊水に失望した分だけ期待が高まる。

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 新二条市場入口。中をのぞいて見る価値はありそうだ。

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 シャッターの降りている店が多かったので中までは入らなかったが、伝統的なスタイルの市場である。昔は釧路にもこういう場所があったように記憶している。

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 すぐ近くには釧路の駅裏に似た小路もあるし、実にいい雰囲気である。

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 この一帯は再訪に値すると記憶にとどめておこう。「古美術」の看板を出す骨董屋も何軒かあり、雪のない季節にうろついてみるのもおもしろそうだ。

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 そういえば狸小路にはしばらくごぶさたしている。ちょっと寄ってみよう。

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 リニューアルしたのだろうか、記憶の中の狸小路とはずいぶんちがっていた。札幌にはこれまで仕事で何度か来ているが、ここには立ち寄る機会がなかったからなあ。

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 この写真はおまけ(笑)。こっそり煙草をふかすおねえさんの気持はよくわかるけど、やはりちょっとまずいかな。

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 時刻は11時13分。そろそろ駅へ向かわねばならない。札幌はいつでも来られそうでいて、
一泊しなければちょっとしんどいし、案外その機会はないものだ。次はいつになることか。

 まあ、ぼくの散歩なんてこんなものであります。ご退屈さま。

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February 19, 2013

Daily Oregraph: 米町の丘から

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 今日は用があったので、札幌半日散歩の続編は明日に延期して、17日に米町の丘から撮った太平洋でもごらんいただこうと思う。

 いつもきまったコースを散歩していると、いかに工夫しようとも、さすがに被写体がなくなってくるので(笑)、たまには丘を登ってみたわけ。

 ああ、これだ、これ。いささか手あかにまみれたことばだけれど、このように見える太平洋がぼくの原風景。脳味噌の一番奥のひだを刺激される景色なのである。これはもう理屈ではない。太平洋沿岸の住人には、きっとおわかりいただけるのではないだろうか。

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February 18, 2013

Daily Oregraph: 札幌半日散歩-菊水編

 2013年2月15日。最初にお断りしておくが、本日の写真はどれもつまらない(笑)。その理由は本文をお読みいただければすぐにおわかりになると思う。

 「ああ、読んで損をした。写真を見て目が汚れた」という非難を浴びたくはないので、あらかじめお断りしておく次第である。それでもよろしければ…… 

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 札幌駅のコインロッカーにバッグを預け、地下鉄に乗ってやって来たのは菊水である。菊水駅には出口がいくつかあるので、適当に選んだのがこちら。

 通りに出たぼくは目を疑った。えっ、ここはほんとうに菊水なのか? まるで浦島太郎である。昨夜の友人が三十年ぶりなら、こちらは四十数年ぶり。 

 昔々ふらふら歩いているうちにはじめて迷いこんだ菊水は、これがほんとうに札幌の一部かと疑われるほど異質な地区であった。戦前がそのまま残ったような町並みにすっかり驚いて、しばらく立ちすくんだことを覚えている。

 「すくんだ」というのはけっしておおげさではなく、うっかり他所者が通りを歩いていいものかどうか、不審の目で見られていたたまれなくなるのではないか……当時まだ十代のあどけない少年(?)には、そんな怖ささえ感じられたのであった。 

 それがどうだろうか。もちろん四十年以上もたっているのだから、変化は当然予想していた。しかしこれほどとは思いもよらなかったのである。

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 地下鉄出口付近は菊水2-2。なんだ、これではどこにでもある町じゃないかとは思ったけれど、速断は禁物である。昔の面影をとどめた一角が残っているかもしれないからだ。

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 しかし
こういう多少古さを感じさせる建物もありはしたが、例外中の例外といってよさそうだ

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 菊水3-2。やはりごくありふれた景色である。

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 この日みかけた木造家屋はこれひとつだけ。くまなく探せばまだほかにもみつかったかもしれないけれど、指折り数えるほどにすぎないことはまずまちがいないと思う。

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 菊水1-2。このあたりで方針を変更し、もっぱら場所を特定できる写真を撮ることにした。

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 菊水1-1。やはり 1-1 というのはうれしい(笑)。足を運んだ甲斐があったというものだ。画面左方向には豊平川が流れているはずだ(直接ここからは見えない)。

 今回もっとも歩きにくかったのがこの付近である。歩道がほとんど雪でふさがっていたため、ツルツル滑る狭い車道の端をおっかなびっくり歩かねばならないからだ。

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 菊水2-1。前方から橋の匂いが漂ってきた。雪道は歩きにくいし、これ以上ウロウロしても収穫はなさそうだから、時の流れをしみじみ感じつつ、橋を渡ろうと決めた。

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 一条大橋。ここを渡ってから左折してしばらく前進すれば中心街へ出るはずだ。

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 一条大橋から上流方向を見る。遠くに見えるのは藻岩山あたりだろうか。手前の橋は、地図によると「でんでん大橋」だが、雪をかぶったままだ。そういえば、途中通りかかったときもこの橋を車の通るような様子はなかったので、ふしぎに思って調べてみたら、通信専用橋なのだという。つまり「電電」大橋という意味らしい。

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 まもなく一条大橋を渡り切る。たぶん明日の記事はもう少しマシなものになるだろう。

 さて昨日の記事にコメントをくださったみなさまは、どなたも三十年ぶりの再会を期する友人をお持ちらしいが、心配ご無用、いくらご友人が年を取っていても、菊水の町以上に変化していることはけっしてありえないのだから。

 深夜一杯やりながらあれこれ考えにふけっているうちに、以前こんな記事を書いたことを思い出した。もう再会できぬ友人もまたいるのである。

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February 17, 2013

Daily Oregraph: 札幌-夜の別れ

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 2013年2月14日。苫小牧から南千歳までは車で送っていただいたのだが、天気は上々であった。しかし札幌は雪。

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 しかも本格的な雪である。カメラを入れたカバンがたちまち白くなってくる。カメラをさっと取り出してはシャッターを切り、撮り終えたらすばやくカバンにしまいこむのだが、それでも多少は濡れてしまう。

 札幌の中心街は積木を並べたような感じで、ぼくはあまり好みではないけれど、こうして降りしきる雪の中で見ると、実に風情があって絵になると思う。もっともぼくの写真の腕前ではなあ(笑)。

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 雪はいったん小降りになったかのように見えたが、

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これこのとおり。拭っても拭ってもカメラは濡れてくる。レンズにも水滴がつきはじめる。ホテルのチェックイン時間までゆっくり街を歩くつもりで早めにやって来たのが裏目に出てしまった。

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 とうとう音を上げて、とあるビルの地下の喫茶店に逃げこんだ。このお店が大当たり。

 店内はクラシックな雰囲気で、ヘレン・メリルの What's New なんぞが控えめな音量で流れている。コーヒーのお値段もリーズナブル。お客さんの顔を見ると、みなさんのんびりゆったり、ああ、ここなら長時間いても気がねせずにすむと思った。

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 本を読みながら一時間半、とうとう珈琲一杯で居座ってしまった。これぞ喫茶店だよなあ。ふだんはめったにお店の名前を出さないのだが、ここなら安心してご紹介できると思う。場所は……お店の名前を頼りに探してね(笑)。

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 あっという間に時間は過ぎ、犯人、いやぼくが小樽行き普通列車に揺られてやって来た先はこちら。手稲駅北口である。玄人好みの渋い場所を選んだものだが、それにはちゃんとワケがある。

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 手稲駅に降りるのはこれがはじめて。予想以上に大きい駅であった。

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 実は友人との待ち合わせ場所にここを選んだのだが、約束の時間までにはまだ間があったので、例によって付近をブラブラしながら、次々と駅前に到着しては通勤客を飲みこんでいくバスをながめていた。

 やがて友人はやって来た。三十年ぶりの再会である。やあ、会いたかったんだよ! お互い年を取ったから、みかけはそれなりに変わりはしたけれど、声やしぐさは昔のままだ。

 実は札幌にはもうひとり会いたかった友人がいるけれど、今回は三十年という時間を優先したのである。

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 居酒屋がいくつか並んでいる駅の南口へ回る。昼間の雪は案外積もったらしく、ブルドーザが除雪作業中であった。ぼくたちは一軒のお店に落ち着いて、さっそく二人で三十年の空白を埋める作業に取りかかった。

 ここから先はブログに公開するような話ではない。三十年! それをわずか三時間で取り戻そうというのだから、写真なんぞ撮っているひまがなかったのはもちろんである。

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 なあに、生きていれば、またきっと会えるさ。別れはたいてい歌謡曲調になるものだ。手稲の駅でさようなら。

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February 16, 2013

Daily Oregraph: 苫小牧-冬の夜遊び

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 2013年2月13日。ちょっとだけお手伝いすることがあって、苫小牧市の某所におうかがいした。たいしてお役には立てなかったのだが、ごほうびにNさんが夜のドライブに誘ってくださった。ブログのネタになるでしょう、とおっしゃるのには、ありがたいやら恐縮するやら。

 最初に向かったのが、例の夜景写真を撮った緑ヶ丘公園展望台。なるほど立派な展望台である。苫小牧にはかつて仕事で何度も来たけれど、こういう施設があるとは知らなかった。

 それも道理で、ここは平成10年に建設されたのだという。夏は21時まで、冬は18時まで無料で開放されているのは、市民や観光客に夜景を楽しんでほしいという配慮なのだろう。ブログのネタもいただいたことだし(笑)、苫小牧のすばらしい夜景をおおいに宣伝しておきたい。

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 さてこの夜のメイン・イヴェントはこちら。支笏湖氷濤まつりである。

毎年20万人を動員する冬の北海道の代表的なイベント。
国内有数の透明度を誇る支笏湖の湖水をスプリンクラーで骨組みにかけ、大小さまざまな氷像を創り上げます。透明度が高いため、昼はナチュラルブルーに輝き、夜は色とりどりのライトに照らされた氷像が、幻想的な世界を演出します。(支笏湖温泉旅館組合HPの「イベント情報」から)


 出不精のぼくがこの種のイヴェントにはめったに足を運ばないのをご承知のうえで、Nさんは連れてきてくださったのである。せっかく恵まれた機会だから、ここはすなおに楽しませていただくことにしよう。それにジャーナリストたるもの(笑)、どんな場面にも対応できるよう訓練が必要というものだ。

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 昼間の景色は見ていないけれど、やはりこの会場は夜に訪れるべきだと思う。なかなかシュールな感じがしておもしろい。

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 三日月が冴えていた(ちょいとブレているけど)。寒くありませんか? とNさんは気づかってくださるのだが、案外寒くはなかった。気温は-10度くらいだったらしいけれど、まったく風がなかったからである。

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 見物客は氷の滑り台が目当ての家族連れか、若いカップルがほとんど。男女が仲よく鐘なんぞを鳴らしている姿と、われわれおじさん二人組とは対照的もいいところである。まだお若いNさんはともかく、ぼくには愛の鐘よりも弔いの鐘のほうがふさわしい
ようだ

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 あちこちに点在する氷の家(?)はそれぞれ趣向が凝らされ、中には各種のマスを氷漬けにして壁面に展示しているところもあった。

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 愛の鐘とは無縁のぼくも、神社の鳥居を素通りするわけにはいかない。

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 中へ入ってみると、ふしぎなものがあった。太い氷柱の表面にびっしりと硬貨が張りつけられているのである。いまさらぼくに金運はめぐってこないだろうとは思ったが、ちょっぴりお賽銭を上げたので、ひょっとしたらひょっとするかもしれない。

 一通り見物して回ったが、地元のみなさんの熱意と工夫が十分伝わってくる催しであると思った。会場の設営にはずいぶん時間も手間もかかったにちがいない。やかましい音楽などをガンガン流していないところも品があってよかった。

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 ふたたび苫小牧市内に戻って、夜の街へ。

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 ぼくはそんなたいそうな身分ではないのに、すっかりごちそうになってしまった。しかしそのわりには遠慮もせずに(笑)、フグのヒレ酒や焼酎なんぞをグイグイやってすっかりできあがり、ひさしぶりに船の話などを楽しませていただいた(夜遊びに誘ってくださったNさんはじめ苫小牧のみなさま、お世話になりました。どうもありがとうございます)。

 それにしても今年に入ってから急に酒を飲む機会が増えたのはどうしたわけだろうか。草庵にこもって勉学に励むつもりだったのに(笑)。

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February 15, 2013

Daily Oregraph: The ABC Pictures

 エルキュール・熊さん-あなたは警視庁の間抜けどもには手に負えぬ難事件を解決できるとうぬぼれちゃいませんかな。さて賢明なる熊さん、お手並み拝見とまいりましょう。たぶん今回の謎は手強くて持てあますでしょうな。今月の13日の写真にご注目あれ。

 これはミステリ・ファンおなじみ『ABC殺人事件』の犯人の挑戦状をもじってみたのだが(笑)、アナログ熊さんがあまりにもマジメに灰色の脳細胞を酷使され
ものだから、すっかりお気の毒になってしまった。

 -けしからん! 熊さん、こんな無礼を赦していいのか。

 -平蔵くん、まあ落ち着きたまえ。きみはすぐカッとなるからいけない。

 なぜ平蔵が登場するかというと、ポアロの相棒はヘイスティングズだから、「熊さん」に釣り合わせたのである。なにごとも調和が大切。ただし名字は竹中ではない。たぶん長谷川ではないかと思うよ。

 さて熊さんは産業社会の誇る最新技術を駆使して、先日の夜景を「札幌市南29西21の交差点」といったんは断定されたのであった。しかしつぶしのきかない文学科出身の犯人に一蹴され、苦い顔をして平蔵とやけ酒を飲んでいるところへ第二の挑戦状が……

 熊さん-さあて、どんなものですかな。最初の勝負はこっちのものでしたね。あの写真はうまいこといきましたでしょうが。しかしお楽しみはまだこれから。いずれまた写真をお送りしようではありませんか。いやあ、お互い実に愉快ですなあ。そうそう、前回と同じ場所から撮った別の写真を同封しておくから、ご参考になさるといい。

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 -おや、熊さん、また写真が入っているよ。まったく大胆なやつだ!

 -ふうむ、工場の煙突が見えるね。平蔵くん、日本地図帳を持ってきてくれないか。

 ……とまあ、たった一枚の写真でずいぶん引っぱったものだが、エルキュール・熊さんは必ず最後に勝利することになっている。平蔵とふたりで地図帳をにらんだり、ついでにブラック・ニッカの水割りを五杯飲んだりしているうちに、
とうとう解決はもたらされたのであった(実をいうと、これ以上書くのがめんどうになったのである)。

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 -あっ、そうだったのか!

と平蔵が叫ぶと、老眼の熊さんは虫眼鏡を取り出し、

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 -そうか、あの直線道路は国道276号線だったのか。

 -ちぇっ、犯人のやつ、ニヤニヤ笑っていたにちがいないぜ、熊さん。おや、待てよ。もう一枚写真が同封されてい
るぞ

 ではフェアプレイの精神にのっとって、そのけしからん犯人の顔をお目にかけよう。

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 先日ラフモノクロームによる自写像を撮るとお約束したが、リコーのコンパクトのハイコントラスト白黒モードで撮影してみた。ラフモノクロームよりはおだやかな表現だと思う。画像左右反転しておいたから、あなたがオリエント急行、いや特急スーパーおおぞらの車内で犯人を目撃したらまさにこのとおりに見えるはずだ。

 -しかしこれじゃ肝腎の顔がわからないではないか。

 -挑戦状からもわかるとおり、犯人は自己顕示欲が強いくせに、逮捕されたくないからこんな写真を送りつけるの
だよ

 さすがはエルキュール・熊さん、人間心理の解釈にかけてはみごとな腕前であるとほめておこう。しかし……第二の事件はまだ起こっていないのである。

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February 14, 2013

Daily Oregraph: 生存証明 (2)

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 某駅にて。お断りしておくが、これは失敗写真ではない。成功とはいえないけど(笑)。

 詳しくは……待たれよ次号。

【2月16日 追記】 どうやらエルキュール・アナログ熊さんは、この写真が犯人の送った第二の謎だと誤解されたらしいけれど、そうではなく単に酔っ払っていたから記事を簡単にすませただけである。

 しかしせっかくだから列車が走り出す直前の写真をお目にかけよう。クイズとしてはごく簡単な部類に属すると思う。

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 ごらんのとおり、444
番ホームではなく4番ホームである(あたりまえか)。説明は不要かと思うけれど、明日あたりがわかる。

 なお画像が不鮮明なのは、窓がひどく汚れていたからである。

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February 13, 2013

Daily Oregraph: 生存証明

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 こういう場所で取材中。さてどこかおわかりになるだろうか? 一応生存証明として、今日はこれまで。
この写真一枚からぴたり場所を当てた方には、レジオン・ドヌール勲章をさしあげたい(気持だけね)

 ははあ、さてはシラフじゃないな、とにらんだあなたはただ者ではない(笑)。 

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February 12, 2013

Daily Oregraph: ラフモノクロームの港

 オリンパスのカメラのアートフィルタにはラフモノクロームという設定があるけれど、まだ使ったことがないので、今日ははじめて試してみた。Raw で撮影しておけばあとでフィルタを適用できるのだが、面倒なので最初からフィルタを設定し、jpeg で撮影。

 ネタに困ったあげくカメラの設定を変えるとは、いよいよ末期症状のようだ。

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 いつもの港町。なるほどラフなモノクロームねえ。昔の雑誌のグラビアをゼロックスでコピーしたような感じがしないでもない。

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 さて昨日 no news だと嘆いたばかりなのに、今日はビックリするような光景に出くわした。どうやら漁船が浸水事故を起こしたらしい。長年この岸壁に通っているけれど、こういうのははじめてである。

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 南埠頭から撮影。まだあいかわらず寒いのだが、氷はすこしゆるんできたようだ。画像はちょっとラフすぎるかもしれない。

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 南埠頭石炭ローダー付近。本日撮影した中では、この一枚が一番しっくりくるかな。夜の飲屋街なんかを撮るのにも向いていそうな気がする。

 とかなんとかいいながら、ちゃんとふつうのカラーでも撮影しておいたのはもちろんである。この種のフィルタは、お遊びとしてはおもしろいが、記録的価値は低いからだ。

 待てよ、逆にうんと記録的価値の少ないもの、たとえば自分の顔なんかはラフモノクロームが向いているんじゃないだろうか。そのうち試してみよう(笑)。

【2013年2月20日 追記】

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 この浸水して沈みかかった漁船について、昨日北海道新聞釧路版に「釧路港の沈没船、撤去」という記事が載っていたので、ご参考までに。

 使われないまま老朽化し、釧路港内で沈没していた漁船(19トン)1隻が18日、大型のクレーンを搭載した起重機船によって撤去された。

 漁船は1月中旬、釧路市港町の岸壁に係留されたまま沈んだ。(所有者は撤去費用を負担できず)船の安全面などを考慮し、港湾工事を手がける浜谷建設(釧路市)が奉仕活動で作業に当たった。

 ということでまずは一件落着。奉仕活動の背景にはいろいろ事情あったこととは思うが、

 約20人が参加し、中に入った水を含め70トンほどに達した船体をつり上げて、埠頭の上へ運んだ。

というから、まともに請求したら相当の額になるはず。賞賛に値すると思う。

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February 11, 2013

Daily Oregraph: No News

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 春採湖の湖面の氷は先日の雪にすっぽり隠れてしまった。

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 しかしカチカチの凍結路面よりも、固くしまった雪の上のほうが歩きやすいことはたしかだ。

 え、なにか気のきいたニュースはないのかって? ありませぬ。今日もぼんやり生きてしまった。昨日のひなたぼっこ猫とたいしてちがいはないようだ(笑)。

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February 10, 2013

Daily Oregraph: 猫の春

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 春の接近を告げるものにはいろいろあるが、ノンキにひなたぼっこする猫なんてのもそのひとつであろう。

 猫の恋なら春の季語だけれど、こいつはどう見たって恋愛とは縁がなさそうだ。レンズを向けても眠そうにこちらをチラリと見るだけである。爺さんか婆さんかは知らぬが、とても他人とは思えない。

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 猫がうつらうつらするくらいだから気温も低くはないはずだ。すぐお隣の玄関先を見ると、おあつらえむきに大きな寒暖計がぶら下がっていたので、一枚撮っておいた。

 等倍にして確認すると、プラスの2.8度付近を指している。気象台のデータによれば、今日の最高気温は-2.1度だから、ひょっとしたらこの寒暖計
狂っているのかもしれない。

 しかし……ぼくは猫とこの寒暖計を信用することにした。

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February 09, 2013

Daily Oregraph: 続・船カレー

 今日は昨日の遅れを取り戻すべく部屋にこもっていたので、またしても写真を一枚も撮っていない。

 そこで昨日のカレーの続編でお茶を濁したい。といっても、案外船では食事の写真を撮っていないものだ。いつも都合よく食事の時間にぶつかるわけではないし(笑)、写真を撮る余裕のないことも多かったからだ。だから以前掲載ずみの写真も混じっていることをお断りしておく。

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 1999年1月13日。わりと質素なランチである。パパドがでかい。

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 2002年4月20日。十勝港で撮ったもの。料理はインディアンだが、写真の人物はビルマ人の機関士である。このときは彼がわざわざデッキに来て、ぼくを食事に誘ってくれたのであった。機関部とは直接仕事上の接触はなかったから、どうしてぼくの存在を知ったものかは謎である。

 ぼくはなぜかビルマ人と相性がよく、どこが気に入られたのやら(笑)、別の船ではビルマ(注:歴史的にはビルマと呼ぶのが正しい)に来て商売をしないかと誘われたこともある。軍事政権でなければ行ってみたいところだが。

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 2008年11月26日。このときは右上のフライが特にうまかった。

 このほかにカレーパンの仲間もある。日本のものとはみかけも味もちがうけれど、揚げたのもあれば、そうでないのもあり、ファスト・フード店を作ったら絶対に当たると思ったくらいうまい。ああ、写真を撮っておけばよかった。

 ある船で揚げたのをうまいうまいとパクパク食べたら、油が古かったのだろうか、腹を壊してひどい目にあったことがある。しかしまた腹を下してもいいから(笑)、もう一度食いたいと思っている。

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February 08, 2013

Daily Oregraph: 雪かきと昼飯

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 降ったよ、降りましたよ。10センチ以上は積もったんじゃないか。

 -へへ、ご隠居、老骨に鞭打って雪かきですかい。

 -笑いごとじゃないよ、まったく。おまえさんもちょいと手伝っとくれ。

 -なあに、このくらいの雪、戦地の兵隊さん、いや日本海側の爺さんの苦労を思えば、なんてこたあありませんぜ。

 それは百も承知しているのだが、ぼくの場合は二軒分だし、車道部分まで手を抜かずにやるから、休憩なしでたっぷり二時間、せっせと雪をかいたとお思いいただきたい。当然ノートを開こうなどという気力は、大気中にすっかり消え失せてしまった。

 ……とまあ、愚痴を聞かされるのもウンザリだろうから、話題を270度くらい変えることにしよう。

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 時は西暦2005年11月11日(まるで講談だね)、「まあ、昼飯でも食べていきなさい」と声をかけてくれた恰幅のいいおじさんは、某船の船長である。

 娘に送りたいからというので撮影を頼まれたのが上の写真である。プロとしては(笑)一眼レフに単焦点レンズを付けて撮りたいところであったが、ゼイタクはいえないからポケット・デジカメでパチリ(ブレてるねえ)。あとでプリントしてあげたら、ずいぶん喜んでくれた。

 さてインド人がすすめてくれるからには、もちろんカレー。(実は先日根岸冬生さんのブログにカレーの記事が掲載されていたのを思い出し
たのである(笑))。

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 これがこの日のランチ。いったいインドにカレー味以外の料理があるのかどうか、
多くの船でごちそうになったけれど、いまだに不明である。あ、サラダは別ね。

 ただし味にはバリエーションがあって、辛いのもあればそうでないのもある。ご飯の上に好きなものを好きなように乗せたりかけたり混ぜたりすれば、さらに味に変化が生まれる。

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 これはパパドである。パリパリした薄焼き煎餅みたいなたべものなのだが、塩加減もよろしく、実にうまい。

 写真のものはサイズ小さめで、たいていはもっと大型だと思う。みかけはギョウザの皮を大きくしたようなもので、熱した油の中に投入すれば、あっという間にできあがる。これ、日本人にも絶対に受けるにちがいない。スーパーの棚に並べばいいのだが。

 合点がいかないのは、いかにもビールに合いそうなのに、インド人諸君はご飯の合間にこいつをバリバリと食べることである。一種の口直しなのだろうか?

 ああ、雪かきのあとにパパドを食いながらビールを飲んだら、どんなに愉快だろうか! と思いつつ、昼飯には焼きそばを食べたのであった。

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February 07, 2013

Daily Oregraph: 十二年ひと昔-赤ちょうちん横丁

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 今日は写真なるものを一枚も撮っていないので、たまにハードディスクに保存してある昔の写真をながめてみた。ネタがないときはこの手にかぎる(笑)。

 2001年11月13日の赤ちょうちん横丁。見る人が見ればおわかりになるとおり、ネガフィルムで撮影したものである。やはり現在とは雰囲気がちがうように思う。もう一年以上この横丁のお店には入っていない。そのうちにどなたかと行ってみようかな。

 てなことを書いているうちにふと窓の外を見たら……雪が降っているではないか! 明日は雪かきかと思うと、とたんに元気が失せてしまった。やれやれ。

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February 06, 2013

Daily Oregraph: 凍った歩道から

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 桜ヶ岡にやってきたので、近くを少しだけ歩いたのだが、

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このとおり、日陰の歩道はところどころ恐怖の凍結路面である。カメラを持って散歩するような男はふつうじゃないと思う。実際ヒヤヒヤしながら歩いたのである。

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 しかしパチンコ「ニュー千両」の廃虚が健在なのを見て元気百倍(笑)。立派な文化財だが、京都の町家とはわけがちがい、遠からず地上から消滅することは明らかである。機会あるごとに記録しておくのは市民の義務というものであろう(?)。

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 以前も書いたとおり、パチンコ「ニュー千両」は「コ」の字型というユニークな構造になっており、出入り口がふたつあって、こちらが東口である。

 ある本に建築写真は必ず真正面からも一枚撮っておくべきだとあったのを思い出し、シャッターを切った。電信柱がじゃまなので、これまで撮影しなかったのである。

 昭和様式とでもいえばいいのか、独特の美があると思う。かつて夜ごとにネオンが灯ったところを想像すると、なんとなく胸がワクワクしてくる。派手な原色の光線を浴びるのも、町歩きの楽しみのひとつにちがいないからである。

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 メインの西側出入り口を見てギョッとした。いつの間に犬の置物を置いたのだろうと思ったら、生きた犬だったからである。まさか勝手に中に入り込んだわけはなさそうだし、ひょっとしたら番犬だろうか?

 おもしろいことなど
なにひとつありそうにない通りの散歩は、歩道のコンディションが悪いこともあって、往復たったの30分。それでも意外な出来事はあるものだと妙に感心したのであった。

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February 04, 2013

Daily Oregraph: 納戸の奥から

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 これがなんだかおわかりだろうか?

 納戸を整理していたら出てきた旧海軍の雑である。左が外観、右が内部。かなりくたびれてはいるけれど、まだまだ使える。ずいぶん丈夫なものだ。もちろんぼくが使ったものではなく、父の遺品である。

 サイズはだいたい横28センチ×縦20センチレンズ交換式デジカメ(いわゆるミラーレス)ならちょうどすっぽり入りそうだが、さすがにこんな代物を持ち歩くミリタリー趣味はぼくにはない。妙なものが出てきたのでお見せするまでである。

 みなさまもネタに困ったときは押入や納戸を整理されてはいかがだろうか(笑)。

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February 03, 2013

Daily Oregraph: 2003年十勝沖地震をふり返る

 喉元すぎればなんとやら、というのはほんとうだ。災害はときどき振り返って見る必要があると思う。

 昨夜の地震は幸い大きな被害はなかったけれど、十年前の2003年9月26日の地震はM8と規模が大きく、当地方は大きな影響を受けたことをご記憶の方も多いだろう。そこで当時の写真を
いくつか掲載し、地震の恐ろしさを再認識したい。

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 これは釧路港西区第4埠頭南東コーナー部である(2003-9-26撮影)。

 一見中程度の被害のように思われるかもしれないが、実はそうではない。画面右上の黄色の矢印にご注目いただきたい。全体が平面だったのに、大きな段差が生じている。

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 一枚目の写真の段差を東から西へ向かって撮ったもの(2003-9-26撮影)。

 段差の高さは手前で約60センチ、西端では1メートル以上だったと記憶している。

 耐震設計の岸壁がこれほどの被害を受けるのだから、地震のエネルギーのすさまじさが想像できる。

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 同じく第4埠頭の東側岸壁(2003-9-29撮影)。大きな亀裂が走っているうえに、中央部が全体的に陥没している。

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 これは(たぶん)第4埠頭の道路脇で撮ったもの(200
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 西港のある倉庫内に置かれていた車(200
3-9-26撮影)。これは廃車になったはずだ。人間なら即死である。

 このときはぼくの車も被害を受けた。車両保険に地震特約を付けるきっかけとなった
出来事である。

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 倒壊した厳島神社の鳥居(200
3-9-28撮影)。現在は再建されている。

 この地震の揺れは尋常ではなかった。ぼくは家がギシギシ鳴る音というのを生まれて初めて耳にし、死ぬかもしれないという恐怖を覚えた。幸い釧路での津波の高さは約1.2mですんだけれど、場合によっては東日本大震災に近い被害を受けたかもしれないのである。

 防潮堤のかさ上げをしたって、それを超える津波が襲来するかもしれない。津波がこなくたって、地震の揺れで建物が倒壊したり、配管が破壊されたり、機器が損傷を受けるかもしれない。

 それを承知でなおも原発を維持しようという人々の気がしれないのである。
口を開けば経済、経済というが、死屍累々たる荒野を前提とする経済とはいったいなんだろうか?

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February 02, 2013

Daily Oregraph: 近くて遠い春

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 あまり絵にならぬ景色で申し訳ないが……昨日に引きつづき今日も午前中は霧がかかった。この写真は霧がだんだん薄れかかってきたときに撮ったもので、実際はもっと濃かったのである。

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 霧がかかるくらいだから気温も高く、最低-2.9度(01:09)、最高7.3度(14:50)。氷がずいぶん融けたのも不思議はない。

 今年の立春は2月4日。歳時記ではもうすぐ春である。もちろん北国ではそうはいかないことは百も承知しているけれど、せめて気分だけは春でいたいものだ。

 しのびやかに軽くくすぐるように、一日ずつ近づいてくる春 - 森田たま 『もめん随筆』

 ずいぶん以前買ったきりめったに開いたことのない『比喩表現辞典』(中村明)から拾ったものだが、まさに「がさつ」の正反対に位置する繊細な表現だと思う。

 こういう文章は、掃除の行きとどいた座敷にいて、障子から射しこむ柔らかい光を味わう人でなくては書けないにちがいない。散らかし放題の部屋でまぶしい夕日に目をひそめているような男に
とても無理というものである。

 ……などとノンキなことを書いていたら、たったいま強い地震があった。「軽くくすぐるように」どころではなく、震度5+だそうな。津波の心配はないのでまずは一安心だが、ちょいと驚いた。地震はほんとうに恐い。

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February 01, 2013

Daily Oregraph: 朝飯の話

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 今日から『虚栄の市』のノートに取りかかったが、めずらしく日中外で活動したため、わずか2ページ。まあ、のんびりやるさ。

 帰宅途中南埠頭へ寄ってみたら、水面の氷がきれいさっぱり消えていた。そういえば今朝は濃い霧がかかっていたし、風が変わったのだろう。

 さてふだんの生活パターンを外れたせいか、むずかしい本を開こうという気にはなれず、手近にあった文庫本をめくって漱石の『倫敦消息』をざっと読み流していたら、イギリスの朝食についてこう書いてある。

 例のごとく「オートミール」を第一に食う。(中略)麦の御粥みたようなもので我輩は大好きだ。(中略)それから「ベーコン」が一片に玉子一つまたはベーコン二片と相場がきまっている。そのほかに焼パン二片、茶一杯、それでおしまいだ。

 オートミールなんぞはたいしてうまいものとは思えないが、先生の好物であったらしい。オートミールの量、ベーコンやトーストのサイズは不明だけれど、たしかに全体としては質素な感じがする。

 ハムの厚切り一切れ、(両面に火を通した)目玉焼きふたつ、(ジャガイモ料理の一種)ハッシュブラウンズ一盛り、トースト四切れにアップルゼリーのカップがひとつ

 こちらは米海軍のスタンダードな朝食らしい(『オクトーバーを追え』による)。どう見てもイギリスの倍以上である。漱石先生なら胃を壊すことまちがいなし。どうもアメリカの豊かさを誇示しているフシがあるけれど、
はたして自慢になるのかどうか疑問がないでもない。

 後世の歴史家のために、ぼくのここ数年の朝食の内容を公開しておくと、(超)薄切りハム一枚、目玉焼きひとつ、トマト二~三切れ、オニオン・スライス少々、ヨーグルト約100cc、トースト一枚、ときどきリンゴ一切れ。まあ、日本人ならこんなものだろうと思うが……
これでも多すぎるだろうか?

【追記】

 YouTubeでみつけたBBCの「ヴィクトリアン・キッチン」という番組から、朝食のトーストと玉子、ベーコンの画像を拝借した。

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 トーストをあぶっているところ。ヴィクトリア朝時代だからしかたがないとはいえ、これは案外重労働だと思う。

 トーストは切らずにこのまま専用のトースト立て入れてテーブルに置かれていた。

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 目玉焼きとベーコン。ベーコンのサイズはこれで見当がつく。漱石の文章から推測するに、これは四人前であろう(三友亭さんなら一人前?)。

 もちろん玉子は目玉焼きばかりではなく、ゆで卵、スクランブル・エッグ、ポーチド・エッグも食べる。

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 マフィンを食べることもあったようだ。19世紀の半ばまでは家庭でふつうに作っていたらしいが、ずいぶん手間のかかることもあって、パン屋から買うのが普通になったという。
写真のとおり、上下に割って両面にバターを塗り、もとに戻して二つに切る。

 この番組はコックを雇える家庭のキッチンを再現したものだから、漱石先生の下宿よりずっと高級な朝食らしく、ほかにキドニー(腎臓)を串焼きにしたものや、魚やキノコの料理なども登場する。オートミールはみあたらなかったが、好みによっては食べたのだろう。

 アメリカの艦船の朝食風景も探せばみつかるだろう。しかしトースト四枚はやはり食い過ぎではなかろうか(笑)。

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