Daily Oregraph: 凍った歩道から
桜ヶ岡にやってきたので、近くを少しだけ歩いたのだが、
このとおり、日陰の歩道はところどころ恐怖の凍結路面である。カメラを持って散歩するような男はふつうじゃないと思う。実際ヒヤヒヤしながら歩いたのである。
しかしパチンコ「ニュー千両」の廃虚が健在なのを見て元気百倍(笑)。立派な文化財だが、京都の町家とはわけがちがい、遠からず地上から消滅することは明らかである。機会あるごとに記録しておくのは市民の義務というものであろう(?)。
以前も書いたとおり、パチンコ「ニュー千両」は「コ」の字型というユニークな構造になっており、出入り口がふたつあって、こちらが東口である。
ある本に建築写真は必ず真正面からも一枚撮っておくべきだとあったのを思い出し、シャッターを切った。電信柱がじゃまなので、これまで撮影しなかったのである。
昭和様式とでもいえばいいのか、独特の美があると思う。かつて夜ごとにネオンが灯ったところを想像すると、なんとなく胸がワクワクしてくる。派手な原色の光線を浴びるのも、町歩きの楽しみのひとつにちがいないからである。
メインの西側出入り口を見てギョッとした。いつの間に犬の置物を置いたのだろうと思ったら、生きた犬だったからである。まさか勝手に中に入り込んだわけはなさそうだし、ひょっとしたら番犬だろうか?
おもしろいことなどなにひとつありそうにない通りの散歩は、歩道のコンディションが悪いこともあって、往復たったの30分。それでも意外な出来事はあるものだと妙に感心したのであった。
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Comments
>パチンコ「ニュー千両」の廃虚
中々風情のある建物ですなあ・・・サビの付き具合が何とも言えない。
世知辛い今日、廃墟になった建物をこのように錆びつくまでほおっておく余裕があるなんてさすが釧路の町ですなあ・・・
・・・なんてことは桜井に住んでいたらとても言えません。桜井の町もあちらこちらに・・・
でもこんな味わいのある廃墟にはなかなかお目にかかれません。
Posted by: 三友亭主人 | February 06, 2013 23:13
>三友亭さん
「異彩を放つ」という表現がありますけど、まさにこの建物がそれですね。とにかく目立ちます。
> このように錆びつくまでほおっておく余裕があるなんて
これ、余裕なんでしょうかね(笑)。
> 桜井の町もあちらこちらに・・・
断然記録写真をお撮りになるべきです。町並みは知らないうちに変わりますよ。
Posted by: 薄氷堂 | February 07, 2013 08:01
昔はよくパチンコをやりましたが
チューリップが廃れてからは
僕も廃れました。
もう三十年にもなりましょうねえ。
Posted by: 根岸冬生 | February 07, 2013 10:00
>根岸冬生さん
この廃虚は通りかかるたびに撮影しています。磁力に引かれるんでしょうね。
> 僕も廃れました。
なにをおっしゃいますやら。お互い人間の廃虚になるにはまだ早すぎますよ(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | February 07, 2013 14:28