Daily Oregraph: 作戦失敗?
宗八(ソウハチ)ガレイ、一尾85円也。買わずに写真を撮っただけ。
なにしろノートを読み返しているだけの毎日だから、ネタというものがない。おまけにここ数日、どうも文字を読むのがつらくてならない。いわゆるスランプである。
だれだったか、真剣の素振りをしてスランプを乗り切った野球選手がいたと記憶している。しかしそんな物騒なものはもちろんわが家にはないから、素振りをするなら一升瓶くらいのものだろうか。
こういうときは思い切って気分転換が必要である。音楽などはよさそうだけれど、それなら毎日聴いているじゃないか。いやいや、思い切ってジャンルを変えるのさ。そこで三橋美智也から浅川マキやビリー・ホリデイまで、一杯やりながら、ごった煮にして聴きはじめたとお思いいただきたい。
先日札幌の喫茶店に流れていたヘレン・メリルの What's New も聴き直してみたが、しんみりしていい曲である。ニューヨークのためいきに
I haven't changed
I still love you so
なんてささやかれてごらんなさい、ゾクゾクとするから。Handsome as ever (あいかわらずハンサム)-じゃないおれには、だれもそんな泣かせるセリフをいってくれない(あたりまえ)のは情けないけどさ(笑)。
しかし一番こたえたのは、ビリー・ホリデイのだみ声だなあ。こっちはとてもシラフではつらくて聴く気になれない。だんだん気が滅入ってくるのである。そこで酔いが回ってから聴いてみると……ますます気分が落ちこんでくるのだ。
あの声で You don't know what love is てなことをいわれると、たしかにそうかもしれないなあと思えてくるからふしぎである。
う~む、スランプ脱出作戦失敗だろうか? でも今日一日だけは勉強をサボって音楽にひたることにしよう。
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Comments
>三橋美智也から浅川マキやビリー・ホリデイ
いやあ、私から見れば一世代上の名前ばっかりですなあ・・・子供の頃、こんな名はよく聞きましたよ(笑)。
でも、そのお歌もそれぞれ一曲二曲ずつぐらいなら聞いたことがありますよ。
三橋道也はともかく、他のお二人は御酒を飲みながら聞くにもってこいのお声ですね。
Posted by: 三友亭主人 | February 27, 2013 21:05
>三友亭さん
> 私から見れば一世代上の名前ばっかりですなあ
これこれ、それじゃまるでぼくがとんでもないジジイみたいじゃありませんか。
> 三橋美智也はともかく
そんなことをおっしゃるあなたは……You don't know what love is.
Posted by: 薄氷堂 | February 27, 2013 22:15
こんにちは。
ビリー・ホリデイのしわがれ声、晩年になるほどひどくなっていきますね。
聴いていて痛々しいものがあるのです。
若い頃からしわがれ声の傾向はあったようですが、まだ安心して聴いていられます。
ヘレン・メリルとかジョー・スタッフォード、
ジュリー・ロンドンあたりを聴くのがいいかもしれませんよ。
Posted by: 只野乙山 | February 28, 2013 09:40
>只野乙山さん
ビリー・ホリデイの晩年の声はほんとに痛々しいですよね。
ジョー・スタッフォードはLPを一枚持っています。ぼくの好みはアメリカ版「星の流れに」である Love for Sale ですね。いろいろの歌手が歌っているけれど、彼女のが一番好きです。
ジュリー・ロンドンもいいですね。しっとりした大人の歌といったところでしょうか。
いずれも強いアルコールにぴったり(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | February 28, 2013 13:09