Daily Oregraph: Kyoto 2012 天神さん参り
上賀茂神社と並んで愛着のあるのが北野天満宮である。朝早く自転車をこいでよく行ったことを思い出す。なんとしてもお参りせねば天神さんに申し訳がない。
そこでテクテク歩いていると、
こんな看板が目にとまった。同行の通信員によれば、有名な行事だから一見の価値があるらしい。千本釈迦堂にはまだ行ったこともないし、ついでだからちょっとだけ寄ってみることにした。
釈迦堂の前では衆院選の候補者が街頭演説をしていた。こちらは中風封じに効ありというのだが、選挙はどんなものか。候補者の名前を忘れたから結果は不明である。だれもせっかくの演説を聞いていなかったことだけはまちがいない。
おお、かなりの人出である。みなさんよほど中風がこわいらしい。
もう終わりかけの紅葉がみごとであった。
手前の大きな釜で大根を焚くらしい。人様のお椀をのぞくわけにもいかず、肝腎の焚いた大根がどんなものかは撮れなかった。
カメラを持ったベテランらしき人を何人もみかけたが、たぶんかれらは撮りどころを心得ているにちがいない。なにごとも修行が必要である。桃栗三年大根八年、通りすがりの旅人の出る幕ではない。
しかしどんな大根を焚いているのかはわかった。生大根を買って、自宅で焚く人もいるのだろう。たしか一個千円。けっこうなお値段だが、「お守り付」だからけっして高くはないと思う。
めずらしい行事を見物したあとは上七軒を通って天神さんへ向かう。この通りは閑静のようでいて、案外車の通行が多いからご用心。
ここにも真っ赤な消火バケツがあった。おわかりになるだろうか。
上七軒を抜けるとすぐに北野天満宮の東門。
境内には末社文子天満宮がある。たぶん以前目にしているはずなのだが、由緒書きを読んだのははじめて。素通りしていたのである。
明治になってここに遷座されたとあるが、ネット検索すると本家の文子天満宮も下京区に現存している。上の写真の由緒書きにもあるとおり、文子天満宮こそ誇り高き天神信仰発祥の社であるらしい。いずれ本家にも行かねばなるまい。
天神さんはいつ来ても人気があり、お賽銭を入れる人々が列をなしていた。
ぼくはいまさら試験を受けるつもりはないからお賽銭だけにしておいたが、もし祈願を受けるなら、千円多く出しても断然甲号を選びたい。やはり本殿に上がれるというのは魅力だからである。
五千円も出して落第したらどうしてくれるんだ、というお方はセルフ・ヘルプ、必死になって勉強するしかない。夢に天神さんが現れて、きっとお助けくださること疑いなし。
逆コースで楼門をくぐると、修学旅行生のグループだろうか、カメラをこちらに向けていた。写真好きのお方か、写真部の顧問なのか、先生が熱心に撮影指導している。
先生の注文が多いので、高校生たちはちょっと萎縮しているように見えた。先生、放っておいてもいいんですよ。高校生のうちから上手な写真を撮っているようでは、先が思いやられますからね(笑)。
さらば、天神さん。次に来たときはもうちょっとお賽銭をはずみますからね。
……というわけで、今回はまっとうな観光客らしくふるまえたようだ。人間すなおが一番。
次回は残りの写真からいくつか、いわば落ち穂ひろい。このシリーズも最終回にするつもりだ。
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Comments
十年近くも塾に通わせ大枚を使い、その上に受験の年にはお布施をはずみ・・・・・
日本の親たちは、大変だなぁと、つくづく思います。
聖護院大根ですよね?
美味しそう~!
大根炊きと文字を読んだらふろふき大根が食べたくなりました。
Posted by: りら | December 24, 2012 04:24
北野天神ですか〜〜。(遠い目)
あそこ、効きますよ。私もわざわざ行って祈願したくらいですから。(笑)
但し、3月の始めにまだ受験シーズンが終わっていないのに浪人確定で、来年の受験の合格祈願でしたが・・・
受付の人に「来年の受験ですが大丈夫ですよね?有効期限なんてないですよね??」しつこく聞いて怪訝な表情されましたが。
最後の楼門は、銅板に葺き替えたんですね。色の具合から見て施工後12年±3年という所でしょうか。
Posted by: アナログ熊さん | December 24, 2012 06:16
>りらさん
お金をかけた度合いと成績とは必ずしも比例しないんですけどねえ。
> 聖護院大根ですよね?
なんだか太ったカブみたいな大根ですね。表面に書かれた梵字(?)が健康祈願のおまじないなんでしょうか。
食べてみたい気持も少しはあったんですけど、このあと昼食の予定があったものですから、やめておきました。いまのところ中風の気もありませんし(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | December 24, 2012 09:37
>アナログ熊さん
へえ、熊さんに天神さんとのご縁があったとは。
> 有効期限なんてないですよね?
ふつうはお祓いを受けてから一年間かと(笑)。でも三月の祈願でしたら、翌年の試験には間に合ったと思いますよ。
> 色の具合から見て施工後12年±3年という所でしょうか。
なるほど専門家の目というのは恐ろしいものですね。熊さんはいつも上を向いて歩いているのでは?
Posted by: 薄氷堂 | December 24, 2012 09:51
京都方面出張から昨晩戻りました。
もっとも、私の京都は
新幹線と在来線の乗り換えだけでしたが。
京都は飲み屋を一軒知っているだけですね。
京都で長らく暮らしていたんですね。
関東人の僕なんかからすると
京都というのはまったく別の世界ですね。
1000年王国とはよく言ったものです。
Posted by: 根岸冬生 | December 24, 2012 09:51
>根岸冬生さん
ご出張お疲れさまでした。
> 京都は飲み屋を一軒知っているだけですね。
行きつけの飲み屋があればたいしたものですよ。
ぼくは行動範囲がごく限られていましたから、まだ知らないところがたくさん残っています。
清水寺なんかも、東京から友人が来たからいっしょに行ったようなもので、そうでなければ足を運ばなかったと思います。
見物するなら観光客として行ったほうがいいですね。
> 京都というのはまったく別の世界ですね。
北海道から見たらまったくの異国ですが、向こうでもそう思っていますよ。北海道などは日本の一部とはみなされていないかも(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | December 24, 2012 10:13