Daily Oregraph: 必読書だらけ
今日の一日一枚は紫雲台墓地。あちこち歩いているヒマはないから、どんな場所でも撮れるときに撮るのがプロの道(?)というものである。
本日の読書より。
「ジェニングズ様、ひょっとして『ロビンソン・クルーソー』はご存じで?」
私はこどもの頃読んだことがあると答えた。
「で、それっきり?」と、ベタレッジ。
「それっきり」
ベタレッジはうしろへ数歩退いて私を見たが、その憐れみのこもったふしぎそうな表情には、迷信的な畏れが入りまじっていた。
「こどものとき以来、『ロビンソン・クルーソー』を読んでいないとは」と、彼は私に向かってではなく、ひとりごとをいった。
この場面から察するに、『ロビンソン・クルーソー』とは、たいていのイギリス人にとって、こどもの頃に読む作品である(あった?)らしい。日本人の場合、まったく読んだことのない人のほうが多いんじゃないかと思う。ぼくはそれこそこどもの頃に少年少女向けの翻訳を読んだけれど、たぶん完訳ではなかっただろう。
ベタレッジ老のように、ほとんど聖書がわりに愛読する人もいるほどだから、これはぜひ原作を読まなくちゃいけない。しかし初版は1719年だから18世紀か……う~む、再来年に回すことにしよう(笑)。
19世紀だけでも必読書は山ほどあるのだから、気が遠くなってくる。時間との競争だな。
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Comments
私も「ロビンソン・クルーソー」は、子供向けの抄訳で読んだのだと思います。あとは・・・絵本のようなもの・・・だったかな。
ただ思うのは、子供の頃をつらつら思い返してみると・・・、「ロビンソン・クルーソー」のような海外の作品の名場面をもじったようなモノがテレビのアニメなどで見ることがあったような・・・そしてそれは・・・原作の内容をあらかじめある程度は知っていなければ、面白くもなんともないものだなあ・・・なんて思い当たったりして。
当時のアニメの製作者は、そのあたりを標準的な視聴者の教養ととらえていたんでしょうね。
ところで・・・
>19世紀だけでも必読書は山ほどあるのだから、気が遠くなってくる
私なんか8世紀で気が遠くなっています。
Posted by: 三友亭主人 | November 25, 2012 09:57
そういえば、私もしばしばロビンソン・クルーソーが
しばしばイギリス文学の中でも
特別な位置づけに置かれることを学んだような気が……
その理由や如何に
ぜひご教授いただきたい。
Posted by: 根岸冬生 | November 25, 2012 16:26
>三友亭さん
『ロビンソン・クルーソー』と『ガリヴァー旅行記』の原作は再来年に回そうと思っています。
必読といえば聖書もそうなんですが、あれは出だしでめげてしまいます(信者の方にはあやまります(笑))。一応手元にはありますから、必要に応じて参照はしているんですけど。
> 私なんか8世紀で気が遠くなっています。
ぼくの発見した法則によると、気の遠くなる度合いは、
(21-該当世紀)の2倍
ですから、8世紀の場合、26倍という計算になります(笑)。19世紀ですと、たったの4倍ですからたいしたことありませんね。
Posted by: 薄氷堂 | November 26, 2012 01:47
>根岸冬生さん
> ぜひご教授いただきたい。
無茶をおっしゃってはいけません。そんなだいそれたことが出来るほどの学力があれば、いまごろ津田塾の教壇に立っていますよ(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | November 26, 2012 01:50
昨日私は連れ合いに「「砂の惑星」を読んでいないなんて信じられない!」と言われてしまいました。
我が夫婦にとっては必読書らしいです。
Thanksgiving休暇で上の息子が仲良しを連れてきたのですが、母国語は英語、高校で履修したのが北京語(来年から中国へ留学予定)、高校卒業の夏休みに二ヶ月ドイツへ行ってドイツ語、この夏はお父さんの出身地ブラジルで二ヶ月滞在でポルトガル語を・・・その上次の学期からは日本語を勉強したい~♪のだそうで・・・
小説を読むところまでは行かないでしょうが、齢20歳にして四ヶ国語を話せる!
語学好きってこういうことができちゃうんですよねぇ。はぁぁぁ
Posted by: りら | November 26, 2012 04:19
>りらさん
ミミズの化け物みたいなワームが登場し、砂丘で決戦が展開される映画を見た記憶があるんですけど、その原作が『砂の惑星』ではなかったかと思います(自信はありませんが)。おもしろい映画でしたよ。
あれをご存じないとは、信じられな~い(笑)……というわけで、ここはご主人に一票を投じておきましょう。
> 齢20歳にして四ヶ国語
すばらしい。若さ+才能+熱意、これはもう天下無敵ですよ。
英米のインテリには、中国語と日本語の両方に通じた人が少なくないように思います。その青年なら、きっと日本語の小説も読めるようになりますね。
さて若さはすでに失われ、才能もないおじさんの立場は苦しいところです。しかも一番大切な時期に勉強をさぼっていますからねえ。
残るのは熱意だけですが、これもちとあやしい(笑)。あきらめの悪さだけが唯一の武器というところでしょうか。
Posted by: 薄氷堂 | November 26, 2012 09:27