Daily Oregraph: 朝食はしっかりと
午前中に浜へ行ってみると、恐ろしく風が強かったので早々に散歩を切り上げて逃げ帰り、また本を開く。
今日もおおいにはかどり、ベタレッジ老の語る第一部を終えて、いよいよ謎が解明される第二部に入った。
ベタレッジさんというのはイギリス流のひとつの見本みたいなおじさんで、
わたしたちは朝食を取りました。強盗だろうと人殺しだろうと、お屋敷でなにが起ころうとも、とにかく朝ご飯は食べなくちゃいけませんからな。
というのは有名な一節らしい。あなたも朝食を忘れてはいけませんぞ。
第二部の語り手はミス・クラック。まだ読みはじめたばかりだが、どうやら信仰にこりかたまった女性らしい。自分は信心深く立派な人物だと思いこんでいるだけに、いささか偏狭で偽善的な傾向がある。
彼女の属している慈善団体というのがおもしろい。なんでも、父親どもが質屋に入れたままの、つまりは質流れのスボンを買い取って、二度とダメ親がはけぬよう、こどものサイズに縮めて仕立て直すという団体らしい。
ズボンを質に入れて酒を飲むダメ親がいてこそ成立しうる慈善事業なのだから、ここは感心するところではなく笑うべきところなのだろうが(笑)、たぶん当時それに近い団体があったのだと思う。
さてそろそろパイプについては忘れようと思いながらも、もう少しだけ調べてみたら、上の図のようなブランデー・パイプというのが検索に引っかかったのには驚いた。もちろんガラス製の華奢なものだから、漁師のおかみさんがふだん使うとはとても考えられない。しかし容器に管がついているのは、名称にふさわしいと思う。材質や形はともかく、似たようなものがあったのかもしれない。
もうひとつ気になったのが右下の容器である。図の容器からフタを外せば、昨日掲載した写真のコップに形が似てはいないだろうか? 実はこれ、名称はわからないのだが、出所はこちら。飲み物の容器に関する記事中に "bottles, tankards and pipes" とあるので、ひょっとしたら……という気もするが、いっしょに出土した煙草用のパイプを指している可能性もある。
なお tankard というのは取っ手のついたマグ(ふつうビール用。フタ付きもある)をいう。上図のものもタンカードの一種かもしれない。
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