« Daily Oregraph: 春採湖畔 エゾトリカブトふたたび | Main | Daily Oregraph: ある幽霊譚(漱石『琴のそら音』から) »

October 15, 2012

Daily Oregraph: 春採湖畔 マユミ

121015_01
 少々風は強かったけれど、本日も上天気。

121015_02

 花は枯れ、木の葉は色づき、日本人好みの渋い景色の中で、ひときわ目立つのがマユミの紅い実である。おれも真っ赤な服を着て歩こうかなあ。

121015_03

 先日はまだ熟していない実をむりやりこじ開けたけれど、これが完熟してはじけたミヤマニガウリの実。黒くなった種が見える。

 さて維新の会の英語名が Japan Restoration Party に決まったというのが、ちょっとした話題になっている。

 Restoration の第一義は「前の状態に戻すこと」、世界史的には、イギリスなら1660年のリチャード2世、フランスなら1814年のルイ18世の王政復古を指す。革新どころか、後ろ向きの復古なのである。

 インターネットでの論調は、「明治維新の英訳に引きずられたのだろうが、ものを知らないにもほどがある」と維新の会を笑いものにするものがほとんど
だけれど(笑)、ぼくは大胆にも(めずらしくも?)維新の会の名誉のために反論を試みたいのである。

 いったい辞書を引けばすぐにわかるほどの常識を、白カブ市長ほどの物知りがご存じないはずはないだろう(たぶん)。しかも顧問やら取り巻きには、アメリカ帰りのインテリ(銭ゲバ?)や、抜け目のない万博おじさんまでおいでなのだから、はずかしい初歩的な誤りをおかすはずがない。

 つまりまさに維新の会のめざすものが復古だから Restoration と名乗っているだけの話で、まちがいでもなんでもないのである。別に先見の明を誇るわけじゃないけど(笑)、ぼくは最初からそう予感していた(ホントだよ)。

 まあ、がんばって旧憲法への restoration をめざしてちょうだい。吉本新喜劇の
出し物としてはおもしろいと思うよ。

|

« Daily Oregraph: 春採湖畔 エゾトリカブトふたたび | Main | Daily Oregraph: ある幽霊譚(漱石『琴のそら音』から) »

Comments

薄氷堂んさんに今さらこんな講釈は必要はないと知りながら・・・
維新という言葉、手元の辞書を引けば、『詩経』「大雅・文王篇」の一節、「周は旧邦なりといえども、その命維新れ新たなり」がその出典で、原義としては「革新」。
天保元年(1830年)、水戸藩の藤田東湖が藩政改革への決意を述べる際に用いたのがわが国では初見だとウィキペディアは説いています。先の述べたように「革新」の義に通ずる語と理解できるこの語ですが、よくよく考えれば、その維新の代表格の明治維新の目標は「王政復古」。そして今回の白カブグループの打ち出したのも王水復古。やはり薄氷堂さんの考えが図星というところじゃあないでしょうか。
大体、維新を「革新」なんて理解したら、彼らのもっとも忌み嫌う左利きの方々と同じになってしまいますものね。

でも・・・お言葉ながら、最後のお言葉には少々従いかねます。同じくだらないものにしても、彼らの目論むお笑い種よりも、吉本新喜劇は・・・はるかに面白い・・・

Posted by: 三友亭主人 | October 15, 2012 21:16

>三友亭さん

 ええ、維新のもともとの意味がそうだということは承知しております。しかし歴史的には西洋人の感覚のほうが正確ですね。

 一新(御): The Imperial Restoration of 1867-1868. (パピノ日本史辞典 1910)

 つまり日本語の文字面を見ると、なんとなく革命みたいだけれど、中身は市民革命じゃなくて、まさに王政復古としかいいようがないわけです。

 明治の文明開化を連想して、ついほんとうの「御一新」のように思いがちですが、英国を見てもわかるとおり、文明開化は王政下でも進行しますから、そこは混同しないほうがいいですよね。

 ようするに維新の会は、なんとなく維新に革命(とまではいえないでしょうが)のイメージをかぶせ、一見目新しいことを口からでまかせに売り込んでいるだけの話で、中身は旧態依然。

 それどころか、党首に拒否権を持たせるのどうのと、非常識なことを口走っていますから、もうバカを通り越したウルトラ危険思想ですよ(あ、いっちゃった(笑))。

> 彼らの目論むお笑い種よりも、吉本新喜劇は・・・はるかに面白い・・・

 これはどうも失礼いたしました。そうですね、カブ頭市長なら、せいぜい中学校の学芸会の芝居がお似合いかも。 

Posted by: 薄氷堂 | October 15, 2012 22:11

市長様も

虚像が実像になって……

と本人自らおっしゃっておりました。
他人のふんどしで相撲をとる技、稀代の詐欺師に見えて来ました。

Posted by: 根岸冬生 | October 16, 2012 10:32

>根岸冬生さん

 21世紀の世の中に Restoration Party なんてね、海外からはトンデモ極右政党だと思われるはずです。

 えらく白カブ市長を持ち上げている人々がいるけれど、狸ぞろいだから腹に一物あることはまちがいありません。ぼくは白カブ氏よりも狸どものほうが怖いですね。

 まともな人物にはできない乱暴な汚れ仕事を白カブ氏にさせて、用済みになったら使い捨てにするんじゃないか(笑)、と読んでいますが、考えすぎ?

Posted by: 薄氷堂 | October 16, 2012 22:01

The comments to this entry are closed.

« Daily Oregraph: 春採湖畔 エゾトリカブトふたたび | Main | Daily Oregraph: ある幽霊譚(漱石『琴のそら音』から) »