Daily Oregraph: 裏庭画報 白カブはいま
今日はコミ袋を持ったボランティアのみなさんが春採湖畔の清掃作業中であった。お手伝いしなくてまことに申し訳ないけれど、ここではチリひとつ落としていないので、どうかご勘弁いただきたい。
さて裏庭はどうなったかというと……第二次白カブの芽も少し大きくなってきた。今年は面倒くさいからもう畝を増やすつもりはないが、来年はもう少し計画的に野菜を育ててみたい。
第一次白カブの葉はずいぶん成長した。間引きが足りないようだけれど、はじめてだから、ときどき一本ずつ引っこ抜いて根の太りぐあいを確かめようと残しているである。
本日の読書。『虚栄の市(Vanity Fair)』は、漫談とまではいえないが、高等講談の趣があって、ずいぶんおしゃべりな小説である。漱石の『猫』はこちらの系統に近いと思う。深刻な悲劇のあとに気分転換として読むには適しているかもしれない。
サッカレー(Thackeray)という人は才人で、自分で挿絵まで描いている。ひとつお目にかけると、
このとおり、ずいぶん達者なものである。
作者が文も挿絵も……となれば、わが山東京伝を連想するけれど、『江戸生艶気樺焼』などといっしょにしてはいけない(笑)。豚鼻のバカ息子の話もそれはそれなりにおもしろいのだが、サッカレーの大作とは、質量ともにスケールがちがいすぎて、比較の対象にはしにくいからである。
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Comments
例の前方後円墳はすっかり鬱蒼とした茂みになって、年輪を感じさせるようななってきましたね・・・
まるで1700年以上前の箸墓古墳のように・・・(笑)
発掘調査をしたならさぞや貴重な遺物が・・・
Posted by: 三友亭主人 | August 19, 2012 22:09
>三友亭さん
> 発掘調査をしたならさぞや貴重な遺物が・・・
大学の先生がお弟子を引き連れて発掘をはじめますと……
-あっ、先生、出ました!
-おお、出たかね?
-りっぱな白カブです。
かくして日本の野菜史が書き換えられたのであります。
Posted by: 薄氷堂 | August 19, 2012 22:27
こんにちは。
サッカレーの『虚栄の市』はまだ読んだことがありません。
確か太宰治が「ここを過ぎて虚栄の市」という一節を、
どこかで書いていたような気がします。
ペン画、大好きなんですよ。
本の挿絵なんかに使われるペンで描いた絵は、
なんとも言えぬ魅力があって、自分で『ペンで描く』という
本を買ってしまったくらいでしてね。
買っただけで、ペン画を描くに至っていないところが
乙山らしいのですが。
あちらにはもう一人、絵を描く小説家がいますよ。
あの「ムーミン」シリーズのトーべ・ヤンソンさんです。
あの人の絵も、大好きですね。
Posted by: 只野乙山 | August 21, 2012 07:32
>只野乙山さん
ここを過ぎて悲しみの市(まち)(『道化の華』)ですね。でも虚栄の市というのも悪くないと思います。
挿絵のある本は楽しみが多いし、風俗資料としても参考になります。特に服装などは、絵があれば一目瞭然ですし。
ムーミン・シリーズもそうですが、ドリトル先生シリーズも作者自身の挿絵でしたね。
Posted by: 薄氷堂 | August 21, 2012 09:49