Daily Oregraph: 山花温泉へ
右肩の痛みが気になるので、ひさしぶりに山花温泉へ。
冬の間ていねいに雪かきしたせいで軽い痛みを感じていたのだが、裏庭で鍬をふるったり草むしりをしているうちに、それがますます悪化したのである。年のせいというより、慣れないことをした結果だろう。毎日ノートを取ったせいで肩を痛めたのだといえば世間体はいいけれど(笑)、まさかそこまで恥知らずではないから遠慮しておこう。
日本昔話にもケガをした動物たちの温泉につかる場面があったように思う。木から落ちたサルの傷が癒えるからには、人間様に効果がないはずはない。
山花温泉のお湯は一時褐色に濁ったのだが、いつの間にかもとに戻っていた。ここは湯温が高すぎず、特に露天風呂はややぬるめなところがいい。ぼくは熱いお湯が苦手なのである。
まさか一日で痛みが取れるわけはないけれど、ほんの少し楽になったことは確かだ。毎日というわけにはいかないにしても、しばらく通ってみようかと思う。
さて今日の読書。マギーの父親は500ポンドの借金を返済するため、300ポンドの貸金を取り立てに行くのだが、この人物に鬼のような取り立てが出来るものかどうか……
ジェイン・エアのガヴァネスとしての年俸が30ポンドだったことをご記憶だろうか。19世紀半ば頃の300ポンドというと、けっしてはした金ではない。借り手は二年分の利子でさえ支払えぬという窮状にある。利息がいくらかは知らないが、かりに5パーセントとしても年に15ポンドだから、二年で30ポンド。30ポンド払えぬ人間に300ポンドを返済できるわけがない。
ジョージ・エリオットはもともとジャーナリストだから、世間が広い。オースティンの小説では見えなかった部分が見えてくるのである。頭脳優秀、機知縦横の作家だけに、語彙も豊富だし比喩も巧みな分だけノートの分量が増えることになる。今の割合でいけば、恐ろしい厚さになりそうだ。肩の痛みもまた……(笑)
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Comments
しかし、ええですなあ。
ちょっと、どこが痛いと言って
すぐに温泉に行ける環境。
東京だと一日がかりの大イベントです。
温泉は。
Posted by: 根岸冬生 | July 10, 2012 01:01
>根岸冬生さん
実は町中にも天然温泉がありまして、ホテルによっては日帰り入浴も可能です。
郊外にある山花温泉(たしか市営)は、途中田園風景も楽しめるので、気に入っております。
そのほかにも、もう少し足を伸ばせば、日帰り可能な温泉はたくさんありますよ。
Posted by: 薄氷堂 | July 10, 2012 08:59
普段ペンより重いものを持ちつけぬお育ちだから?
なぁどと言っている場合では無いですね。
お大事になさってください。
私も、不調を感じてすぐに温泉に行ける環境が羨ましいです~!
Posted by: りら | July 10, 2012 10:28
>りらさん
> 普段ペンより重いものを持ちつけぬお育ちだから?
そのとおりなんですよ。よくおわかりですね。お坊ちゃまのする仕事じゃありませんよ(笑)。
温泉は効果があると思いますが、つづけて入らなくてはいけませんね。着物の似合う女将さんのいる温泉宿などがよろしいようで。
Posted by: 薄氷堂 | July 10, 2012 23:48