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July 27, 2012

Daily Oregraph: 浦幌~上厚内駅

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 今年に入ってはじめて釧路管内の外へ出て、やってきたのがここ浦幌町。目的はうらほろ森林公園である。いつも看板だけ目にして素通りしていたから、一度歩いてみたかったのだ。

 ここにはオートキャンプ場などの施設もあり、整備されすぎてつまらないのではないかと予想していたのだが、そうではなかった。もちろん隅々まで人の手は入っているにしても、敷地は驚くほど広大だし、森の中の遊歩道はなかなか魅力的である。

 ところが丘の上へ通じる急な階段や坂道に同行者が拒否反応(笑)を示したため、散歩は断念せざるをえなかった。残念ながら機会を改めて、いずれひとりで再訪することにした次第である。

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 オオウバユリは釧路でも見られるが、このようににょきにょき生えているのは、十勝管内が温暖なためであろう。植物観察の値打ちはおおいにありそうだ。

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 しょうがないので、付近をブラブラしてから道の駅へ行って、柄にもなくなんとかベリー・ソフトクリームを食べる。釧路よりも気温が高いから、こういうものを食べたくなるのである。

 しかしこのまま帰るのもつまらないので……ひさしぶりにあそこへ寄ってみようか。

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 上厚内駅前通り。しばらく来ていないけれど、この商店跡はそのままである。

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 おお、なつかしの上厚内駅。玄関の戸は、少し力を入れないと開け閉めできないほど渋くなり、いっそう風格を増したように思われる。

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 いつ訪れても、この静謐がすばらしい。駅舎に入ったとたん、外と空気のちがうことがわかる。

 ぼくのインチキ相対性理論によれば、異空間であるからには時間の流れかたがちがってもおかしくはない。きっと浦島効果だってあるはずだから、試してごらんになってはいかが?

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 ここはときどき無性に来たくなる、数少ない場所のひとつである。21世紀はこれに匹敵する建築物をたったひとつでも作り上げることができただろうか?

 以前も書いたように、駅の付近には民家がいくつかあり、おまけにアクセスも容易だし、ここを秘境駅などとおもしろ半分に呼ぶのは明らかに不当である。いわゆる都会人の軽薄さに怒りをおぼえるのはぼくだけだろうか。

【7月28日 付記】

 写真を一枚追加しておこう。

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 連絡橋上から駅前を見たところ。画面右が釧路方面、左が浦幌・帯広方面である。

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Comments

こんばんは!
連日、暑いですねえ。記事を拝見すると、
そちらでもかなり来ているようですが。

ソフトクリーム、美味しそうですね。
乙山もそれが好きでしてね、ネクタイをしていようが、
食べたくなったら、かぶりつきますよ。

そうやって、表でアイスにかぶりついていますとね、
それを見た人がアイスを買っていたりするんです。
大阪の地下街なんて暑いでしょう、
そこでやるともう、効果てきめん!

なんだかアイスが食べたくなってきましたよ。

Posted by: 只野乙山 | July 28, 2012 at 00:25

おお、廃線かと思ったら
現役なんですね。しかも、駅前通りって……
まるで、高倉健が向こうからやってきそうな。

明治43年の開業ですか。
ここに住み着いた人たちは
どんな思いで、来る汽車を待ったのでしょうね。

見送りがあり出迎えがあり
笑いがあり涙があり
ドラマがあり何も変わらない日常があり
過去があり現在があり
どんな未来があるでしょうか。

Posted by: 根岸冬生 | July 28, 2012 at 05:35

>只野乙山さん

 いやあ、ふだんはめったにソフトクリームなんぞ食べないんですけど、暑いときにはうまいですよね。

 釧路もきのうはたしか22度、今日はもっと暑くなりそうです。

 またソフトを食うのかって? いえいえ、今日はジンでも買うことにしましょう。

Posted by: 薄氷堂 | July 28, 2012 at 09:50

>根岸冬生さん

 木造の駅舎は道内にまだいくつか残っており、いずれも味のある建物ですが、上厚内駅は特に気に入っています。ほんと、健さんにピッタリの駅ですよ。

 「駅前通り」というのはぼくが勝手に名づけたのですが、たぶんただ一軒だけであった商店も写真のとおりです。住民のみなさんは車で買い物に行かれているのでしょう。

> どんな未来があるでしょうか。

 この駅舎もいずれは姿を消すでしょう。利用度からいっても、いまさら立派な駅舎を新築する予算はないでしょうから、せいぜいプレハブ小屋がいいところでしょうね。

 それでは男女の出会いや別れの場としてふさわしくないけれど、しかたのないことですね。

Posted by: 薄氷堂 | July 28, 2012 at 10:02

>丘の上へ通じる急な階段や坂道に同行者が拒否反応

まあ、私の同行者なんかも同じ反応を示すんじゃないか・・・そんなふうには思いますが

しかし・・・それにしてもなんと趣深い駅舎でしょうか。
今迄数度訪れた北海道の地でも、この駅の様な趣深い駅をいくつも見ました・・・
本土にももっともっと、粗末な駅舎は有りますが・・・この風情だけは北海道独特のものですね

Posted by: 三友亭主人 | July 28, 2012 at 22:40

>三友亭さん

 余計な装飾のない美しさは、日本が世界に誇りうるもののひとつだと思います。

 職人が使い込んだ道具のような木の肌ざわりや、明暗の微妙なトーンもすばらしいですね。駅舎界の桂離宮ではないかと、勝手に考えています。

 さあ、さっそく上厚内駅訪問のために貯金をはじめましょう(笑)。いつでもご一緒しますよ。

Posted by: 薄氷堂 | July 29, 2012 at 00:09

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