Daily Oregraph: 裏庭画報 白カブものがたり
ほんとうにカブになるのかどうかわからないけど、これが芽のクローズアップである。
カブのかたちが頭に似ているからだろうか、英語ではふざけて人間を turnip と呼ぶことがある。辞書によっては「バカ、まぬけ」などという意味も載っている。今読んでいる小説には、こんな表現も……
My yead isn't a turnip.
おらの頭(yead = head)はカブじゃねえ、というのだが、日本語にはないおもしろい表現だと思う。
さてグリム童話には『カブ』というお話がある。
兵隊づとめをしていたある男、貧乏から逃れようと、軍服を脱いで百姓をはじめた。畑を耕してパラパラとカブの種をまくと、やがて芽が出てカブがひとつ、ぐんぐん育って空前絶後の大きさになった。そのでかいことといったら、荷車が一杯にふさがって、引っぱるのに牛が二頭というすごさである。
ぼくの手元にある本の挿絵を見ると、カブというより巨大な大根である。貧乏人がどうして荷車と二頭の牛を用意できたのかは謎だけれど、男は荷車をガラガラと牛に引かせて、王様にカブを献上する。王様はびっくり仰天、いたく感心して、どっさりごほうびをくださったから、男はたいへんな金持ちになったとさ。
このあと物語は意外な展開を見せるのだが、長くなるからやめておこう(実はめんどうくさいだけ(笑))。
しかし金のない男はカブを育てるべし、というこの話は励みになる。問題なのは、もし超巨大なカブができたとして、ごほうびをいただくには、それをだれに献上すればいいのかということだ。北海道知事閣下? それともドジョウのおとど?
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