Daily Oregraph: 五月は霧とともに
五月は霧とともにはじまった。
実はドライブも考えたのだが、来週まで天気が悪いという。結局今日もまた春採湖畔……もうタイトルのつけようがなくなってしまった(笑)。
霧の粒を置いたエゾエンゴサク。
霧のせいでもあるまいが、本日の読書は、一日かかってたったの10頁。スピード・ラーニングで英語ペラペラの(?)石川遼君にくらべれば、頭の悪さ歴然たるものがあるなあ(笑)。
さてイーディス・ホートン女史(Edith Horton, 1871-1920)の『自然誌(Nature Notes)』という愛すべき書物には、例の「時は春 日は朝……」というブラウニング(Browning)の詩が五月の項目に引用されている。
してみると、英国では五月になってようやく春の喜びをかみしめるらしい。これは北海道東部の住人の感覚にぴったり一致する。
また同書には、
Change not a clout, till May be out.
(五月が過ぎるまではボロでも脱ぐな)
Who doffs his coat on a winter's day
Will gladly put it on in May.
(冬の日にコートを脱ぐ人も
五月には喜んで身につけるもの)
という民間に伝わることばが紹介されている。これまた五月の時ならぬ寒さを知るぼくたちには、実感としてよくわかるのである。
歳時記では立春(おおむね2月4日)から立夏(おおむね5月6日)までが春。したがって本州の人にとって5月の初めは春の終わりに当たるから、ブラウニングの詩の情景はもっと早い時期のものだと考えるはずである。
だからいったでしょう。英文学を実感の湧かない東京や京都で勉強してもダメ、道東、とりわけ釧路が最適なんだって(笑)。
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Comments
おはようございます。
今、日本を平行移動してヨーロッパ周辺に持ってきたら、
という図(下記URL)を見ながら書いています。
http://www.travelplatz.com/europe/latitude.html
釧路はだいたい南仏マルセイユと同じくらいの緯度ですね。
稚内でトリノやミラノの同じくらい。
東京はアテネよりさらに南に位置します。
英国はさらに北部にあるようで、彼の地で
「25℃を超えたら仕事にならない」という言葉が
あるらしいというのは本当のことに思えますね。
フランスではクーラーの必要がなく、猛暑で死者が出た、
というのもわかるような気がします。
Posted by: 只野乙山 | May 03, 2012 07:58
>只野乙山さん
おっしゃるとおり、世界地図を見たらびっくりしますよね。
日本は島国ですから、海流の影響が非常に大きいのだと思います。北海道の東部沖合には千島寒流が流れているせいか、夏場は極端に気温が低く、「25℃を超えたら仕事にならない」ということばがピッタリあてはまります(北海道といっても道東の海岸部限定の話ですが)。
イギリスの小説を読んでいると、あまりにも気候がよく似ていることに驚くのです。イギリスに歳時記があったら(笑)、釧路でもたいてい通用すると思いますよ。
Posted by: 薄氷堂 | May 03, 2012 08:55