Daily Oregraph: 春採湖畔
日当たりの悪い場所ではまだ雪が残っているけれど、あと一週間もすればすっかり消えてしまうだろう。雪が融けたばかりの道はぬかるんでいるから、上等の靴をはいて歩くのはおすすめできない。
おや、やっとお目にかかれたね。といっても、植物に興味のない方にはただの雑草のように見えるかもしれないが、これはフッキソウである。
去年は3月27日に撮影しているから、今年はずいぶん遅い。毎年同じような写真を撮っているのだが、まあ一種の挨拶みたいなものである。
ゴマツリ岬付近の斜面では、エゾエンゴサクが増えていた。小さな花だから、この距離ではダメ、ぐっと近寄らなくてはいけない。
先日撮影したのと同じもの。アップに堪える顔だが、なにごとにも麗しい距離というものがあって、接近すればするほどよいというものではないところがむずかしい。女性もたぶん同じであろう(笑)。
『ジュード』をやっと仕上げた。2月20日にスタートして、途中風邪による中断があったとはいえ、約一ヶ月半もかかってしまったことになる。しかし格闘しがいのある傑作だから、それなりの達成感はある。
川本先生の翻訳にはずいぶん教えられるところがあり、おかげで一ダースほどの誤読箇所に気づくことができたのはありがたいけれど、その一方で、「先生、それちがいませんか?」といいたい箇所や、ちょっと訳文が固すぎやしませんかといいたいところもいくつかある。まだ納得できない文章も二つ三つ残っている。
しかしここから先は専門家に指導していただかなくては一歩も進めないだろうから、ひとまずこれにて打ち切りとして、いよいよ『ジェイン・エア』に取りかかることにした。できれば名門津田塾の英文科で教えていただきたいところだけど、やっぱり男はダメ?(笑)。
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Comments
おひさしぶりです♪
おや、お花が早いですね。
あーーでも、去年も8日にみたから例年通りなんですねーー
癒されました。
昨年は被災者支援、今年は災害瓦礫を何としても受け入れない活動をしていて多忙なので、しばらく薄氷堂さんのブログへ来ていませんでしたが、釧路の野の花を見て清清しい気分です。
この自然環境をなんとしても守りたいと願っています。
だって、この国なんだか変だもん。
自らと家族、周囲の環境を守ろうとすると身勝手だなんて責める、痛みわけ、絆、思いやりだなんて、政府がよく言うよ、福島の人達になんにもしてやらないで、大手広告代理店にすでに何億も金を支払って瓦礫受け入れろキャンペーンを撃つ! これって、原発の安全神話を作ったのとおんなじ構造じゃん、ねーーー? などなど自然に癒されピュアになったはずなのに毒づく私。
Posted by: ありす | April 09, 2012 04:06
>ありすさん
除染ということばにはウソがありますね。放射能は取り除けないのだから、要するに拡散して薄めるだけで、全体量は変わらないはずです。
結局半減期を待つとなれば、住民がそっくり移住しなくてはいけないということなのでしょうけれど、財産はどうなるんだ、おれの仕事はどうしてくれるんだ、となれば、ことはそう簡単ではありません。
北海道には土地はふんだんにあっても仕事は十分にありませんしね。むずかしい問題です。
あれこれ考えると頭が痛くなりますけど、人間界のゴタゴタとは無関係に、春になれば花が咲くのはせめてもの慰めでしょうか。
Posted by: 薄氷堂 | April 10, 2012 00:26