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April 19, 2012

Daily Oregraph: 春採湖畔

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 ほんとにじらすねえ(笑)。

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 岸辺はこんな融けぐあい。最近活動範囲がせばまっている上に、ぱっとしない天気がつづくせいか、気の滅入るような写真ばかりでまことに申し訳ない。

 さて話は変わるけれど(変わりすぎ?)、ジェイン・エアが恋敵と目するブランシュ嬢の体つきを評して「ディアーナ(月の女神)のよう」というのを読んで、あらためて東西のちがいを痛感した。

 まずふつうの日本人には、ディアーナの体型がわからないだろう。美人にはちがいなかろうが、ほっそりしているのか、グラマーなのか、月の女神なんてお目にかかったことがないからどうもピンとこないはずだ。ぼくにも当然わからない(笑)。

 それでは神様つながりで、ブランシュ嬢は弁天様のような美女であったとでもしたらどうだろうか。もちろん弁天様だってだれも見たことはないのだが、なんとなく美女の形容として納得してしまうから奇妙である。

 たしかにディアーナと弁天様とでは、サンドイッチとおにぎりほどのちがいがあるから、ずいぶん無理な話かもしれない。しかしこの国ではマリア様が観音様に変身してしまうのだ。それに、いったん思い浮かべてしまうと、どうしても弁天様のお姿が頭を離れないから閉口する。

 異文化理解などと口でいうのは簡単だが、そうたやすいものじゃない。メザシを肴にウィスキーを飲みながら、そう思うのであった。

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Comments

まあ「ディアーナ」のほうだって・・・向こうの人が見たこともない神様だろうし・・

いつだったか三島由紀夫が小説の作法のようなことを読者の質問に答えているような一文があって

質問・・・小説に「世界一の美人」を書くためにはどうしたらよいか

答え・・・簡単なことだ。「世界一の美女」と書いてしまったらよいのだ。だいたい「美女」の基準自体がここによって相違するもの・・・その個々の趣味に応じた美をかき分ける筆を持つ人間などいない。さらば「世界一の美女」と書いてあとは読者に想像してもらうのが一番。

というようなやり取りだったかと記憶するのですが・・・

まあ、弁天様に限らず小野小町の顔だって楊貴妃の顔だって見たことがないのに美人だ美人だと言っているわけですから・・・ディアーナだって自分の好みにしちゃえばいいんではないですか・・・

Posted by: 三友亭主人 | April 20, 2012 06:47

>三友亭さん

 世界一の美女というのは、銀河系一の美女というくらい漠然としていて、かえって説得力がないような気もしますね。たとえ見たことはなくても、なにか名前がないと落ち着かないものです。

 女性にかぎらず……そうですね、たとえば三友亭のような美男子といえば、お顔を見たことはなくても、なんとなく(失礼)納得してしまうんじゃないでしょうか。

Posted by: 薄氷堂 | April 20, 2012 08:07

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