Daily Oregraph: ほんにこの世は
昨夜はせっかく穏やかな夜を迎えたのに、
一夜明ければまた雪が5センチほど積もっていた。またしても雪かきである。たいした量でないとはいえ、湿った雪には重さがあり、I'm snow-tired.
いつものとおり、臨港鉄道沿いに知人まで行くつもりで散歩に出たけれど、一昨日からの雪がそのまま残っているので、歩きにくくてしかたがない。結局ここであきらめて引き返すことにした。
風もないのに海はシケていた。空は奇妙な色をしているが、カメラのせいではない。まさにこのとおりであった。
あなたヒマ人だから、さぞ読書がはかどるでしょうね、という方がおいでかもしれないけれど、世の中そう甘くはない。時間がある分だけていねいに雪かきもするし、三度の飯を食わせてもらう都合があるから、運転手もあい勤めねばならぬ。
鉛筆より重いものを持ったことのない男がスコップを振り回せば、肩はボキボキ音を立てるし、ノートを取ろうとすれば手がブルブル震える(酒のせいではない)。ウンウンうなりながらこみいった文章と格闘していると、お出かけの時間になる。この中断がつらいのである。
いっそ国境のトンネルを抜けて雪国へ逃亡し、温泉宿で読書に専念したいところだが、駒子にほれられるどころか、そんなことをしたらたちまち経済制裁されかねない。まあ、一杯の芋焼酎で我慢しておくとしよう。
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Comments
一枚目の写真も三枚目の写真も、幻想的ですねぇ。
こういう景色と全く縁無く半世紀を生きてきてしまったのが悔やまれるようです。
なぁどと言いながら、厳しい自然の中ではたちまち音をあげること必至です。
そにれにしても・・・・逃亡先は南国のホゲホゲリゾートじゃないんですかぁ?
雪から逃げる先が雪国というのが、薄氷堂さんの勤勉振りを現しているように思えました。
Posted by: りら | March 09, 2012 05:23
>りらさん
一枚目の写真については、朝になって窓を開けたら、つまらない眺めだったので、ガッカリしてしまいました(笑)。夜のマジックですね。
理想の逃亡先は少なくとも沖縄ではないでしょうね。南国はどうも苦手なんです。コタツに入っておねえさんと差し向かいで熱燗を一杯、というのが理想です。
Posted by: 薄氷堂 | March 09, 2012 10:44