Daily Oregraph: 丘の上から
いつものように旧柏木小学校校舎裏に車を停め、さてどうしようかと考えた。春採湖畔の散歩道も悪くはないけれど、植物観察の時期はまだまだ先だし、ただ運動のためだけに歩くのはいかにも味気ない。
そこで新しい散歩ルートを開拓すべく、坂道を上がってまずは富士見3丁目バス停付近へ。奥のほうにちらりと見える信号から左折すればハローワーク、かつて湖陵高校のあった場所である。
今日は写真の方向とは逆に道をたどり、住吉の路地をうろうろしたのだが、この辺はもう昔風の木造家屋は皆無に近く、正直いってあまりおもしろみはない。
途中の写真は省略するが、いつの間にか鶴ヶ岱公園の裏手へ出た。ここはひさしぶりである。
ルートの選択を誤ったかなといささか後悔しつつ、ふたたびバス通りに出て湖畔へ戻るつもりで歩いていると、こんな看板に出くわした。
へえ、こんな施設があったのか。いつもは車で素通りするから、まったく気づかなかったのである。人間好奇心を失ってはおしまいだから、矢印にしたがって見物することにした。
もちろん日曜日だから閉館しているのは承知の上である。このあたりから湖畔へ降りる細道でもありはしないか、確かめてみたかったのだ。
建物の裏側へ回ってみよう。
湖畔へ降りる道はなかったけれど、ここからだとはじめてのアングルから湖畔を撮影できそうだ。靴の中に雪が入りこむのもかまわず前進する。
この写真ではわからないが、丘の先端に出るためには、さらに数十メートル歩かなければならない。
まずは旧柏木小学校方向。方角でいえば、ほぼ南西にあたる。
こちらは東である。絶景というわけではないけれど、ちょっと新鮮な感じがする。やはりあちこち歩き回ればいいこともあるのだ。
思わぬ収穫があったので気をよくしてバス通りへ戻ると、一人の少年が元気に挨拶してぼくを走り抜いていった。ツルツル滑る道をものともせずに、軽やかに走っていくのである。
彼の若さは実にうらやましいが、いいさ、おれはゆっくり歩いていくんだ。
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Comments
まだ、「北の国から」なんかが放送される前から
北海道の原野を買って牧場をしながら
丸太小屋に住むなんて夢を持っていましたが
いまは絶対だめです。
最後の写真を見ただけで
バスに乗ろうとしてすってんころりんする自分のイメージが湧いてきました。
Posted by: 根岸冬生 | March 05, 2012 00:40
最後の「元気に挨拶して」というのにとても嬉しくなってしまいました。
こういうことって「当たり前」という人たちはまだまだ大多数だと思いたいのですが、そうではない話ばかり聞きますし、実際帰国した際に経験しますので。
しかし、この少年、スパイクのついた靴でも履いているのでしょうか?
あ?!スパイクで氷上は走れないですか??
Posted by: りら | March 05, 2012 07:51
>根岸冬生さん
ぼくは少数派でして、あのドラマが苦手なんです。あれは倉本さんを教祖とする宗教法人「北の国から」だと思ってます。信者になればいいんでしょうけど、ぼくはダメ。
だから、かんちがいしている方が多いけれど、ドラマ中の「北の国」=北海道じゃなくて、虹の彼方にある架空の土地なんです。
正直にそんなことをいうと、多くの人から嫌われてしまいますが……(笑)
Posted by: 薄氷堂 | March 05, 2012 08:26
>りらさん
> この少年、スパイクのついた靴でも履いているのでしょうか?
どうでしょうね? 気がつきませんでしたけど、写真を等倍で見ると、ふつうの運動靴のようです(離れて撮ったため、はっきり確認できませんが)。
滑り止めの金具が付いた靴もたしかにありますけど、ぼくの経験では金具が外れやすいので、ランニングには向いていないような気がします。
そのうちに釧路マラソンクラブ代表のスコップさんにお聞きしてみますね。
Posted by: 薄氷堂 | March 05, 2012 09:05