Daily Oregraph: さがしものみつからず
ひさしぶりに市立図書館へ行って『ジュード』の翻訳を探したがみつからなかった。蔵書検索しても引っかからない。
ないものはしかたがないからあきらめて、岩波文庫の並んでいる書棚をチェックしたら、『ねじの回転』があった。旺文社文庫版が入手困難になったいま、これは朗報である。ぼくもいずれお世話になるかもしれないね。
帰宅後アマゾンで『ジュード』を検索したら、なんと中公文庫版上下2冊で2,600円もするのには驚いた(ついでに文庫本2冊もの分量があったことにもビックリした)。岩波文庫の星ひとつ50円の時代が頭にあるから(笑)、べらぼうな値段だと思う。しかし古本屋を探すのも面倒なので、しゃくにさわるけどポチッと押してしまった。
これで翻訳の出来が悪かったら怒り心頭に発するところだけれど、まずそれはないだろう。翻訳者は当然古いものに目を通して誤りをチェックしているにちがいなく、一般に新しい翻訳のほうがすぐれているからだ。
人間だれしもうっかりミスは避けられないのだから、あまりきびしく追求しすぎるのもどうかとは思うが、何十年も前に出版された翻訳ものには、ときどき粗悪品が混じっているから要注意だと思う。
The comments to this entry are closed.
Comments
>岩波文庫の星ひとつ50円
私が岩波のお世話になるようになったのは星ひとつ70円の頃でしたでしょうか。本当に本が高くなりましたよね。
こう高くなってくると、買って損がしたくないからどうしても買う時に躊躇してしまって・・・そして、その躊躇してしまった分のお金は酒に代わって・・・悪循環です。
Posted by: 三友亭主人 | March 21, 2012 22:54
>三友亭さん
『ジュード』などの原文は、著作権が切れているので、ネットからいくらでもダウンロードできますが、約500頁、作品によっては800頁~900頁ともなれば、印刷するのは現実的ではありません。
読んだとたんにストーリーを忘れてしまうような、どうでもいい凡作は別ですが、まともな作品をじっくり読むためには、やはり「本」が最適だと思います。
出版界がいくら不況だとはいえ、紙の本は意外にしぶとく生き残るんじゃないでしょうか。旅先での文庫本なんかはありがたいですしね。
このデフレの世の中に値段が高いのは困りますけど。
Posted by: 薄氷堂 | March 22, 2012 00:25