Daily Oregraph: ちょっとだけ旭町
今日はたまたま旭町の近くへ行ったので、ほんの少しだけ付近を歩いてみた。旭町というのは釧路川右岸、おおざっぱにいって久寿里橋と旭橋との間の地域を指す。
このあたりも左岸同様岸壁は再開発され、昔の面影をほとんどとどめていない。めったに来ない場所なので、比較すべき写真も数少ないのだが、2002年3月10日に撮影した写真を三枚だけお目にかけよう。
上は上流側から下流側を、中はその反対側から撮ったもの。当時すでに変化の波が押し寄せ、一番上の写真だけがかろうじて昔の姿を想像させてくれる。1970年代頃だったら、もっと風情のある景色を鑑賞できたにちがいない。
今日は事前準備なしだったうえ、あまりにも景色が変わっていたため、ボーッとして河岸の写真を撮らなかったが、新興住宅地の岸壁版といった印象を受け、わざわざ撮影する値打ちがあるとは思えなかった。
唯一残っていたのが最後の写真の小屋である。
ごらんのとおり、そっくりそのまま残っており、まさに孤軍奮闘である。例によって、勝手に重要文化財に認定することにした。たまに無事を確認しに行かなくては。
なお本日の写真、いずれもひどく露出オーバーだったので、カメラをチェックしてみると、なぜか露出補正プラス一段にセットされていた。大失敗の巻だけれど、最近のデジカメはレタッチすればここまで調整が効くのだから、ずいぶん進歩したものである。
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Comments
レタッチのお陰とのことですが、なんとなく懐かしいような色味になってますねぇ。
それにしても、いくら子どもが減っているとは言え、日本国中末端地域は寂れていっているようで、いったい人々はどこに行っちゃってるんでしょう?
その土地でなければならない産業だってあるでしょうに・・・・
なんでもかでも中央に集中させて、権力者たちは国をつぶそうとしているとしか思えません。
Posted by: りら | March 17, 2012 06:17
川っぺりのマンション、まるでヨーロッパのようですな。
瞬間、イタリアかフランスのオシャレな住宅街に見えます。
まあ、瞬間だけなのでしょう。
やがてあたりから、巨大カレイの干物などを焼く匂いがしてきて
ああ、釧路でしたと現実に戻るんでしょうね。
しかし、窓のまん前に小屋があって船が着くって
住民は平気なんでしょうか(三枚目)。
Posted by: 根岸冬生 | March 17, 2012 06:48
いいなあ、この木の掘っ立て小屋。
私も海辺育ちなんで、子供の頃はこんなのを見て育ったんですがね。
網の倉庫とか、船小屋とか・・・
最近はどうなんだろう?
まあ、残っていたとしても去年の津波で全部流されてしまっただろうけれど・・・・
Posted by: 三友亭主人 | March 17, 2012 08:25
>りらさん
多くの優秀な人材も、地方から中央に吸い上げられてしまいますしね。
でも最近では、中央で得た高給の職を辞してまでも地方に住もうという人々が、少しずつ増えてきているみたいですよ。興味深い流れですが、今後どうなりますか。
Posted by: 薄氷堂 | March 17, 2012 14:13
>根岸冬生さん
たしかに日本離れしたところはあるかもしれませんね。
われわれ自身、いまだに内地ということばを使うように、日本語と円が通用するという点を除けば、北海道は一種の異国だと思います。
歴史の教科書には出てきませんが、たしか中世には函館あたりを中心とし、青森県までを含む、一大文化圏があったはずです。独立していたらおもしろかったんですけどね。
その頃にもカレイやホッケの干物で一杯飲ませる居酒屋があったんじゃないかと想像しているんですけど(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | March 17, 2012 14:29
>三友亭さん
漁師さんの物置小屋なんでしょうけど、味がありますよね。
周囲の景色がモダンになった今となっては、ちょっと浮いて見えますが、木造建築ファンにはこたえられません。
こういう小屋に籠もって古典を読む生活も悪くないと思います。ぼくみたいなむさくるしいおっさんにはピッタリかと(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | March 17, 2012 14:34