Daily Oregraph: 駅裏スケッチ (1)
まずは釧路駅で一服して方針を立てる。例によって行きあたりばったりなのである。
今日の冴えない空模様にふさわしいのは、やはり駅裏であろう。かなり雪どけが進んだけれど、日陰にはまだこんな道路がある。
写真右手が、以前何度かご紹介した鉄北センターのある釧路駅方向である。このあたりは白金町で、少し先へ行くと若松町。
今日は主に通りの左手を歩いてみた。まずは大通りに面したところを三枚ほどお目にかけよう。
三枚目の写真は、ちょうど鉄北センターの向かいあたり。古くから開けた地域だということがおわかりいただけると思う。路地裏派の心をそそる場所である。
看板を外したお店はもちろんだが、店先の雪を見れば、営業しているかどうかすぐにわかる。これから内部へ向かうので、以下注意しながらごらんいただきたい。
これはすぐ上の写真の場所を反対側からみたところ。
こういう路地がいくつかある。
ここは若松町。飲食店街のほぼ東端にあたる。
上の写真の裏手あたり。雪かきのあとが見られないから、ここらへんのお店は全滅のようだ。
この小路は一軒だけ営業中らしい。2000年7月20日に撮った写真があるので、比較のため掲載しておこう。
実はこのあとも徹底的に写真を撮るつもりだったのだが、このへんで腹痛に襲われ、急いで駅へ戻ったため果たせなかった。いずれ再訪することにしたい。
釧路市に駅裏を再開発する余力があるかどうかはわからないけれど、この地区がこれから何十年もいまの姿をとどめているとは考えにくい。路地裏もまた都市の魅力のひとつにはちがいなく、いまのうちにぜひ記録しておきたいのである。
次回はいつものとおり(笑)、物好き写真編をおまけとしてごらんいただくつもりである。
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Comments
路地裏ですか・・・
桜井の町には路地裏が探さなければ見つかりませんね。
大体が裏に回ると田圃か畑で、駅のある街の中心部まで行かないと・・・
ちなみに我が三輪の集落は確かに住宅の密集地ではあるんですがどこが路地裏やら・・・・一つの道を路地裏にしてしまうと他の道もみんな路地裏になってしまいます。
Posted by: 三友亭主人 | March 12, 2012 23:27
>三友亭さん
そちらはどうかわかりませんが、最近の住宅地は没個性的でつまらないところが多いように思います。
西本町から本町にかけての商店街などはいかがでしょうか? ぼくは商店街ファンですから、半日くらいはつぶせそうな感じがします。神社仏閣より好きかもしれません(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | March 13, 2012 12:16
ポップスでもなく
クラッシックでもなく
ジャズでもなく
演歌を愛する人間としてはやはり釧路がいいですなあ。
まずホルモンで焼酎を一杯
途中の誘惑に打ち勝って
南部屋で、ドジョウを食いながら総理の悪口を言って一杯。
仕上げに最後は炉端で腰を落ち着けて日本酒だな。
Posted by: 根岸冬生 | March 13, 2012 12:52
わーーい!人だぁ!!っと・・・・
駅の画像で「良かった人がいた!」と思ってしまいました。
いつもあまり人のいない風景が多いですものねぇ。
若松町の裏手辺りはいつもの画像の調子ですが、こんなにお店が閉まってしまっているというのは、やはり歓楽街が何処か他所に移動しているということなのでしょうか?
こういう巷の灯が消えるのは、日本の文化が消えていくように感じます。
Posted by: りら | March 13, 2012 15:22
>根岸冬生さん
ふつう釧路で飲食店街といえば末広あたり。末広は観光ガイドブックにも紹介されていますが、駅裏はたいてい無視されていると思います。
写真からもわかりますが、いまでこそさびれているものの、かつては独特の雰囲気漂う一大勢力でした。
ぼくはここ数十年、駅裏で飲んだことはありませんが、ホルモン屋さんで一杯というのも悪くありませんね。
上海の次はぜひ釧路特集を(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | March 13, 2012 21:20
>りらさん
え~、人の入った写真を撮ろうにも、ふだん中心街は人影まばらなんです。鉦や太鼓を鳴らしたら集まってくるかもしれませんけど(笑)。
根岸さんへのレスにも書きましたが、市内でも末広はまだ一大飲食店街でありつづけています。
駅裏の衰退は、やはり鉄道の位置が相対的に低下したこと、またおっしゃるとおり、飲食店の分野でもある程度ドーナツ化が進行したことが原因ではないかと思います。
いずれにせよ、昔ながらの雰囲気を残した一帯がさびれるのはさびしいことですね。
Posted by: 薄氷堂 | March 13, 2012 21:28
こんばんは。
路地裏(駅裏というか裏通り?)大好きですよ!
ひっそりしている路地裏を歩くのがいいんです。
おっ、日本盛とか多聞という文字が見えますね。
これらは灘の酒で、いまだに多聞は看板に多いですが、
多聞を飲んだことはありません。
情報を見ると、1995年の阪神淡路の震災で廃業状態になり、
他の酒造会社が名前を受け継いでいるようです。
Posted by: 只野乙山 | March 13, 2012 23:47
>只野乙山さん
多聞はこちらでは広く知られた銘柄のひとつです。釧路にはかつて貨物船で運ばれていたこともあると聞きます。
神戸に本社を置く、多聞ゆかりの歴史ある船会社には、在職中ずいぶんお世話になりました。なにかの折に多聞をいただいたこともあるんですよ。
Posted by: 薄氷堂 | March 14, 2012 23:27