Daily Oregraph: 反省の辞書
これしかないからといって、なんて写真を載せるんだろうね、まったく。
あいつとうとう気がふれたか、という話はさておき、辞書の補修をしているところだと一目で見破った人は立派である。ともに風雅を語るべき人だと思う。
上下逆さまになって段ボール箱に押しつけられ、上から重しをかけられているのは、17年もののランダムハウス英和第2版。修復はこれで三度目になる。今回はとうとう背表紙がそっくり外れそうになったので、木工用ボンドをたっぷり注入し、ガチガチに固めてしまおうという寸法である。
右下に見えるのが本家版の Random House だが、こちらは新品同様。今は昔札幌に出張したとき、丸善でみつけたもので、なんと CD-ROM 同梱なのに、わずか8千円ほどで買えたと記憶している。CD-ROMがあれば紙はまず不要だから、本体のほうはほとんど未使用なのである。
英和版のCD-ROMも買おうかと思ったが、紙版には愛着があるから手を出さずにいる。いくつかある英和辞書の中で、もっとも活躍したのがこれだ。購入した当時はまだマジメだったから、一年でボロボロになってしまったほどである。
ところがそれからカメラなんぞをいじりはじめ、十年以上ものブランクが生じてしまい、もともと悪い頭がすっかり空っぽになってしまった。ほんのちょっぴり得た知識をきれいさっぱり捨ててしまった結果、あとに残ったのはただの酔っ払いという悲しいお話である。
その間何度かリハビリを試みたけれど、年を取ってからではむずかしい。50代も後半にさしかかった頃から、記憶曲線は大恐慌の株価なみに低下し、朝に道を聞いても夕べには忘れてしまうのだから、ほとほと閉口したものである。
しかしやけ酒をあおっている場合ではない。一杯やりながら紙の辞書をひもとくのもオツなものである……おいおい、結局飲むのかよ(笑)。
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Comments
最近はほとんど辞書を引かない生活になってしまいました。
時々必要になると
言葉を検索して調べています。
どんどん頭が悪くなるのはそのせいかもしれません。
Posted by: 根岸冬生 | February 06, 2012 21:10
上に同じ。
一応見栄で辞書は手元にはおいているのですが・・・
枕に使うのが関の山で・・・
Posted by: 三友亭主人 | February 06, 2012 22:33
>根岸冬生さん
ほんとうに紙の辞書は引かなくなりました。パソコンの辞書ソフトのほうが高速ですしね。
紙の辞書離れだけでなく、すっかりノートも取らなくなってしまいました。こっちのほうが問題かもしれません。
そこで先日からはノート、(シャープではない)鉛筆、消しゴムを使うようにしています。効果ありやなしや?
Posted by: 薄氷堂 | February 06, 2012 22:47
>三友亭さん
いまはネットでたいてい間にあいますが、少し前までは、独学する場合、辞書のほかには助けがありませんでした。ですから安月給のころ、ずいぶん無理をして辞書を買ったものです。当時は切実だったんですよ。
散々お世話になったので、さすがに枕にはしていませんが(笑)、いまでは本棚の飾りと化したことはたしかです。
ほんとうは歩く辞書になって、カナヅチで頭を叩くたびに答が出てくるようになるのが理想ですけれど、酔っ払いにはとても無理無理。
Posted by: 薄氷堂 | February 06, 2012 22:56