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January 15, 2012

Daily Oregraph: 東北へ行くべきか

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 昨日観月園から撮った景色を逆方向から見ることにしよう。

 この道路は舗装されていないし、このアングルだと付近に余計な建物も見えないから、昭和の雰囲気が色濃く感じられる。シンプルであることのよさを教えてくれる貴重な場所といえよう。

 しかし右手の丘の上に見える博物館や、正面に見える建物や携帯電話のアンテナ(?)、観月園のパチンコ店がじゃまだとはお思いにならないだろうか。

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 そこで余計なものを消してみたのがこちら。正面の丘、つまり観月園のあたりはかつて樹木が多かったから、とても再現しきれてはいないけれど、昔はだいたいこんなながめだったはずである。

 さて古新聞の記事から、今日は三友亭さんのご出身地に近い松島の話題である。いまごろ昨年の新聞記事を読むというのも間が抜けているけれど、これも社会復帰への第一歩。

 松島はいうまでもなく大観光地である。しかも日本三景のうちでも抜群の集客力を誇り、ここを訪れる観光客は年間370万人。宮島が300万人、天橋立が260万人というから断然第一位である。

 しかし昨年は例の大震災の影響によって、五月と六月には観光客数が例年の26パーセントにまで落ち込んでしまったらしい。松島は幸い地形のおかげで大被害を免れたのだが、観光客減はもちろん死活問題である。

 ぼくたちの側からすれば、放射能の問題は別にしても、災害地へ観光気分で訪れることはなんとなくはばかられるのだが、地元観光協会の会長さんは、

 千年に一度という大津波で三陸沿岸はすっかり破壊されてしまったけれど、ぜひおいでになって、じかに惨状をごらんいただきたい、そして悲劇に見舞われた被災者の声に耳を傾けていただきたい。そのあとで、奇跡的に残された松島の絶景を堪能し、地元の海の幸を味わい、おみやげのひとつも買っていただきたい。それが地元の再建につながるからなのです。

と語る。

 同じ紙面では、別見出しで円通院というお寺を取り上げている。ここは瑞巌寺に隣接する臨済宗の由緒ある寺院で、伊達光宗廟があり、バラの寺として広く知られているらしい。

 平日でも一日約千人、特別の催しのある日は約二千人もの人々が円通院を訪れていたという。しかし震災によるお寺そのものの被害は少なかったものの、現在は(この記事取材当時)日によっては拝観客わずか数十人ということさえあるらしい。

 円通院ご住職のお嬢様は、京都の花園大を卒業後、きびしい修行を経て尼僧となり、実家であるお寺に戻ったのだが、拝観料収入に頼るお寺だけに「このままではどうしてこの冬を越したものか」と心を痛め、

 東北へいらしてください。被災地を訪れてください。そして缶ジュース一本でもいいから買ってください。それが復興の助けになるのです。もっとも恐いのは、忘れられてしまうことなのです。

という。

 そうだったのか、ぼくは考えちがいをしていたようだ。缶ジュースの一本でも買ってほしい、というのは胸を打たれる話である。この正月、40年ぶりに左大臣源融の能を見たのも、塩釜へ行け、松島も見よというお告げだったのかもしれない。

 計画を練り直す必要があるようだ。

(以上はジャパン・タイムズ2011年8月17日 アレックス・マーティン氏の記事による。いわゆる超訳のたぐいだから、細かい突っ込みはご勘弁願いたい。)

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Comments

機会があったらぜひ見てやって下さい。誰かが来てくれるってのは心強いらしいです。

本当は私みたいなのがもっと足繁く足を運ばなくっちゃならないんですけど・・・

Posted by: 三友亭主人 | January 15, 2012 at 22:43

>三友亭さん

 ぜひ行きたいと思っています。限りある資源(資金)を有効に使うべく、作戦を練ることにしましょう。

 裏庭にはびこるバラはぼくの宿敵なのですが、一時休戦して、名高いバラ庭園のある円通院にもおうかがいしたいものです。

 なお今回参照した記事には、昔社長のお供をして宿泊した松島のホテルの写真が掲載されていました。できればこちらにも一泊したいと考えております。

Posted by: 薄氷堂 | January 15, 2012 at 23:15

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