Daily Oregraph: 検潮所へ
画面右に見える小さな建物をご存じの方は少ないだろうと思う。釧路地方気象台検潮所である。昨夜地図をながめていたら「検潮所」という文字に気づいたので、今日は散歩がてら確認に来たわけ。
この建物なら何度も目にしているのに、プレートを読もうとしなかったから、これまで正体がわからなかったのだ。見れども見えずのいい例かもしれない。
ぼくの地図によれば、この検潮所はちょうど知人(しりと)町と港町との境界上に位置し、手前が知人町、向こうが港町になる。
せっかく来たのだから突きあたりを左に折れて、突堤の先端まで行ってみよう。
対岸の中央埠頭3号岸壁に木材船が見える。ぼくの視力でははっきり確認できなかったけれど、帰宅後等倍でチェックしてみたら、やはり日曜荷役中なのであった。
いわゆる「水面落とし」という、丸太を水面に落として筏組みする伝統的な荷役をつづけているのは、現在北海道では釧路港の日本通運だけである。
将来廃止になる可能性が少なくないから、荷役風景はたいへん貴重なもので、一種の文化財ともいえよう。写真ファンの方には、荷役風景や筏の曳航など、いまのうちに撮影しておくようおすすめしたい。
突堤ではサンマ漁船の漁師さんたちが整備作業中であった。
風がひどく冷たい。天気もよろしくない。本日見かけた唯一の明るい色彩は、石炭販売会社に隣接するヤード背後の黄葉だけであった。
気分が乗らぬまま一時間弱フラフラと歩いて、全部で二十数枚写真を撮ったが、どれも気のめいるようなものばかり。望遠レンズを用意していれば、木材荷役のもう少しマシな写真が撮れただろうに残念なことをした。
風に吹かれているうちに鼻水が垂れてきたから、もはや潮時と車に戻って出発したところへ黒猫が現れたので、ウィンドウ越しにパチリ。黒猫が目の前を横切るのは、たぶんいいことの起こる前ぶれであろう(笑)。
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