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October 25, 2011

Daily Oregraph: 鉄ちゃん未満

厚賀駅残念編

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 10月21日。いよいよこのたびのドライブ・レポート最終回である。

 -はてな、駅はどこにあるんだろう?

 「←厚賀駅」という道路標識を目にしたので、急に思い立ってハンドルを左に切り、踏切を渡ったのはいいが、駅舎はどこにも見あたらないのだ。

 写真の左手に見える道路を線路沿いに進んでも駅はありそうに思えなかったから、首をかしげながら国道に復帰したのだが……あとで詳しい地図を調べてみると、実はそのありそうもないところに厚賀駅はあったのだ。

 もうひとつ標識を設置してくれればいいのに、残念なことをした。

豊郷駅無事到着編

 いわゆる鉄ちゃんなる人種には、鉄道写真専門の撮り鉄や、もっぱら列車の旅を楽しむ乗り鉄と呼ばれる愛好家がいるようだ。

 ぼくはどちらかといえば乗り鉄の部類に属すると思うが、それも若いころの話である。昔はいくら長時間列車に乗っても一向に平気だったけれど、もはやその体力は失われ、最近ではせいぜい数時間がいいところなのである。

 それでも地方駅の雰囲気は好きだから、ときどきドライブのついでに立ち寄っては写真を撮っている。ほんとうはローカル線に乗車して、駅ごとに途中下車してホームや駅舎を鑑賞するのが正統派なのは承知しているし、ぼくもそういう旅に魅力を感じないではない。

 しかし今となってはそれは最高のゼイタクというべきだろう。山手線ならともかく、極端に便数の少ないローカル線普通列車でそんなノンキなことをしていたら、時間がいくらあっても足りないからだ。どこかで宿泊する回数も増えるだろうし、費用もかえってかさむのではないだろうか。

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 ぼくには日本国内全駅制覇などという野望はもちろんないけれど、せっかく長距離ドライブに出た以上、ローカル駅をひとつも訪れないのはどうもおもしろくない。

 厚賀駅では失敗したから、豊郷駅にねらいを定め、今度は慎重にカーナビをチェックしたおかげで、めでたくたどり着くことができた。

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 コンパクトな駅舎内はシンプルそのものである。

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 さっそくホームに出る。こちらは東の様似方面。さきほど見逃した厚賀駅はこの先二つ目の駅である。

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 こちらが西側、苫小牧方面。

 身ひとつでこういう禁欲的なホームに立ち、海からの風に吹かれながら鈍行列車の到着を待てば、旅愁切々として胸に迫ることうけあいである。

 しかしそういう旅は多感な青年にこそふさわしく、いい年をしたおじさんが真似をしたってみじめったらしいだけかもしれない。

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 この駅には意外にもトイレが完備している。左手の小さなドアがそれである。すばらしい。記憶にとどめておく価値はあると思う。

振内 D51 編

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 ところはいっぺんに変わって、平取町振内(ふれない)の鉄道記念館。ここは1986年に廃線となったJR富内線の振内駅跡らしい。

 この記念館の存在だけは以前から知っていたけれど、いつも素通りしていたから、訪れるのはこの日がはじめてであった。

 まだ10時前だったから開館前と思いこんでいたため中へは入らなかったが、あとで調べてみると開館は9時らしい。厚賀駅にひきつづき、この日二度目の失敗である。

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 記念館に向かって左手へ回ってみると、客車が2両ライダーハウスとして提供されていた。無断で客車内に立ち入るのは遠慮して、車に戻ろうとしたとき、写真左手に見える貨車らしきものに気がついた。

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 近づいてみると、貨車などではなく、撮り鉄でなくたって知っている D51 だから驚いた。いったいどうしてお尻をこちらに向けているのだろうか。

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 機関車の前に回ってみると、鉄道記念館付近はこんな感じ。なかなかいいじゃないか。これでライダーハウスの車両をクラシックな色で塗装して、機関車に連結してあれば申し分ないと思う。

 旅路の果に D51 と出会えたのだから、鉄ちゃん見習いとしてはまず満足すべき成果であろう。鉄道記念館を見物するのは来年かな。

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