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October 17, 2011

Daily Oregraph: イヌホオズキの研究

 釧路西港のイヌホオズキについては、すでに8月15日と8月16日の両日に当ブログでご紹介した。8月16日の記事では果実をまっ二つに切断した写真を掲載したが、ありすさんのお寄せくださったコメントに、

  
鉄紺色に熟すと、猛毒になった証です

とあったので、実の熟すのを待ちかねていた。

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 これは9月20日に撮影したもの。この様子では、熟すのはまだまだ先の話である。

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 10月11日。実はまだ青い。

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 そして本日(10月17日)。実のほとんどは青いままだが、一房だけ黒く熟したものがみつかった。釧路でイヌホオズキの実が熟すのは、だいたい10月の下旬といっていいだろう。

 さっそく黒い実をひとつだけいただいて観察することにした。

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 なるほどナスビ色である。どれどれ、カッターナイフですぱっと切ってみよう。

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 おお、なんたる驚異! 一刀両断するつもりだったのに、柔らかくて手応えがない。ブドウの実と同じである。結局切るというよりつぶしたに近く、果汁があふれ出てきた。

 これで甘ければ上等なフルーツなのだが、有毒だという。

 人家に近い荒れた畑などに生える一年生の毒草である。ソラニンを含んでいる。(『図解 植物観察事典』 昭和57年 地人書館刊)

 ではソラニンとは?

 ソラニン【solanine】ナス科植物に含まれるアルカロイド配糖体。ジャガイモの新芽に多く含まれる。苦みがあり有毒で、腹痛・めまいなどの中毒症状を起こす。(『大辞林』)

 食用になるホオズキにもヒストニンという有毒成分が含まれており、

 このヒストニンには、子宮の緊縮作用を起こすことがわかっている。そのため、今でいう自然堕胎(流産)をさせる植物として、江戸時代から使われていたという歴史を持っている。-中略-ヒストニンは大量に用いれば、大脳や呼吸中枢を麻痺させ死ぬこともある。(奥井真司著『毒草大百科』 2001年 (株)データハウス刊)

ということなので、多食は禁物のようだ。ホオズキにしてこうなのだから、イヌホオズキのつまみ食いは厳禁である。

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Comments

>鉄紺色に熟すと、猛毒になった証です

まあ怖そうな植物だこと・・・

そういえば私がまだご幼少のみぎり(笑)、私の住む地域の一体に、「ナントかうつぎ」という強毒性の実のなる植物が繁茂いたしまして、それを子供達が食べたら大変だということでPTAのおっちゃんが総出で駆除していました。

その頃の子供は、うまそうな、物を見たらなんでも口に入れてしまいましたからねえ。私も蛇イチゴや烏瓜なんかを口に入れて何度もえらい目にあっちゃいましたが、最近の子供はまちがってもそんなことはしないでしょうね・・・

Posted by: 三友亭主人 | October 18, 2011 at 05:36

>三友亭さん

 ソラニン満つ大和の植物にはご注意あれ。

 ところでヘビイチゴはその名前とは裏腹に無毒ですからご安心ください。またカラスウリはまずいのでふつう食用にはしないようですが、食べて食べられないことはないみたいですよ。

 まあ猛毒のものでなければ、よほどたくさん食べないかぎり致死量には至らないでしょう。たいていは苦くて吐き出してしまうでしょうしね。

Posted by: 薄氷堂 | October 18, 2011 at 08:13

久しぶりにのぞいてみたら、自分の名前がでていてビックリ! そうそう、このイヌホオズキには悲しい思い出が沢山あるのです。母が買ってきてくれた余所行きのブラウスを何の予定もないのに嬉しくて着込んで遊びに行き、有刺鉄線の下をくぐって破いてしまった日のこと。熟したイヌホオズキの実を飛ばしっこしたんです。紫色の汁がブラウスを染めてしまったのを、洗い流そうと急いで家に帰るつもりで、有刺鉄線の下を・・・背中に激痛が走り、大きな音がして薄い生地のブラウスが破けました。泣きながら破けたブラウスを脱ぎ、なぜか泣きながら洗ってみたのですが、血液は落ちても鉄紺色の汁は落ちなかった・・・

Posted by: ありす | October 21, 2011 at 09:56

>ありすさん

 おやおや、そんな悲しい記憶があったのですか。

 ぼくもこのたびは旅行先でケガをして、かなり血を流しました。悲しい思い出です。この年ですから、さすがに泣きはしませんでしたが(笑)。

Posted by: 薄氷堂 | October 21, 2011 at 22:31

新ひだか町へ行ったのですか? 私も被災者に会いに、夏に行きました。あんときゃ暑かった・・・!
血流の賛辞があったのですか? 何があったの? まだ痛い? 傷は??? と、様々な疑問を投げつける私。
 足って雑菌が入りやすいので、どうぞお大事に。

Posted by: ありす | October 22, 2011 at 01:04

血流の賛辞、じゃなく 惨事、ね。
まったく、タイピンぐミスが多いです。

Posted by: ありす | October 22, 2011 at 16:46

>ありすさん

 どうもありがとうございます。もう痛みはほとんどありません。

 血流(血統)の賛辞とは日高のサラブレッドにふさわしい表現かも(笑)。あいにくぼくは駄馬ですが。

Posted by: 薄氷堂 | October 22, 2011 at 22:24

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