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August 06, 2011

Daily Oregraph: 2011-08-06 「鉄」のすすめ

 今日は釧路名物の深い霧の中に出港する貨物船を見送ろうという趣向である。

 いつもなら最後まで見送るのは貨物船愛好家のぼくだけなのだが、今朝は同僚のW君も加わって、めずらしく二名。豪華客船の見送りにくらべればひどくさびしいけれど、いつもの倍である(笑)。

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 最後のロープを放すところ。これを放した瞬間が出港時間である。

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 写真ではタグボートがトモ(船尾)側に一隻しか見えないけれど、オモテ(船首)側にもう一隻。まずは岸壁から平行に船体を引き出す。

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 本船は東を向いて接岸していたから、出港するには船首を180度回さなければならない。

 そこで岸壁から十分離れると、オモテのタグボートは引きつづけ、トモのタグボートは押しつけはじめる。貨物船の写真を撮るなら、この前後がねらい目だと思う。

 鉄道写真より愛好家は少ないけれど、船舶写真ファンも確実に存在する。「鉄」というなら船は鉄の巨大なかたまりなのだから、機関車など目じゃない。

 石炭時代とはちがって、いまは煙突からモクモクと黒煙を吐き出さないから人気が今ひとつなのだろうか。全国の船舶愛好家の奮起をうながしたいところである。

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 ほぼ90度回って、船首が南を向いたところ……なにしろ濃霧だから、いちいち書かないと方角がわからないのである。

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 船体が少しずつ霧に溶けこんでいくように見える。

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 ああ、消えてゆく……

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 霧と船とは混然としてひとつになり、船体はこのあとすぐ完全に姿を没した。

   
船は長くもの悲しい汽笛を霧の中に放った。

            (ジェイムズ・ジョイス 『イヴリン』)


 この幻想的な光景を目にしたあなたは、きっと霧の釧路港を出港する貨物船の魅力にとりつかれたにちがいない。


(Nikon D80 + Tamron A16)

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