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August 20, 2011

Daily Oregraph: 2011-08-20 朝の温根内を歩く

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 -おや、温根内へ行くんじゃなかったんですか?

 -西港経由で行くのさ。

 -まだ6時5分ですよ。すごいにぎわいですね。

 -いや、みんな5時から集まっているんだよ。物好きだね。

 -人のことはいえませんよ。ぼくらだって。

 見れば半袖姿の人はだれもいない。細かい霧雨が降って、肌寒いくらいなのである。

 途中コロッケパンをかじりながら、なんだかんだと無駄話をして温根内の駐車場に到着すると、先客の車が2台停まっていた。

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 -いやあ、ビックリしましたよ。駐車場から下る途中、バラバラ音がしてしずくがたくさん落ちてくるから、雨になったのかと思いました。

 ほんとうにそうだ。ぼくも雨かと思って、車に戻ろうとしたほどである。木立の中を歩く間、木々の葉にたまった水が降り注いでいたのだ。

 とにかく暗くて光が足りない。三脚を使わず写真を撮るには最悪のコンディションである。

 -あ、エゾトリカブトですね。

 -きれいな花なんだけど、ダメだな。うまく色が出ない。この天気じゃなあ。

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 ビジターセンターの裏手から鶴居軌道跡へ通ずる小径に回る。クサレダマをみつけた。ここでこの花を確認したのははじめてである。

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 -ヒルガオですね。

 -ヒロハヒルガオだと思うんだ。花の色はふつう白いというんだが、ここのはみなピンクがかっている。ツルの先に花が咲いているね。

 -湿原の花じゃなくて、人里の花といった感じがします。

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 ヒヨドリバナ。これは春採湖畔にもたくさん咲いている。

 -ヒヨドリの鳴く頃に咲くからヒヨドリバナというらしいよ。

 -へえ、でもヒヨドリって知っていますか?

 -北海道にもいるらしいが、どんな鳥かぼくは知らない。ヒヨドリを知らぬくせにヒヨドリバナの名前だけを覚えても、なんだか虚しいような気がするな。

 -そういうことって、よくありますよね。

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 -これは?

 -シオガマギクだろう。キクといっても葉の感じが似ているというだけで、実はゴマノハグサ科なんだ。

 -なんでシオガマなんですか?

 -エヘン、牧野先生の図鑑によればだな、花だけでなく「葉までも」、つまり「浜でも」鑑賞に堪える、浜で趣のあるものといえば塩竃だからというシャレらしい。

 -へえ、ずいぶん手のこんだシャレですね。

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 -やっと木道に入りましたね。軌道跡の道はクマが出そうで怖かったからホッとしました。

 -見ろよ、またミゾソバの季節になったなあ。秋だよ、秋。

 -秋になると感傷的になるのは若い女性だけじゃないんですね。残り少ない人生を前にしたおじさんもまた……

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 -ミゾソバの花は金平糖に似ていますね。おや、どうしたんですか?

 -メガネが曇ってピントが合わないんだよ。おまけに暗いしさ、今日はダメだなあ。

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 ドクゼリの花。こいつが咲いているということは……

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 -ほらね、やっぱり。ドクゼリとサワギキョウはこの時期セットで咲くんだよ。

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 -おい、見ろ、ゴキヅルの花が咲いてるぞ!

 -そんなに興奮しなくたって。

 -ばかいえ、おれはこいつを見るために来たんだ。

 ゴキヅルはまさに花盛りであった。ここにもあそこにも、小さな白い花が顔を出している。

 ゴキヅルはその風変わりな実も楽しみだが、花を見ぬまま夏が過ぎてしまうのはいかにも心残りである。ほんとうによかった。

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 -ツリフネソウはね、尻尾がくるりと丸くなっているのが特徴なんだ。キツリフネは巻いていない。

 この天気では冴えないけれど、ツリフネソウは露に朝日が射したときに見ると格別美しい。エロティックな感じさえするのである。

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 -どうだい、天気はよくなかったけど、ゴキヅルの花も見られたし、おもしろかっただろう。

 -ええ……おや、駐車場はぼくたちの車だけになりましたよ。そういえば、国立公園貸し切り、途中だれにも会いませんでしたね。

 ほんとうにここは早朝来るにかぎる。じゃまが入らずにゆっくり歩けるからだ。

 写真に見える自転車の青年は、このあと案内板をじっくりながめていたから、ひとりで木道を歩いたのかもしれない。だとすれば幸運な人である。

(Nikon D200 + Ai 55mm F2.8S)

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Comments

しかしまあ・・よくもまあこんなにたくさんの種類の花々が・・・

大和は暑さの成果目につく花といえば・・・百日紅ぐらいで・・・あとは百合の類・・・それとホテイアオイもね。

もう一月すれば・・・曼珠沙華・・・・


ところで、

Posted by: | August 20, 2011 at 23:52

すみません・・・「ところで」で終わってしまいました。おまけに名前まで忘れちゃって・・・

私もこの秋、一度ぐらいは帰らないとと思っているのですが、いつもの里帰りとはだいぶ違う心持ちになりそうです。

来年畿内にいらっしゃるのなら・・・楽しみにお持ちしております。

ただし・・・夏は避けたがよろしいかと・・・・

Posted by: 三友亭主人 | August 20, 2011 at 23:57

>三友亭さん

 釧路は意外にも植物観察に向いた土地なんですよ。種類の豊富なことにはビックリします。

 旅行はねえ……もちろん大好きなんですけど、長期の休暇を取りにくいものですから、めったにできません。たった二三日の休みじゃどうしようもありませんしね。

 来年は自由の身になりますので、ぜひと思っています。時間ができればできたで金がない、という深刻な問題はありますけど(笑)。

 夏はダメ。だれが真夏の関西へ行くものですか。自殺行為ですよ。

Posted by: 薄氷堂 | August 21, 2011 at 18:04

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