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July 31, 2011

Daily Oregraph: 2011-07-31 うまいパンのあるしあわせ

110731bread
 岐阜県は大垣市の住人麦穂亭がどっさりパンを送ってくれたので、昨日からせっせとパンを食べている。今朝はこれ。歯ざわりもよろしく、ほどよい塩味に香辛料が利いて、なかなかうまい。

 ぼくは日本人のくせに米ならパラパラのインディカ種のほうが好きなので、みなさんがうまいとおっしゃる米にはたいして興味がない。パンか麺類のほうが好みだから、朝は必ずパンにしている。

 しかしうまいパンがふつうに食べられるようになったのは、いつごろからだろうか。昔のパンはまずかった。ボソボソしているのはまだいいとして、学校給食で出されたコッペパンは特にひどかった。まずいうえにベチャベチャしているのである。

 いつも腹を空かせているこどもが顔をしかめて食うパンとはどんなものか、想像もつかないだろうと思う。まずいパンに加えて、アメリカのブタの餌である粉ミルクを飲まされたのだから、戦争は知らなくとも敗戦国のみじめさは体で覚えている。

 いつだったか、戦後アメリカから提供された粉ミルクを悪くいう世代はゼイタクだ、脱脂粉乳は十分飲めるじゃないか、というネットの書き込みを読んで驚いた。無知は悲しい。若者はなにも知らないからそんなノンキなことがいえるのである。賭けてもいいが、まともなものを食べて育った君には絶対飲めません。口に含んだとたん、顔面蒼白になって吐き出してしまうにちがいない。

 粉ミルクと聞いて雪印のスキムミルクや、最近の甘くてうまい粉乳を連想するのがまちがいのもとなのだ。そんな上等のものではない。あれは人間の飲み物ではない。ブタだって喜んで飲んだかどうか、おおいに疑問である。

 嘔吐感を解消するためにコッペパンをちぎろうとすると、どんな品質管理をしていたものか、はしっこが濡れてベタベタしている。口に入れるとネチャネチャして、その気持の悪いことといったらない。濡れた部分を片づけて本体に到達したって、モソモソしてうまくもなんともないのだから、苦労は決して報われないのであった。

 このところ電力会社や政府のプロパガンダを真に受けて、ゼイタクは敵だ、昔に帰れと質素耐乏を唱える人々が多い。国民に耐乏を強いて戦争でも始めるつもりだろうか。ぼくはゼイタクはしなくともよい。しかし昔に帰るのはごめんである。おやりになりたければどうぞご勝手に。

 冷蔵庫もエアコンも、扇風機さえ持たずに、室温40度に達する関西の夏を乗り切った経験者として断言しておきたい。夏は涼しく、冬暖かく、ゼイタクではなくともまともなものを食べ、夜は電灯をともして読書を楽しむ。これが人間のめざすべき生活というものだろう。

 さて今夜もわが家は麦穂亭謹製のパンが主食である。山のようにうまいパンのあるしあわせ(笑)。

(RICOH CX2)

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Comments

いやあ、おいしそうなパンだ。
こんなパンが手元にあるのならば、私だって毎朝の食事をパンにしてもいいですね・・・

けど・・・なかなかねえ~。

そしてなによりも私は米どころの育ち・・・
やっぱりコメがないとね・・・・

特に朝には・・・

Posted by: 三友亭主人 | July 31, 2011 at 21:49

それって我が家の夫です。スキムミルクが大好物です。
でも、それと終戦当時のスキムミルクは違うんですね。

Posted by: ありす | August 01, 2011 at 00:27

>三友亭さん

 あ、ぼくもふつうに米飯は食べますので誤解されませぬように。ただパンと麺類さえあれば、米飯はなくてもかまわないということです。

 また米の銘柄にはまったくこだわらないのです。大体たべものに関しては、ゼイタクとは無縁なんです(笑)。

>ありすさん

 市販されているスキムミルクは上等です。あれならぼくも喜んで飲みますよ。

 当時飲まされたアメリカの粉ミルクは、世にも恐ろしい飲み物でした。いま飲んだら、ビックリして腰を抜かしますよ(笑)。

 あまりにもまずいから、ときどきココアを混ぜて出されたことがあります。しかしかえって不気味な液体になって、まずさが強調されるのだから閉口しました。

 気の毒だったのは学校の先生。生徒の手前飲まないわけにはいかず、涙とともに飲み下していたんですよ。

 悪夢ですね(笑)。

Posted by: 薄氷堂 | August 01, 2011 at 06:31

体に良いと言われていたのでしょうが、いまちゃんと調べたら品質が悪かったり、保管状況により酸化していたりすれば一層風味も悪いでしょうから、まずいと言う時点でもしかすると、それは体に悪いのかもしれませんね。人の体のセンサーが正しいと言うことってあると思います。
センセイ、お気の毒でしたね。悪ければそれで下痢などが止まらなかったってことも聴きます。

Posted by: ありす | August 03, 2011 at 10:30

>ありすさん

 う~む、なんと形容すればいいものやら。酸化してすっぱくなったのとはちがいます。

 渋いような苦いような口がしびれるような……つまり、旨味という旨味を徹底的にしぼり取り、雑味だけが残った粉末を、雑巾がけしたあとの汚れた水で溶かしたらああいう味になるんじゃないかと思いますね。

 もしあれを喜んで飲んだ(食べた)とすれば、アメリカのブタは偉大です。

 なお問題の粉ミルクには放射性物質が含まれていると発表した学者がいたと記憶しております(詳細は忘れましたが、雑誌「世界」に載っていたような気が……)。

Posted by: 薄氷堂 | August 03, 2011 at 19:47

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