Daily Oregraph: 2011-07-17 デンタル・ランチ
雨。困った天気である。傘をさして植物を撮影するのは困難だから、春採湖畔へ行くのはあきらめて、わが家のランチをパチリ。
いいかげんに撮ったせいか、あまりうまそうに見えなくて申し訳ないが、これ、案外うまいんだよ。しかもべらぼうに安上がりなのである。大金を投じて豪華な料理をたいらげ、うまいうまいとありがたがるのは芸のない話で、ちっともおもしろくない。金をかけずにうまい食事を楽しむことこそ、人生最大の幸福のひとつであろう。
結局スパゲティは茹でかげんを誤らず、出来たてを食べさえすればまずまちがいない。ごくおおざっぱにいって、包装に指定されている時間よりも1分ほど短めに茹でれば、いわゆるアル・デンテという状態になるようだ。
そのアル・デンテだが、あいにく伊和辞典は持っていないので英語の辞書で間に合わせると、al dente = to the tooth とある。「しっかりした歯ごたえのある」というほどの意味らしいが、スパゲティにかぎらず、麺類は一般にアル・デンテがよいと思う。
たとえば食堂で茹ですぎたペチャペチャのラーメンを出されたとしたらどうだろうか。そんなブタのエサみたいなものには、一円だって支払いたくないだろう。あなたはきっと歯ぎしりしてくやしがるにちがいない。
しかし肝腎の歯が弱っていては、アル・デンテもなにもあったものではなく、歯ぎしりさえ満足にしかねるだろう。健康な歯があってこそ、うまい料理を楽しめるのだ。そこで毎日の歯のお手入れにおすすめしたいのがデンターライオンである(笑)。
アル・デンテのデンテとデンターライオンのデンターとはいわば親戚。これにタンポポが一枚からんでくるからおもしろい。
もう何年も前になるけれど、デンターライオン=タンポポであることについて駄文を書いたことがある。
ここでもう一度おさらいしておくと、
タンポポは英語で dandelion だが、これは中世ラテン語の dens leonis、フランス語の dent de lion、つまり「ライオンの歯」に由来する。タンポポの花ではなく、葉っぱのふちのギザギザをライオンの歯に見立てたらしい(えらそうに書いたけれど、まともな英語の辞書の語源欄には必ず載っている)。
かくしてデンターライオン=ライオンの歯=タンポポ(ダンダライアン)であることがめでたく証明できた。自社の製品にこういう名称を採用するのだから、ライオン株式会社は実にセンスがいいと思うのである。
ただし一面に咲くタンポポを見るたびにスーパーのデンターライオン売り場を連想するのは、いささかつらいものがあることも確かだけれど……
(Canon IXY 30S)
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