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June 10, 2011

Daily Oregraph: 2011-06-10 霧にむせぶ街

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 釧路らしい濃霧。起きて間もないというのにもう眠くなるような天気である。

 昨年廃止になった霧笛はひたすら単調にボーボー鳴るだけだったが、ぼくがこどものころは、絶望的な泣き声といおうか、狼の悲しげな遠吠えといおうか、一種独特の調子をもった音を放っていた(当時のラッパ型の霧笛はたしか博物館に保存されているはずである)。

 ウウウウウウ~ン、ウウウウウウ~ン。

 それが来る日も来る日も、朝となく夜となく、ひっきりなしに鳴りつづけるのである。まるで異界が霧のすぐ向こうに迫っているのを警告するかのような響きがあった。そのころはもちろんメメント・モリなどということばは知らなかったけれど、あの霧笛の音には死を連想させるものがたしかにあったと思う。

 ウウウウウウ~ン。この世はむなしく、絶望に満ちている。

 ウウウウウウ~ン。生きていたってなんもいいことないから、死んだほうがマシだべさ。

 ああ、霧笛さえなければ、少年はもっと明るく素直に育ったはずなのに。

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 とまあ、めずらしく哲学的なことを考えながら帰宅すると、東栄小学校脇の道路に車がたくさん停まっており、対向車とすれちがうのに苦労するほどであった。ふだんは人通りが少ないのに、やけに人がたくさん集まっている。

 なんとかいう映画のロケをするのでご迷惑をおかけします、と先日映画会社の方が挨拶にみえたらしい。今日がその日なのである。俯瞰撮影用らしき高所作業車が見える。わが家の玄関先には照明が設置されている。

 撮影は夕方から深夜2時まで行われるのでよろしく、と今日もまた挨拶に来たという。現場まで見物に出かけるほどミーハーではないが(笑)、超ローカルニュースのネタにはなる。もし二階の窓から写真を撮れたら明日お目にかけることにしよう。

【追記】

 二階の窓から映画の撮影風景をながめていたら、なかなかおもしろそうだったので、おまけとして写真をいくつか。結局ミーハーだったね。

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 市川雷蔵主演というなら話は別だが(笑)、最近の俳優さんにはあまり興味はない。しかし撮影そのものにはおおいに関心がある。特に夜間撮影には妙にワクワクするものがある。

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 そこで外へ出てみたが、どうやら撮影のじゃまになりそうだったので、ふたたび二階へ。なおここまでは55ミリマクロ(82.5ミリ相当)を使用。

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 窓からだとアングルがかぎられるので、90ミリマクロ(135ミリ相当)に切り換えて、両端をトリミングしてみた。

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 映画というのはずいぶん手間のかかるものらしい。撮影は深夜に及ぶようだが、これだけ時間をかけても、上映されるのはたぶんほんの数分なのだろう。

 明日もここで撮影を続行するらしいが、雨が降らなければぼくは春採湖畔へ行く予定だから、レポートはここまで。

(RICOH CX2, Nikon D200 + Ai Micro 55mm F2.8S & D80 + Tamron 172E)

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Comments

霧にむせぶ夜・・・といえば黒木憲。
黒木憲といえば・・・柔道一直線のエンディングテーマ。

そして、私が初めて立ち会ったロケは柔道一直線でした。私の家の近くの砂浜で登場人物の猛練習があるというシーンでした。そこにヒロインの吉沢京子が・・・かわいかったなあ。

こっちはテレビ番組のそれでしたが、初めて見る芸能人たちに心はときめいたものでした・・・わかかったなあ・・・

最近・・・近くでロケがあった時は・・・車を止められたりしてむっと来たんですが・・・

ああ、あのときめく心は・・・今いずこ・・・・

Posted by: 三友亭主人 | June 10, 2011 at 22:52

>三友亭さん

 昨夜(今朝?)は一時過ぎまで撮影していました。現在も撮影中です。

 買い物の帰りにいつもの道を通ろうとしたら、やんわりと通行止めを宣言されたので、遠回りして帰宅しました。

 しかたがないこととは承知しているんですが、撮影所内ではなく一般人の生活圏内なんですから、たしかにいささかムッとしますね。

 しかしスタッフの辛抱強さには感心させられました。時間と手間がかかる割には進行が遅く、ぼくみたいな短気な人間には無理じゃないかと……

Posted by: 薄氷堂 | June 11, 2011 at 15:22

>三友亭さん
「柔道一直線」のメインのロケ地は、赤羽(京浜東北線から見える赤羽八幡神社境内)でしたが、強化合宿か何かで海沿いのどこかの街で撮影したんですかね?
その後、この神社下にトンネルを掘り、新幹線と埼京線が通っています。
私の奥様が、神社の隣りの女子中高短大出身なので、ロケの状況は良く聞かされました。
吉沢京子様も、良い熟女になられました。おっとカミさんも同じですが!

Posted by: アナログ熊さん | June 11, 2011 at 20:36

たびたびすみません

アナログ熊さんへ

一条直哉が高校に入ってからのことですが、その高校の柔道部が松島で合宿を行ったことがあります。そしてその近く…といっても電車で五駅ほどの野蒜(ここが私の生まれ育ったところ)の海岸で練習を行っていました(という設定)。

その美しい砂浜もこの三月十一日、悲しみの海となりました。私の二人の叔父と一人の叔母もそこに眠っています。

Posted by: 三友亭主人 | June 11, 2011 at 21:11

>アナログ熊さん

 よい熟女ですか? うらやましい。もっとも悪い熟女だと、怖すぎて近寄れませんけどね。

 ところで夜間ロケといいますと、昔上賀茂神社の境内で時代劇を撮影しているところを目にしました。切られていた悪役は、ひょっとしたらバイトの熊さんだったかも。

Posted by: 薄氷堂 | June 11, 2011 at 21:13

>薄氷堂さん
時代劇のエキストラは、そのバイトで食ってた連中のギルドがあったようで、一般学生の入り込む余地はありませんでしたよね。

こう見えても熊さん、映画に出演したことがあるのですよ!
ただし昭和39年、東映児童映画の「正しい競争心(多分、こんな題名だったはず)」の後ろの方で走ってますが。(笑)
なぜか我が北小にロケ隊が来て、クラスで2〜3人後ろで走れと言われて、ゆっくり走っても主人公を追いぬいてしまい、監督さんにえらく怒られました。
ヒロイン役の二人がもの凄い美少女で、「こんな可愛い人が世の中にはいるんだ!」と、呆然としていた熊さんでした。ハイ

Posted by: アナログ熊さん | June 12, 2011 at 07:17

>アナログ熊さん

> こう見えても熊さん、映画に出演したことがあるのですよ!

 おお、悪役などと申し上げて、とんだ失礼を。でも主人公を追い抜いてはダメじゃありませんか(やっぱり悪役?)。

Posted by: 薄氷堂 | June 12, 2011 at 20:33

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