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June 26, 2011

Daily Oregraph: 2011-06-26 温根内独占

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 早朝の温根内には人っ子ひとりみあたらず、事実上貸し切りであった。クマが出やしないかという心配はあるけれど、このゼイタクさはなにものにも代えがたい。いっぺんに税金のモトを取ったような気分である。

 ヒメカイウ(サトイモ科)は葉っぱがずいぶん大きくなり、そろそろ終わりに近づいたんじゃないかと思う。

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 ヤナギトラノオ(サクラソウ科)。たいていは背の高い草の間に咲いているから、こういう場所でなければ全体像を拝むことはできない。

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 ハナタネツケバナ(アブラナ科)。時間が早いせいか、まだ花は開ききっていなかったけれど、今年もまた眼にすることができたので満足。

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 カキツバタ(アヤメ科)。

 書き附け花の意でその転化である。書き附けとは、こすりつけることで花汁で布をこすり染める昔の行事である。(牧野新日本植物図鑑)

 カキツバタといえば、『伊勢物語』中の「からころもきつつなれにし……」という歌が知られている。とてもそんな文学的な歌を詠む腕前はないけれど、

  空財布着物の袖に突つこみて腹は減れども食べる金なし

とよめりければ、みなびと空き缶のなかに銭を落として泣きにけり。

 いや、ご心配なく。途中コンビニで買ったクリームパンとコーヒーで、ちゃんと腹ごしらえをして来たのだから。

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 コタヌキモ(タヌキモ科)。見れば見るほど奇妙な花である。昨年は大豊作だったけれど、今年は数が少なかった。

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 ワタスゲ(右)とサギスゲ(左。いずれもカヤツリグサ科)。数が増えるのはこれから。

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 イソツツジ(カラフトイソツツジ。ツツジ科)。まだ時期が早いのか、まばらに咲いていた。

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 春採湖のミヤマニガウリと人気を二分する(?)ゴキヅル(ウリ科)。成長が楽しみである。

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 鶴居軌道跡。いつ来ても気持のよい小径である。ただこの時間に一人きりだとクマが怖い。

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 ヨツボシトンボだろうと思う。葉っぱにご注目いただきたい。なんの虫かは知らないけれど、卵が産みつけられている。

 昆虫の世界もおもしろいのだが、深みにはまると時間がいくらあっても足りないし、ぼくの腕前では撮影困難なので手を出さないことにしている。

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 花やトンボをたっぷり楽しんでビジターセンター前まで戻ると、次のお客さんたちがやってきた。

 ほんとうにいい季節になった。みなさまも温根内へぜひ。

(Nikon D200 + Ai 35mm F2.8S & D80 + Tamron A16)

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