
某ホテルで開かれる会合に出席するために裏通りを歩いていると、向こうからやってきたかわいらしい小学生の女の子がぼくの目の前で立ち止まり、満面に笑みをたたえて、
-こんにちは!
しかも見よ。彼女は膝に手を当てて、深々とお辞儀したではないか。ああ、これほど作法にかなった挨拶を目にしたのは何年ぶりのことだろうか。
このところ金に魂を売り渡した人相の悪い連中にうんざりしていたぼくは、この奇跡のような美少女に出会って、日本もまだまだ捨てたものじゃないと思った。
すっかりどぎまぎしてしまい、小さな声で挨拶を返したおじさんは、実にみっともなかったにちがいない。ごめんね。
(Canon IXY 30S)
Comments
そりゃあ・・・良い経験をしましたね。
わたしもそんな思いをしてみたい。
Posted by: 三友亭主人 | May 18, 2011 22:40
私はかろうじて、毎週、そのくらいの年恰好の子たちが訪ねて来てくれる身の上なので、子どもと過ごす時間を得られて幸せなんですが、実際、日本の子どもという生物カテゴリーはその数を確実に減らしているので・・・多分、今後は更に激減するであろうということが予測され(震災などの影響で)、加えて原発事故の到底推測不能な未来への負の影響を換算すると・・・
日本の子どもは絶滅危惧です。まちがいありません。「天然記念物」に指定すべきかもしれないと思うほどです。
Posted by: ありす | May 19, 2011 03:12
>三友亭さん
いや、実はビックリしましたよ。
たぶん学校の先生に「街でおじさんやおばさんに会ったら、ちゃんと挨拶するのですよ」といわれ、それを忠実に実行したのでしょうね。
それにしても、今どきあれほど丁寧にお辞儀するとは、ご両親の教養の深さがうかがわれ、おじさんはすっかり感心したのでした。
>ありすさん
ほんとうに五年先、十年先に出るであろう被曝の影響が心配ですね。こどもたちの将来よりも利権が大事とは……日本人の風上にもおけぬ連中です。
Posted by: 薄氷堂 | May 19, 2011 19:01