
4月19日付けニューヨーク・タイムズの記事に、スリーマイル島原発事故の処理にたずさわった技術者のことばが紹介されている。
it was a walk in the park compared to what they've got
現在行われている福島原発事故の処理にくらべれば、スリーマイルのそれは a walk in the park だった、というのである。不勉強で知らなかったのだが、 a walk in the park というのは、OED によれば、
colloq. (orig. U.S.). a walk in the park: (the type of) something easy, effortless, or pleasant.
という意味だから、「楽勝だった」ぐらいのところだろうか。
で、そのスリーマイル原発事故の処理には14年を要したのである。これだけでも今回の事故の重大さがわかろうというものだ。詳しくは(もし元気があれば)原文を参照していただきたい。
もうひとつご紹介したいのは、毎日jp の巨大地震の衝撃・日本よ! 哲学者・梅原猛さんという記事。梅原さんは左翼じゃないのにと珍しがられても、一貫して原発には反対の立場を取ってこられたのだが、
でも、原発反対は、もうひとつ強く叫べなかったんですよ。私が初代所長を務めた国際日本文化研究センターに関連する財団が設立されたとき、当時の関電社長に理事長になっていただいたり、東電の社長とも親しかったのでね。多少、遠慮したんです。それを後悔してるんです。
と語る。さすが哲学者である。黙っていたっていいものを、なんと正直なお方だろうか、とぼくはかえって感心した。もちろん日本だけの話ではないだろうが、大人のつきあいネットワークの恐ろしさがよくわかる。人が世の中を渡っていくということは、ほんとうにむずかしいものだ。
一方ではさんざんウソを撒き散らした挙句これほどの事故を起こしたというのに、まったく責任を認めず、後悔していない連中がいるというのは驚きである。
(2005年3月6日撮影。Nikon D70 + Tamron A09)
Recent Comments