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April 18, 2011

Daily Oregraph: 2011-04-18 酒飲みの言い訳

041123harutoriko
 ガリレオが何故迫害されねばならなかったか。彼には、当時の為政者とは違った科学的な価値軸が内部にあったからである。そしてそれを放棄しては彼の専門的営為自体が、成り立たず、追求する心自体が滅びねばならなかったからだ。多くの芸術家が身の不遇を甘受しても自己の悩みに忠実であろうとしたのは何故か。権力の論理や金銭の力よりも、強い力が内部に存在し、それがその人を律したからではないのか。 - 高橋和巳『わが解体』より

 いまだからこそ、若い人々に読んでほしい本である。ひょっとしたら古本屋に行けば一冊百円で叩き売りになっているかもしれない。当時あれほど大勢いた読者はいつの間にか姿を消し、みなどこかで押し黙っている。

 こういう文章を読むと、ぼくは恥ずかしくてとてもシラフではいられず、ついウィスキーのビンに手を伸ばしてしまうのである。う~む、言い訳になっちゃいないか。

(2004年8月7日撮影。Nikon D70 + Ai Micro 55mm F2.8S)

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Comments

一年のとき、教授に「ソクラテスの弁明」で何か書けといわれて辛かったのを思い出しました。13ページ書いて褒められました。感想文を要約すると、人間の叡智は歴史と共に深まり、より高いレベルに向かっているという、うがった意見を書いたんです。併せて、他の人より抜き出て優秀な人は、時にアホのふりまでをして理不尽な扱いを切り抜けなければならなかったに違いないと・・・
私はそのときは、せいいっぱいだったから褒められて喜んだのですが、今は自分の意見は間違っていたと思います。知性が地球や人類にとってより善く働くとは限らず、比較にならないほどアホなままのほうが害が少ないかもしれないでしょう?

Posted by: ありす | April 18, 2011 at 23:32

>当時あれほど大勢いた読者はいつの間にか姿を消し

本当に何処に言っちゃったんでしょうね。もっとも私は一世代の人間。私が高橋和己を読み始めた頃には、彼の読者なんて周囲には誰もいなかったですけどね・・・

Posted by: 三友亭主人 | April 19, 2011 at 05:41

>ありすさん

 ソクラテスですか、原稿13枚とはすごいですね。釧路新聞に寄稿された記事も読ませていただきましたよ。

 ぼくは大衆文学育ちですから、哲学はさっぱりあきまへん。ただの酔っ払い。

> 比較にならないほどアホなままのほうが害が少ないかもしれないでしょう?

 そのとおりです。疑うものは薄氷堂を見よ。立派ではないけれど、たぶん害は少ないでしょう。ただの酔っ払いですからね。

>三友亭さん

 高橋和巳がもっとも読まれたのはぼくの学生時代前後でしょうね。ぼくなんかは友人にすすめられて「読まされた」わけですが、正直いって当時は熱心な読者にはなれませんでした。

 とにかくエンタテインメントとは正反対、ハッピー・エンディングを拒否する小説世界ですから、気が重くてやりきれない。読みかけては本を閉じたことが何度あったことでしょうか。

 しかし『わが解体』は一気に読みました。これは日本文学史上でも希有のすぐれた文章だと思います。途中で本を閉じることをゆるさぬほど力のこもった一行一行が、胸に突き刺さります。

 匿名をいいことにして、他人を中傷する卑しい文章をネット上で平気で書き散らしている連中には、ぜひ一読せよといいたいですね。いや、どうせいってもムダだとはわかっているんですけど。

 かく申す自分にそんな力のこもった文章を書く腕前はありませんから、今宵もまた一杯また一杯とグラスにアルコールをそそぐしかないわけです。これもまた、わが解体?

Posted by: 薄氷堂 | April 19, 2011 at 22:57

>釧路新聞に寄稿された記事も読ませていただきましたよ。

あぁ~~バレましたか。そぉですか。
 ま、でも、今日はK新聞の社長室で社長をつかまえて話し込みました。「2年前なら考えられないような意見が載るようになりましたよね~」(実際、あの欄を私が依頼されていることにも謎なんですが)
 でも、「いまや、あなたの意見に反対する人は少ないでしょう」と・・・。右のメディアの方々にさえ、そう言わしめさせてしまう今回の福島原発事故の始末の悪さなんですよね。残念ながら・・・。歴史的にも、あの3月11日以前とそれ以降では日本は全く違ってしまったと言えます。

 今日はアメリカの電源会社を相手取り、州知事が古い原発の稼動を継続する次契約(20年の契約更新をしたばかり)を破棄することについて裁判をすることを発表したという報道を見ました。これはアメリカで初めての例だそうです。福島原発の事故を受け、そうした民の意見を尊重したわけです。
 実際の事故が起こった現場の日本でなぜ国民がこんなにのんきなのか訳が判りません。25年前のような脱原発ムーヴメントが起こって、おっかない原発から順番に止めていかなければならないと言い出したってよさそうなものなのに・・・みんな大人しく、ききわけがよく、ただ黙って殺されていくつもり・・・?

Posted by: ありす | April 20, 2011 at 03:29

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