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April 16, 2011

Daily Oregraph: 2011-04-16 花一輪

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 外出したついでにほんの15分ほど春採湖畔に立ち寄ったところ、いつもの場所で一輪だけアズマイチゲを確認した。

 さて昨日の記事でご紹介した小出さんの講演録を、もう一度じっくり読んでみた。

 2007年7月16日の中越地震によって起こった柏崎原発事故は、あわや大惨事になるところであった(福島原発事故の一歩手前)。そのときも東電は「安全です」といいつづけ、事故後も原子炉に塑性変形の恐れがあるとする IAEA の警告を無視して、ろくに検査もせず稼働を再開したという。

 こういうずさんな会社だから、福島原発事故は想定外どころか必然であったのだろう。柏崎原発は建設前から活断層の存在が知られていたにもかかわらず、国は東電に建設許可を与えた。御用学者を動員して、デタラメな審査をしたことはまちがいない。いまさらあれはウソでしたというわけにはいかないから、そういう連中がTVでいいかげんな発言するのはけだし当然である。

 原発をやめると電力不足になるというプロパガンダに対して、小出さんはこう語る。

 ほとんどの日本人は原子力を廃止すれば電力不足になると思っています。また、ほとんどの人は今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っています。そして、原子力利用に反対すると「それなら電気を使うな」と言われたりします。

 しかし火力発電所の設備利用率は7割にしかならず(この講演録は2008年のもの)、日本では発電所は余っており、

 過去の実績を調べてみれば、最大電力需要量が火力と水力発電の合計以上になったことすらほとんどありません。

 なるほどこういう発言をする学者が不遇なのは無理もない。ニッコリ笑って大人のつきあいをしていれば、煙たがられずにすんだものを。

 日本では核(軍事)と原子力(平和利用)を巧妙に使い分けているけれど、英語では nuclear ひとつだけ。原子炉というのはもともと核爆弾の原料となるプルトニウムの製造マシンにほかならないこと、現在日本の原発から海に流れ出す温排水の総量は年間1000億トンにも達し、
これで温暖化しなければ、その方が不思議です、ということ。

 とても全体についてご紹介するのは無理なので、詳しくはぜひ PDFファイルをお読みいただきたいと思う。自分の不勉強については、目下深く反省しているところだ。

(Nikon D200 + Tamron A16)

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Comments

薄氷堂さん ありがとうございます。

これから。じっくり読まさせていただきます。

Posted by: ひげ | April 16, 2011 at 12:40

>海に流れ出す温排水の総量は年間1000億トン

なるほど・・・こちらの法のことをすっかり忘れていました。まあ、都合の悪いことは上手に隠すのは・・・私だってやぶさかではありませんが、原発の場合は、それでは済みませんものね・・・ちゃんと行ってもらわなくては。

・・・他のことでも・・・

Posted by: 三友亭主人 | April 16, 2011 at 18:30

>ひげさん

 ぼくも原発の危険については雑誌の記事などを読む機会がなかったわけではないのです。しかし読むと気が重くなるため、意識的に避けてきたことは否定できません。

 でも事ここに至っては、知らないではすまないですね。

>三友亭さん

 すでに指摘している方がいるように、原発推進と温暖化二酸化炭素犯人説はセットになっていると思います。どちらも国が推進しているのがなによりの証拠。原発利権はもちろんですが、CO2利権(?)にも注目する必要があるようです。

Posted by: 薄氷堂 | April 16, 2011 at 19:37

私も実は今日、小出先生が3月26日に行った講演会のDVDを見ていました。本当に原発と電源事業のシステムは嘘だらけです。
北海道電力なんかは夜間電力を参入すれば68%以上の余剰があり、泊はなくたっていい。必要だと主張するため揚水発電という余った電力をどんどん捨てるシステムがあり使用電力量のピークを偽ることも易い。日々作り出されている高レベル放射能廃棄物を処理する方法も土地もないのだから、事故なんか起こらなくても、そもそも「すぐに止めなければ大変なことになる」・・・!
世間の人々はすっかり、メディアに騙され、エネルギー問題であるかのように思い込まされているのが一層怖い。計画停電で電力がないとこんなに不便だろ?と思い込まされたり・・・
あぁ・・・怖い。福島のことは、小出先生でさえ、「祈るだけ」と・・・

Posted by: ありす | April 16, 2011 at 21:29

>ありすさん

 原発利権の根深さには恐るべきものがありますね。原発安全キャンペーンには莫大な金が使われていますが、その費用は全部電気料金に上乗せだから、もうなにをかいわんや。

 さて原発反対派には金がありません。推進派にはふんだんに資金があります。TVマスコミを支配しているのだから、まともに戦っても勝ち目はないでしょう。

 しかも原発などけっして愉快な話題ではありませんから、ふだんならだれも関心を寄せず、魔法のことばでポポポポーン、勝負あったりです。

 しかし今回の大事故によって、原発は世間の注目を浴びています。推進派の中にも動揺しはじめている方は少なくないはずです。どうもおかしい、ヘンだ、これまで信じてきた話とちがうではないか、というわけです。

 ですから、今だまっていては推進派との溝を埋めるチャンスを逸します。これまでは情報戦で明らかに負けていたのですから、金をかけずにネットで情報を流す努力が必要でしょう。

 ことは人命にかかわるのですから、宣伝にだまされていた人や、ぼくを含めて無関心でありつづけた人を軽蔑して、ただ敵対していてもはじまりません。山田さんの孫にも、中村さんの赤ちゃんにも、高橋さんのお腹の中の胎児にも放射能の影響は及びます。

 たとえ少数の読者しかいないマイナーなブログであっても、これはという情報があったら、どんどん流そうと考えております。金や権力とは無縁のすべての人々に向けて。

Posted by: 薄氷堂 | April 16, 2011 at 22:32

>ありすさん

>たとえ少数の読者しかいないマイナーなブログであっても、これはという情報があったら、どんどん流そうと考えております。

というお考えに相応しいサイトをご紹介します。
サークルOB会からwordファイルで送られてきましたが、ネット上にも公開されていました。
http://www.iam-t.jp/HIRAI/index.html#about
著者の平井憲夫氏は日立の社員で20年間 原子力発電所の現場で働いてきて、放射能で被爆され癌を患い1995年の阪神大震災の1年後に本論文を草され、その1年後の1997年に逝去されておられます。


Posted by: アナログ熊さん | April 17, 2011 at 14:12

>アナログ熊さん
& 薄氷堂さん

 ありがとうございます。早速、チェックしてみます。
 平井さんは1997年に亡くなられたのですか・・・

 私は父が長崎で被曝し、私自身がこの若さ(?!といっても篤姫より長生きしてしまいましたけれど)で被曝二世の身の上なので、父の若くして発言したことや最後には白血病を発症してなくなったこと、私が父よりも更に10年以上も早く発癌したことなどは、何か放射能とかかわりがあると思っているのです。
 そんなわけで理由が原爆だろうと原発だろうと、放射能という言葉自体にアレルギー症状と過敏な反応を示して今日まで生きてきました。

 いま、こんな病人の私に何ができるのかと思いつつ・・・

Posted by: ありす | April 17, 2011 at 17:49

>アナログ熊さん

 どうもありがとうございます。

 その文書の存在は伝え聞いていましたが、まだ読んでおりません。さっそく読んでみましょう。

 福島原発の事故はまだ終息していませんし、そこへもってきて浜岡原発やもんじゅなどで事故が起きた日には、日本はたいへんなことになります。

 どんな国のどんな政権でも事故をごまかそうとするのは確実なのですから、右だの左だのといっている場合じゃありませんね。

>ありすさん

 ぼくが心配しているのは、放射能による被害者が、因果関係立証困難という理由によって救済されない可能性が高いことです。国や東電は、まさにそれを狙っているでしょう。

 さらに補償金を増税や電気料の上乗せでまかなおうとするなら、もういうべきことばもありません。

Posted by: 薄氷堂 | April 17, 2011 at 22:10

国は原爆被害者に対する補償についても因果関係立証困難という理由で逃げ続け、大半の被爆者が概ね死んでしまうほど営々と対応を引き伸ばし、日本中に散っていった被爆者の後追い調査もしなかったので、本当の被害の甚大さを知らない(知ろうとしない)のです。例え、金銭で補償してもらえたとして、してもらえないよりはマシでしょうが、命にはやはり代えられないわけで・・・使い切れないほどのお金を持っていても病弱で短命なより、貧乏でも健康で長生きのほうがいいな・・・

Posted by: ありす | April 18, 2011 at 01:59

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