« Daily Oregraph: 2011-04-13 橋を渡って | Main | Daily Oregraph: 2011-04-15 原発理解のための必読文献 »

April 14, 2011

Daily Oregraph: 2011-04-14 レベルの低い話

011015fish
 12日付けのワシントンポスト紙の記事は「私の見るところでは、政府はレベル7に達することを、たぶん3月16日か17日、または18日には知っていただろう。どうしてレベルを7に上げるのにそんなに時間がかかったのかまったく理解できない」という京大 Unesaki(?)教授の見解を紹介している。

 そのレベル7だが、実際はそんなに高いはずはないという説もあれば、スケールの上端が7だから7にしただけで、ほんとうはもっと高いんじゃないかという説もあり、ぼくみたいな素人にはよくわからない。しかしどちらが正しいにせよ、問題の本質は、レベル7に達するということを最初の段階で認識していたにもかかわらず、原発周辺の住民を速やかに避難させず、長期間に渡って放置してきたという点にあると思う。

 レベル7というのは「広範囲に渡る健康や環境への影響を伴う、放射性物質の大量の放出」を指す(同記事より)。とすれば、事故の翌日にレベル4、一週間後にレベル5と発表したことは、もはや犯罪行為だといっても過言ではないだろう。

 いきなりレベル7と発表すればパニックが起こることを予想した政治的判断という見方もできるけれど、そのために原発周辺住民の健康を犠牲にすることが赦されるのだろうか。放射能が目に見えないのをいいことに、事故が早期に沈静化すればごまかし切れるという読みがあったのではないかと疑われてもしかたがないと思う。

 同じく12日付のニューヨーク・タイムズの記事には、保安院の発表した例の「チェルノブイリの10分の1だからたいしたことはない」という何京ベクレルという数字に関連して、こんな痛烈な一文が……

 Mr. Nishiyama's agency is part of the Ministry of Economy, Trade and Industry, which promotes the use of nuclear power.

 原発を推進する経産省の一機関である原子力保安院の(西山氏の)いうことはどうも信用ならないという含みがある。そうは書いていないけれどそう読ませるのだから、たいへんな切れ味である。

 ただしネットのあちこちに見られる、西山氏がカツラを使用していることを揶揄する書き込みには感心しない。いくら気にいらないにしても、それをいっちゃ自分の値打を下げると思うのだが……

(2001年10月15日撮影。Nikon New FM2 + Tamron 172E)

【2011年4月17日追記】

 ニューヨーク市立大学シティカレッジ物理学部の加來道雄教授談。

 この事故がどんなレベルであるかを決定づける公式、数式があります。 この事故は、すでに5京ベクレルの放射能を放出しました。計算してみて下さい。原子事故評価のレベル7に当たります。

ということだから、レベル7はまちがいない。ソースはこちら

 もう埋もれてしまってみつからないのだが、レベル7などと発表すれば日本の輸出に打撃を与えるのだから政府はけしからんという記事(たしか産経系のサイトだったような)を読んだ。しかしこのレベルは政治的判断で決定すべきものではない。こういう人を惑わすような記事を流すとはどういう神経なのだろうか。

|

« Daily Oregraph: 2011-04-13 橋を渡って | Main | Daily Oregraph: 2011-04-15 原発理解のための必読文献 »

Comments

The comments to this entry are closed.