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April 12, 2011

Daily Oregraph: 2011-04-12 歩かずに走れ

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 ウェブ版ニューヨーク・タイムズ3月11日付けの記事(Japan Urges More People Around Nuclear Plant to Evacuate )を例によってザッと読んでみた。横文字なんぞ頭が痛くなるから読みたくもないのだが、記事のレベルが高く、なにがいいたいのかよくわかるから、大本営発表垂れ流しとはひと味もふた味もちがうのである。

 ポイントとなるのは次の部分だろう。例によって乱暴な要約だが……

 ・IAEA (国際原子力機関)が避難区域を拡大するよう勧告しているにもかかわらず、これまでのところ日本政府はそれを拒否してきた。

 これはあとで(裁判の場で?)大問題になると思う。「あとで」というのは、健康被害が明らかになるのはずっと先の話だからである。

 ・IAEA の測定では9日の放射線量は原発から20~40マイルの地点(避難区域の範囲外)で1時間あたり0.4~3.7マイクロシーベルト。この割合で蓄積すると、225日から5.7年で、日本政府の避難基準値である年間蓄積量20ミリシーベルトに達するだろう。

 ノンビリ構えていては危ない。だからIAEAは避難区域を拡大せよと促しているわけだ。

 ・1986年に旧ソ連がチェルノブイリ原発付近の住民移住に際して用いた基準値は、それより低い年間5ミリシーベルトであった。

 政府は当然チェルノブイリの基準値を承知の上で20ミリシーベルトという基準値を設定したのだろうから、これもあとで問題になるにちがいない。いったい人体実験でもするつもりなのだろうか。

 
・アメリカの原子力事故対応の専門家によれば、住民や非緊急車両が汚染地域と比較的安全な地域との間を往来しつづけると、放射線で汚染された粒子を撒き散らし、汚染地域を拡大する恐れがある。

 事態はここまで来ているのかと思うとゾッとする。ぐずぐずしている間に汚染も被曝も確実に進行していたにちがいない。この記事には余計なことは一切書いていないけれど、あんたたちなにノンキなことをしているの、といっているのである。バカにされているといってもいい。

 TVではさかんにただちに危険はない、落ち着いて行動せよと楽観論を垂れ流し、野菜も魚もだいじょうぶ、風評被害にまどわされるなという。

 しかし迅速に行動すべきときにおっとり構えていては、あとでいくら後悔しても取り返しがつかないことになる。野菜や魚にしても実際に汚染されているわけだから、風評被害というのは的はずれだ。事故の犠牲者たる農民や漁民はまったくお気の毒である。だが気の毒だからといって、マスコミのプロパガンダを鵜呑みにして野菜や魚を口にしていいという話にはならない。

 問題は政府の設定した安全基準値を信用するかしないかだが、保安院がレベル7をしぶしぶ認めた今もなお、健康被害の心配はないという官房長官を見ていると、ぼくにはまったく信用できない。もちろん信用するのは自由だが……

 ぼくみたいなジジイはもうどうでもいいけれど、こどもたちや妊婦はいくら用心しても用心のしすぎということはない。過剰反応などとはとんでもない話である。十年先に後悔しても間に合わないのだから。

(2005年6月15日撮影。Nikon D70 + Tamron A09)

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