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February 25, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-25 縁の切れ目

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 防寒着を着なくとも外へ出られるほど暖かい一日だった。知人海岸の崖には、そろそろフキノトウが顔を出しているだろう。

 不通になったインターネットは、みかか(=NTT。この表現、なつかしい!)のすばやい対応のおかげで無事復旧した。ぼくの推測どおり、屋外で断線していたのが原因らしい。

 線の切れ目が縁の切れ目というわけだが、たまにはネットを離れるのも悪くないと思った。シドニー・ポワチエもかっこよかったし、ゴジラも案外おもしろかったからである。

 -君ね、ゴジラもいいけど、ちっとは勉強しろよ。

 わかってるよ。わかってますよ。わかってるけど、だんだん根気がなくなってきたんだよ。痛いところを突かないでほしいなあ(笑)。

(Canon IXY 30S)

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February 22, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-22 ランプの話

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 今日は記録のための写真だから、ひどくつまらない。いつもつまらんぞ、といわれれば返すことばもないが(笑)、特につまらないからパスしていただいてもかまいませぬ。

 昨日入港した船の右舷側船尾にあるランプ。どうも気になったので、岸壁側から撮ったのだが、反対側だからよく見えない。

 -え~、そこで居眠りしている薄氷堂くん、L と R をまちがってはいけませんぞ。これは ramp だからね。高さの異なるふたつの平面をつなぐ斜路のことであります。

 -ちぇっ、それくらい知ってますよ。バカにしないでください、まったく。

 ハハハ、これはどうも失礼。しかしこの写真じゃどうも要領を得ないから困るね。

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 いま船を回しているところだから、もう少し待って確かめようではないか。

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 ほら、見えた。見えたのはいいけど、逆光でハッキリしないので、部分的にレベル調整をしておいた。なんとなく構造がわかると思う。

 斜路の部分を岸壁に降ろせば、フェリー同様に自走する車を積めるしかけになっている。小さい船だが、よく考えて造られているものだ。

 やれやれ、ランプを確認できたので、今夜はうまい酒を飲んでよく眠れそうだ。

(Canon IXY 30S)

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February 20, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-20 四年間

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 釧路環状線(道道113号線)桜ヶ岡付近。このあたりはちょっとした商店街になっており、4年前の2007年1月8日にも記事を掲載したことがある。

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 この商店街でひときわ異彩を放っているのがパチンコ店の廃墟である。整列した兵士の中に旧軍の幽霊がひとりだけ混じっているという感じだろうか、ギョッとせずにはいられない。

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 ああ、建物はまだそのまま残っていたんだなあ……と、不動産屋でもないのにしばらくいろんな角度からながめてしまった。

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 4年前の写真(左)とくらべてみよう。全体に錆が進行し、よく崩壊しないものだと感心するけれど、一番上のめくれた鉄板が手直しされているところを見れば、一応の管理はされているらしい。

 4年という歳月が長いか短いか、簡単にはいえないだろう。しかしその間にぼくらの顔も鉄板の錆のように変化しているにちがいない。それを確かめるためには、ぼくの4年前の顔と現在の顔との写真を並べて比較すればいいのだが、あいにくそんなものはない。残念でした(笑)。

(Canon IXY 30S)

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February 10, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-10 (2/6) 春採湖畔-柏木町を歩く (2)

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 裁判所・法務庁舎の丘を降りる。こちらがメインの道路である。正面奥に見えるのが生涯学習センター(まなぼっと)、そこからもうひとつ坂を下れば釧路川や釧路港そして中心街が広がっている。

 しかしこの日は車を停めた春採湖畔に戻る都合上、「止まれ」の標識から左に曲がらねばならない。

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 パス停もそのものズバリ「裁判所坂下」、味気ないといえばいえるけれど、わかりやすくて結構かもしれない。裁判所にご用のお方はここで下車すればよいのだから。

 この道(道道113号線)をまっすぐ歩けば、まもなく太平洋に突きあたる。

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 ほらね、といっても海面は見えないが、ウソだとお思いならここまで確かめにおいでなさい。いつぞやご紹介した千代ノ浦漁港は正面の柵のすぐ向こうにある。

 T字路の左が道道113号線、春採湖や尻羽岬においでのお方はこちらへどうぞ。

 右手には名もない道路があるけれど(たぶん名はあるのだろうが、ぼくは知らない)、坂を登れば少年鑑別所や弥生中学校の廃校舎へ至る。ついでにいえば、当社の社屋もこちらである(まだ廃屋にはなっていない)。

 写真左手に見えるセイコーマートは、もともと近所にあったものがこのガソリンスタンドの跡地に最近移転したのである。

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 さてT字路を左に折れて歩道を少し進むと、ユニークな建物が見えてくるのだが、ボンヤリ歩いていると見逃してしまうかもしれない。

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 たいていの市街図に載っている出雲神社である。敷地が狭いためご苦労があったのだろう。鳥居と玄関とがほぼ一体化している。

 市内にはやはり住宅型神社の相馬妙見神社があるけれど、鳥居と玄関との接近度はこちらが上である。 ただしどちらの神社も由来は不明。

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 出雲神社を通過すると、まもなく道道113号線は右に折れて北太平洋シーサイドラインへとつづく。直進すれば春採湖は目前である。

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 臨港鉄道の踏切を越えて昆布森・尻羽岬方面へ向かう道道を横目に見て、画面左手の道を行けば春採湖。老舗のソバ屋さんである竹老園も間近である。しかし竹老園の開店は午前11時だから、まだちょっと早い。

 春から秋にかけては、春採湖畔を一周してから竹老園でソバを味わう、というのもおすすめ。これからは従来型のあわただしく中身の希薄な観光ではなく、低予算でゆっくり自然を楽しむ本物の旅がきっと主流になるにちがいない。絶景と称するものを一目見て、いや確認してすぐに立ち去るというのは、いかにもバカバカしいからである。

 春採湖畔はほかにちょっと例が見あたらぬほど野生の植物が豊富であり、温根内木道にいささかも劣らぬほどの価値がある。もっと脚光を浴びてしかるべき場所だとぼくは考えている。阿寒湖よりも春採湖、摩周湖よりも春採湖……これがぼくのゆるがぬ確信なのだ。管内のあちこちをさんざん見てきた地元民がいうのだから、夢疑うことなかれ。宝物は案外身近に転がっているものなのである。

 春採湖畔一周+竹老園を釧路の観光コースの目玉として売り出してはどうだろうか。もっともそれが実現して観光客がわんさと押しかけるようになったら、ぼくは河岸を変えるかもしれないけれど……(笑)

(Canon IXY 30S)

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February 06, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-06 春採湖畔-柏木町を歩く (1)

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 あいにくのどんよりした曇り空。ちょいと寒い。

 おなじみ春採湖畔にやってきたはいいが、いまの時期、湖畔一周コースはどうも気が乗らない。しかもスコップさんのブログを拝見したところ、日の当たらぬ南岸はまだ雪がそっくり残っているらしい。たとえ満州の荒野であっても一日に千里を走るという、鉄人スコップさんのマネはとてもできないから、いつもとはちがうコースを選ぶことにした。

 そうそう、竹老園の角を左に折れる道はどうだろうか。はじめてとはいわないにせよ、少なくともここ数十年は足を踏み入れたことがないのである。

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 市外の方はもちろん、市民の中にも地理不案内な方が少なくないと思うので、ご参考までに地図を掲載しておく。

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 いきなり山登りである(笑)。たぶんロードヒーティングしていないのだろう、砂がたくさんまかれているように見える。

 やはりここを歩いた記憶はない。歩いたとしてもずいぶん昔、たぶん中学高校のころだろうと思う。

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 なるほど急な坂である。このまま延々と坂がつづいていれば、バッタリ倒れてしまったかもしれないが、天われを見捨てず、まもなく丘のてっぺんに到着したのはありがたい。

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 すぐに丘を下らず、海の方向へそれると……ははあ、ここに出るのか。釧路地方裁判所・釧路家庭裁判所・釧路簡易裁判所、それに釧路検察審査会。もちろん用事もないのに来るところじゃない。

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 裁判所の向かい側にあるのが釧路法務総合庁舎。ここは十数年前に事務所登記の関係で訪れて以来である。

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 丘の上だけあって見晴らしがよい。まずは春採湖を望む。手前左がひぶな幼稚園、その向こうが閉校となった柏木小学校。小学校の背後にある丘の上には釧路市博物館が見える。

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 こちらは紫雲台方面。画面中央の道路は釧路環状線(道道113号線)。この道をそのまま海岸沿いに進むと、北太平洋シーサイドラインの一部である根室浜中釧路線(道道142号線)に接続し、かの有名な尻羽岬にも行くことができる。

 こんなに眺めのいい丘なのに、今日は観光客にはひとりも出くわさなかった(笑)。釧路観光の穴場かもしれない。

 次回へつづく。

(Canon IXY 30S)

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February 03, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-03 (1/30) 北大通を歩く 復路編

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 おやつも食べたことだし、そろそろ帰るとしよう。

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 人影まばらにもかかわらず、なんとなく心が浮き浮きするのは日光の魔術だろうか。ありがたきかな太陽。

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 文房具屋さんの壁の万年筆をながめたり、古本屋さんの店先に並ぶ本を冷やかしたりしながら、これらのお店はマチの最後の砦だとつくづく思った。なにしろ文化の象徴だからなあ。

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 丸井今井跡から一筋裏手に入る。ここからは昼と夜の落差が激しいエリアである。昼間はいつ来ても閑散としているけれど、夜になると表情は一変する。昔日のにぎわいこそないものの、釧路一の飲食店街であることはまちがいない。

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 そうそう、偶然芸術といえば、ここを忘れてはいけない。氷の芸術である。毎年表情を変えるところがすばらしい。

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 散歩の最後に幣舞橋から釧路川上流を望む。

 ぼくたちは日ごろ見なれているからさほど感心しないのだが、こうしてあらためてながめると、一応は大河の風格があり、案外絵になる景色だと思う。たまには旅人のういういしい視線でマチをながめることも必要なのだろう。

 あなたも北大通をゆっくり歩いてみてはいかが?

(Nikon D200 + Ai 35mm F2S)

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February 01, 2011

Daily Oregraph: 2011-02-01 (1/30) 北大通を歩く 釧路駅編

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 釧路駅の正面向かって右側の入口から入り、駅中商店街(?)をご紹介しよう。

 まずは「なつかし館 蔵」という最近できたお店。看板には「ハヤシライス うどん ライスカレー おかゆ」とある。おもしろい取り合わせだと思う。「ご自由に見学してください」とも書かれているのだが、まさか見学だけというわけにはいかないから、次の機会にお邪魔してみるつもりである。

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 そして左手にレストラン、右手に古本屋さん。

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 ミスタードーナツ撤退後しばらく空き店舗だった場所には、現在パン屋さんが営業中。

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 このパン屋さんでパンを買うと、店内でサービス価格のコーヒーを楽しむこともできる。独立した喫煙コーナーもあるし、列車を待つ旅人にはありがたい場所なのでおすすめできる。

 ぼくもついつられて(笑)、パンとコーヒーでおやつの時間とした。このほかにアンパンとカレーパンを持ち帰りとしてポケットにねじこみ、トータルでわずか 550円也。

 「君ね、低予算取材を売り物にするなら、持ち帰りのパンは余計じゃないのか?」と批評する読者がいるかもしれない。しかしそこには深慮遠謀が働いているのだ。たかがパンふたつといえども、澄ました顔をしておみやげにすれば、最低の投資で最大の効果が得られるわけ(笑)。

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 商店街とはいってもごく短いものだが、パン屋さんの向かい側にはKIOSK、喫茶店、ソバ屋さん、そしておにぎり屋さんもあるという充実ぶりである。なによりもすばらしいのは空き店舗がないことだ。

 かつて地下にステーションデパートがあるほど駅はにぎわったものだが、大都市のように電車や地下鉄があるわけではなし、車社会と化した地方都市では、もはや鉄道駅の地位の復活は望めない。そんな状況にあって駅中商店街ががんばっているのはうれしいことだ。

 -そんならケチケチしないでパンをもっと買いなよ。

 -すまない。でもね、年だからあまり食べられないし、たくさん買うと片手がふさがって、写真を撮りづらいんだよ。

 最近北大通を歩こうという呼びかけをしているグループがあるらしい。けっこうなことである。歩くだけではなく、ぜひ駅で一服して、商店街に貢献していただきたいものだ。

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 鉄道の駅というのは、いつ来ても胸がワクワクするものである。空港のようなよそよそしさがないのもいい。

 何度でも繰り返していうが、ぼくたちは最小不幸ではなく最大幸福をめざして生きるべきだ。ピーナッツの袋とウィスキーのポケットびん、それに文庫本を一冊ポケットに忍ばせて、根室本線普通列車に乗り込めば、少なくともちょっとした幸福を味わえるにちがいない。

(Canon IXY 30S)

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