Daily Oregraph: 2008-11-14
今日はネタもないからゆっくり本棚をながめていたら、 English-Tagalog and Tagalog-English Dictionary という珍しい本が目にとまった。
開いてみると、ずいぶん以前にあるフィリピン人船長からいただいたもので、船名のスタンプが押してある。
ああ、なつかしいなあ。
せっかくもらったのに、ながらく本棚にしまいこんだままなのであった。いつのことだったか思い出せないので、昔のファイルをすべて保存してある DVD ディスクを検索したら、1994年の4月と判明した。14年以上前のことである。
Maria Odulio de Guzman 先生の編纂したこの辞書は、初版が1966年だから、まさに大ロングセラーだ。
おもしろいと思ったのがこれ。なんと連番のスタンプが押してあり、ちゃんと著者のサインまであるのだ。サインなきものは海賊版扱いらしい。

それを見て思い出したのが、かつて日本の書籍の奥付に押されていた検印である。
これは柳田国男先生の検印だけど、まさか先生ご自身がペタペタ捺印されたわけではあるまい。たぶんお弟子さんかご家族か、それとも出版社の方がハンコを押したのだろう。
それを考えると、フィリピン方式はすごい。ぼくの誤解でなければ、著者自身がいちいちサインするのだから(それとも出版社の人がサインするのだろうか?)。
かりに十万部売れたとすれば、十万回サインしなければならないのだからたいへんである。
署名入りの書物を開いたのもなにかの縁、ちょっとだけ読んでみた。
おお、これはおもしろい!
タガログ語の名詞の数(すう)は単数(singular)、両数(dual)、複数(plural)の三つから成るらしい。2には特別の値打ちがあるんだな。
語尾を変化させずに複数を表現できるのは日本語といっしょだ。何人か知らないが3人以上「こどもたち」がいると mga bata、このへんの呼吸も日本語に近いし、ぼくには日ごろ複数とは3以上だという感覚があるから、先祖は南方系かもしれず、ぐっと親近感を覚える。
ほかにもおもしろい点はいくつもあり、一例を挙げれば、 m で始まる動詞の過去形は、 m を n に替えて、 magbayad(支払う) なら nagbayad にするらしい。う~む、語尾ではなく語頭を変化させるのか。
なんとなく勉強してみたい気もするが、そんな時間の余裕はないし、頭の退化した酔っ払いにはムリだろうな。それにこの辞書だけでは不足だから、まともな文法書も必要。
……と、マリア先生には申し訳ないけれど、ごめんねといいながら辞書をふたたび本棚に戻したのであった(笑)。
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