October 30, 2008
October 28, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-28 キナシベツ湿原木道 2008
JR直別駅のすぐ近くにキナシベツ湿原の木道があることは今年5月の記事でご紹介したが、留真温泉に入りそこねたぼくは、そのまま釧路に戻るのもシャクなので、久しぶりに直別に立ち寄ることにした。
学生ボランティアのみなさんが2年ごとに集まって、少しずつ木道の延長工事をしているらしいのだが、今年の夏も作業が行われたことを新聞記事で知り、気になっていたのである。
おお、あそこからだ!
留真温泉では手ひどい失望を味わったが、こちらは期待を裏切らなかった。
ここの木道は素朴さに味があり、実にいい感じだ。
写真の左手は木々を隔ててすぐ国道38号線だから、車がひっきりなしに走っている。
世にもふしぎな空間である。
2008年の工事はここまで。ぼくの歩測によると、今年延長されたのは約50メートルほどである。
予算がふんだんにあるのなら、木道の1キロや2キロわけはないのだろうが、限られた期間に素人がコツコツ作業するのだから、貴重な50メートルといっていい。
ボランティアのみなさまの努力の成果、また来年の春にはありがたく利用させていただこうと思う。
ただ残念なのは、2年間で50メートルの割合だとすれば、ぼくがこの木道の完成を確かめうる可能性は限りなくゼロに近いことだ(笑)。
October 27, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-27 晩秋の十勝を走る (6)
10月18日 (4)
留真(るしん)温泉という地名は、ずいぶん以前からあちこちで小さな看板をみかけたのでぼくも知っていた。地図で調べると浦幌の山奥にあり、有名な道東スーパー林道の入口でもある。
めったにないチャンスなので、池田町から釧路へ帰る途中で紅葉見物をかねて行ってみるつもりだった。ぼくは温泉マニアではないが、ついでにひとっ風呂浴びるのもたまには悪くない。
池田町からは道道236号線(勇足池田線)を東台まで行き、そこからは道道947号線(東台留真線)をひた走れば終点が留真である。
道道947号線の途中には一部未舗装区間もあるけれど、ほとんどは舗装されているから、秋の林の景色を楽しみながら快適に走ることができる。
やがて道道56号線(本別浦幌線)に突きあたり、947号線はいったん途切れるが、ほんの2キロばかり浦幌方面に向かって南下すると、温泉へ向かう分かれ道としてふたたび左手に現れる。
山あいの道を走る途中で「留真温泉郷」という大きな案内板をみかけた。
糠平湖もそうだったけれど、今年はまだ時期が早いのだろうか、紅葉はやや期待はずれだった。
やがて「←留真温泉」という案内板があり、左手に小さな橋が現れた。これを渡れば温泉があるはずだ。
しかし……それらしい建物がないのである。
駐車場らしい広場の近くには、くたびれた小屋やあずまや、そして(たしか)大津漁協のカマボコ型倉庫らしき建物があるばかりで、肝腎の温泉はどこにもみあたらない。
カーナビを確認すると、車はまさに留真温泉のマークの真上にあるし、どうもおかしい。スーパー林道の入口も含め、あたりを散々歩き回ったけれど、やはり温泉施設は影もかたちもないのである。
はてな?
温泉はともかく、せっかくここまで来たのだから、留真散策の森という案内板にしたがって歩いてみようかとも考えたが、クマの心配をしながら(笑)しんとした山の中をひとりで歩くのは怖いので断念。
勇敢な乗用車が2台ほどスーパー林道に突入していくのをみかけたので、ぼくもフラフラとあとを追いかけたくなったが、この林道は恐ろしく長距離だし、ネット情報によると道路の状態に不安もある。途中で引き返すはめになってはシャクだから、それもあきらめた。
せっかくカバンに手ぬぐいを忍ばせておきながら温泉には入れず、どうにも間の抜けた話である。
帰宅後ネット検索して調べたところ、あるサイトに目を疑うような情報が記載されていた。
それによれば、この温泉は2005年の秋から営業を休止し、2008年の春には温泉旅館施設と露天風呂の取り壊しをおこなう予定(2007年10月現在。この時点では、まだ露天風呂には入浴できたらしい)だというのである。
それなら留真温泉は閉鎖したという看板を立ててくれればいいものを……(>浦幌町役場のみなさま)。
というわけでこのたびの十勝レポートは実に冴えない結末を迎えたが、次回は番外編として直別駅前のキナシベツ湿原木道について最新情報をお届けしたい。
October 26, 2008
October 25, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-25 晩秋の十勝を走る (5)
10月18日 (3)
JR根室本線利別(としべつ)駅。
幕別駅と池田駅との間に位置し、行政的には池田町に属する。池田駅は何度も立ち寄っているが、ここは初めて。
駅の周辺の集落はかなりの規模があり、けっしてさびしい場所ではない。駅舎もそれなりに大きいので、かなりにぎわった時期もあったのだろう。
無人駅と化したいま使われているのは待合室のみ。
最近ではめずらしく室内におかれている灰皿が目をひいた。
観光客の訪れるような土地ではないから、軽食喫茶を開店しても商売になりそうになく、事務所部分は空のままである。
ローカル駅のホーム風景は、どこも似たり寄ったりという感じがしないでもないけれど、だからといって記録しておかなければあとで後悔するだろう。
ありふれた風景はありふれているがゆえに人の興味を惹かず、その多くがまともに記録されぬままいつのまにか姿を変えてしまうからだ。
写真上が帯広方面、下は池田・釧路方面である。
ホームの向こうには、どこまでも十勝平野が広がっている。
さてこの日最後に訪れたのは池田駅。ここは特急停車駅である。
リッチなワインの町だけあって、駅舎もなかなか立派だし、すぐ近くには独立した大きなトイレと広い駐車場もある(ひさしぶりに利用したところ、いつのまにかトイレットペーパーがすべて取り外されていた)。
待合室には Kiosk もある。
いまでこそワインが有名だけれど、池田町の古くからの名物は、駅前にある米倉屋というお菓子屋さんのバナナ饅頭。
この写真ではさすがに判別できないが、Kiosk でも買える。
特別うまい菓子とはいえないかもしれないが、こどもの頃はおみやげにこの饅頭をもらうのが楽しみだった(しまった! ひとつ買って写真を撮ればよかった)。
上の駅舎の写真にはワインの樽も写っているが、目をひくのがこのオブジェである。
おはずかしい話だが、このオブジェ、何度も目にしているのに、この日までコルク抜きとワインのビンだとは気づかなかった。まさかそんなものを駅前におっ立てるとは思わなかったからである(笑)。
この駅はホームを撮りにくいから別の機会を待つことにして、金属性のワインのビンを利用して記念にセルフ・ポートレイト……ゆがんでいるところに味があるかもしれない。
次回はこのシリーズ最終回である。
Daily Oregraph: 2008-10-25 晩秋の十勝を走る (4)
冬のあとには春が来る……柏林台駅を見たあとで西帯広駅を訪れたぼくは、つくづくそう思った。
いや、駅舎そのものはごくありふれた建物なのだが、落ち着いた住宅街に囲まれた環境が、訪れたものをホッとさせるのである。
柏林台駅周辺のやや殺伐とした景色とは異なり、この一帯にはおだやかさが漂っているのだ。
どこの無人駅もそうであるように、内部はがらんとしているけれど、大きなガラス戸があるせいか、ちょっと一般の住宅めいている。
カーペットを敷いてコタツでも置けば、ごろりと横になって昼寝をしたくなるような気分になるかもしれない。
駅舎がコンパクトなわりにホームは広い。
写真は十勝清水・滝川方面。
こちらが釧路方面である。
なんとなく雰囲気を感じ取っていただけるだろうか。
釧路方面から見て、帯広-柏林台-西帯広という順だから便利もそう悪くないし、引退後静かに暮らすにはいい土地だという印象を受けた。
……といっても、もちろんぼくにはそんな資力はないし(笑)、海から離れたくもないけれど、大都会に疲れたあなたの老後にはおすすめ。
October 23, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-23 晩秋の十勝を走る (3)
JR根室本線柏林台駅。
この駅の前を何度か通りかかり、そのたびに風変わりな建物だなと思ってはいた。
一見大きな駅のようだが、実はそうではなかった。
はてな、この感じはなんとなく新富士駅に似ているようだ……と考えながらシャッターを切ろうとしたら、背後から
-あ、写真撮ってるよ。
声の主は女子高生二人組のひとりであった。
あのね、こんな無粋な駅を撮影するからには、たしかにあやしいおじさんにちがいないけれど、幼稚園のこどもじゃあるまいし、声に出していうことはない。腹の中で「なに、このヘンなおやじ」と思っていればよろしい(笑)。たしなみを忘れちゃいけないよ。
釧路方面も滝川方面も寸分たがわぬつまらなさで、無味乾燥もここまで徹底すれば立派なものだ。
まもなく例の二人組がこの人間とはまるで相性の悪いホームへやってきて、ペチャクチャおしゃべりをはじめたところは、ふしぎな光景だった。
写真を撮り終えたおじさんは、もう冬が来たかのような殺風景なホームをさっさとあとにしたのであった。
October 22, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-22
お気づきだろうか?
10月1日の記事からのフォントサイズを、普通から大に変更してみた。過去の記事も少しずつサイズを変更していく予定だ。
ぼく自身だんだん細かい活字を読むのが苦痛になってきたこともあるし(笑)、高齢化社会への配慮のつもりである。
これはぼくが持っている辞書のうち、もっとも活字の細かいもの。
どれだけ細かいかというと、まだ若かった頃でも、虫メガネのお世話にならなければ満足に読めなかったくらい。
虫メガネだけでは足りず、どの行を読んでいるのかすぐにわからなくなるから、定規を併用しなくてはいけないのである。これでは本離れもあたりまえだろう。
パソコンのディスプレイには一覧性の乏しさという大欠点はあるけれど、フォントサイズを自由に選択できるのは強みだと思う。
しかしパソコン上でいちいちフォントサイズを変更するのも面倒な話なので、おじさん(あなたですよ、そこのあなた)向けにフォントサイズを変えた次第である。
October 21, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-21 晩秋の十勝を走る (2)
10月17日 (2)
食後のたのしみは、うたたねの枕の上にきわまり……このところ眠くてしかたがない。食欲の秋だの読書の秋だのといわれるけれど、せっかく夜が長いのだからぐっすり眠るのが自然というものだろう。
昨夜に引きつづき今夜も早く寝るつごうがあるから、第2回はあっさりと。
然別湖を訪れるのはたぶんこれが初めてだろうと思う。少なくともぼくの記憶にはない。
温泉街はごくこじんまりとしたもので、スケールはざっと阿寒湖畔の5分の1くらいであろうか。
まもなく遊覧船が出るというアナウンスが拡声器から流れてきた。観光客のものらしい車はそこそこ停まっていたが、この日はそう繁盛しているようには見えなかった。
いくら通りすがりとはいえ一円も落とさないのは気がひけるから、缶コーヒーを一本買って車に戻り、糠平湖へ向かう。
然別から糠平へ至る道路は、林道をそのまま舗装したような狭い道で、くねくね曲がりくねっている。
林道にしては交通量があり、途中対向車とすれちがうたびにヒヤヒヤさせられた。何度か車を停めて湖の写真を撮ろうとしたが、適当な場所がないまま走っているうちに糠平湖へ到着。
紅葉はやや期待はずれであった。今年は湖の水位が低いと聞いていたけれど、岸辺を見るとたしかにそうらしかった。
糠平温泉には一度だけ来たことがある。会社で慰安旅行などという行事をやっていた時分だから、もうずいぶん昔の話である。
まだ若い頃だったから、大人数の宴会が苦手だったし、社長のへたくそな浪花節(笑)を聞かされるのが苦痛だったことを思い出した。しかし故人が大広間でうなった破調の森の石松、ちょっとなつかしくないわけでもない。
今のぼくだったら、たぶん盛大な拍手を贈っただろうな……乾燥した秋の木の葉が立てるサラサラという音を聞きながら、そんなことを思った。
湖畔のベンチでは、年輩のご夫婦が弁当を使っていた。いいね、最高のぜいたくだ。
朝の5時にパンを一切れ食べて家を出たぼくも、さすがに空腹を覚え、近くの小さなレストランで昼食を取ろうとしたのだが、あいにく爺さん婆さんの団体客でふさがっていた。
そこで昼食後タウシュベツ橋梁を見物しようという計画を断念し、空き腹をかかえて士幌町の道の駅にたどり着いてフォカッチャ・セットにありついたのは結局午後1時過ぎであった。
帯広は何度も来ているが、一泊するのはこの日が初めてである。
カネガフルを枕詞にする十勝の中心をなす消費都市だけあって、人口こそ釧路より少ないものの、中心街のにぎわいや商店街の洗練度において、帯広は明らかに釧路を凌駕している。その点は率直に認めざるをえないだろう。
……てなことを書いているうちに、おや、もう9時になってしまった。
So, good night unto you all.
October 19, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-19 晩秋の十勝を走る (1)
早朝に出発したので、時間の余裕はたっぷりある。
当然駅めぐりだな……というわけでやってきたのが、JR根室本線羽帯(はおび)駅。
この時間はまだ曇っていたせいもあり、一日のスタートにはふさわしからぬわびしい景色に、たいして遠くに来たわけではないけれど、旅愁めいたものを覚えるのであった。
この駅はホームにコンパクトでこぎれいな待合室があるだけ、稲士別駅よりはマシだと思う。
しかしホテルに備えつけの無料「道内ポケット時刻表」には、稲士別だけではなく羽帯も駅名が記載されていない。ついでにいえば、上厚内や古瀬も無視されている。
紙面の制約もあるのだろうが、これら超ローカルな駅を利用するビジネス客や観光客などいるはずがないということか。
こうした不遇な駅を見ると、ハラハラ涙が落ちてくるというのはおおげさだけれど(笑)、いつまで生き残れるのだろうかと、同情が湧いてくることは確かである。
写真上は帯広・釧路方面、下が十勝清水・滝川方面。
狭い待合室はほとんど方丈記の世界。掃除がゆきとどいて、こざっぱりした感じがする。
ここで一日数本しか停まらぬ列車を待ちながら、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし……とかなんとか考えるのもまた趣深くはあろうが、そんなまねをしているようでは一生日本銀行券との縁は薄いだろうな。
いかん、いかん。せっかく天から金が降ると歌われる、わが国有数の豊かな農業地帯を訪れたというのに、朝っぱらからそんな貧乏くさいことを考えていては。
頭の中から不景気な鴨長明を追い払ってやってきたのがJR十勝清水駅。
今日はこの町にある製糖工場を見学させていただくのだが、まだ時間がたっぷりあるので立ち寄ってみた。
さすがに駅舎内は堂々たる構えである。
しかしここならあるだろうと予想した Kiosk がないのは意外であった。
もちろん駅ソバもなく、もしあればこの朝は出発が早かったから一杯食べたいところだったのだが……
ホームをのぞいて見ると、ちょうど6時32分釧路発の特急スーパーおおぞら2号が到着するところだった。
すべての特急がここで停車するわけではないにしても、駅としての格が高いことはまちがいない。
ここには大きな製糖工場がふたつあり、この日はそのうちのひとつを訪問した。
今年この工場では近隣5町村のビート(甜菜または砂糖大根)約40万トン強を処理し、約6万3千トンの砂糖を生産するという。今年は豊作だそうな。
工場でいただいた資料によれば、国内でビートを生産するのは北海道に限られ、そのビートから生産される砂糖は日本の砂糖の8割を占めているとのこと。
今はちょうどビートの収穫期にあたり、工場は原料の受け入れ・製糖と、一年でもっとも忙しい時期を迎えたばかりなのである。
ビートはアカザ科の植物で、みかけは大根というよりも大きなイモといった感じである。
ビートをきれいに洗って機械で千切りにしたところは、水でもどした切り干し大根に似ている。
それを直接絞るのではなく、温水に漬けて糖分を抽出させた滲出汁から不純物を除去したものを濃縮して砂糖の結晶を取り出すというのが、製糖工程のおおまかな流れである。
糖分を抜かれたビートのかすは、工場内で別に加工されて、飼料用のビートパルプペレットとして出荷される。余すところなく利用されるわけだ。
広大な十勝平野のあちこちでみかけたこの畑の作物がたぶんビートじゃないかと思う(もしちがったらご指摘いただければ幸いである)。
曇り空はいつの間にかからっと晴れて、畑のあざやかな緑が目にしみた。
工場見学を終え、夕方までは自由時間というめったにない幸運に恵まれたので、このあと十勝管内を勝手に視察(?)。たいして写真は撮らなかったけれど、次回ご報告したい。
October 17, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-17
詳細は省略して、昼食はなぜか士幌町の道の駅のレストランにてフォカッチャ・セットなるシャレたものを注文。
ラーメンかカレーライスにでもしておけばいいものを、似合わないのは承知の上だが(笑)、まあ一年にいっぺんくらいはね。
士幌牛のローストビーフはちょいと固めだったけれど、ケチケチせずに分厚く切ってあったし、味はよかったから文句はいうまい。
熱々のフォカッチャもなかなか。ビールはもちろんだが、ワインにも合うと思う。こいつをおごるから、だれか運転してくれないだろうか。
みかけによらずボリュームがあるせいか、こちらが歳を取ったせいか、腹一杯になった。お値段分の値打ちはあるからおすすめにしておこう。
また3千数百円出せば士幌牛のステーキ・セットが味わえる。ぼくが運転するから、だれかおごってくれないだろうか?
なおこのたびの金融恐慌をものともせず、大胆にも設備投資(?)したおかげで、出張先からもブログの更新ができるようになった。メールにも返信できるから、取材の依頼があればごく低予算でお引き受けしたい(笑)。
October 15, 2008
October 14, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-14
う~む、なんとも素朴なデスクとベンチだなあ。これはこれでけっして悪くないと思うよ。
夏の暑いときなど、ここで缶ビールでも飲みながらだべると楽しいかもしれない。
え? ダメ? やっぱりね(笑)。
乗船中は時間が足りないから、どうしても応急処置になってしまう。歯はね、ちゃんと休暇中に治しておけよな。
-Hさん、その後あなたの歯はどう?
そう先生に聞かれてドキリとした。ぼくも人のことをいう資格はなく、最近歯の隙間が拡がりぎみで、たべものが間にはさまるのである。
-ええ、おかげさまで大丈夫です。
ニッコリ笑いながらウソをついてしまった。
October 12, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-12 尻羽岬晩秋
先客は帯広ナンバーの乗用車がたった一台だけ。
そんなものだろうな、と思う。いくら宣伝したって、ここには観光客向けの設備は、古ぼけたトイレ以外なんにもないのだから。
しかしその青い車もぼくたちが到着するとすぐに走り去り、例によって尻羽岬をひとりじめとあいなった。なんというゼイタクだろうか。
岬の先端まではふつうに歩いて約15分。ゆっくり歩いても20分まではかからないから、散歩にはちょうどよいコースである。
よけいなものが一切ないすがすがしさを満喫しながら歩く。
カメラを構えると、体ごとグラグラ揺れるくらい風が強い。
ササがザワザワと音を立てる中、野原の路をゆく。
もちろん花の時期はとっくに過ぎているけれど、ヤマハハコの白い花だけは、じっと強風に耐えながら咲いていた。
いつのまにか案内板が立っていた。
7月のはじめにここを訪れたときにはなかったから、つい最近設置されたのだろう。
なおこの案内板から岬の先端までは、まだだいぶ距離がある。
突端にこんな案内板を立てると景色ぶちこわしだから、この位置を選んだのは釧路町の見識を示したものだと思う。
来るたびに同じような写真を撮っているが、やはりここに立てばどうしてもシャッターを切らずにはいられない。
こんなに天気がいいのに大黒島は少し霞んで見える。
写真はコントラストを調整しているが、肉眼ではもっとボンヤリ見えるのである。
ついシャッターを切りたくなるといえば、帆かけ岩の鳥居もそうだ。
風が強いからカメラを持つ手が定まらない。
せっかくだから、ブレるのを承知で、岬の先端から大黒島のパノラマ写真(3686×699ピクセル。410KB)を撮ってみた。
ここには島の両端を掲載したが、写真左に見えるわずかの砂浜に小屋が数軒あり、写真右には崖の上に灯台らしきものがあるだけ。
小島とはちがって、人間を容易に寄せつけぬ島であることがわかる。
さて次にここを訪れるのはいつになるだろうか?
尻羽岬と岬から眺める大黒島の雪景色を撮りたいものだが、時期を選ぶのがむずかしそうだ。雪が深くなれば去来牛(サルキウシ)から先は通行できないだろうからだ。
October 11, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-11
夜来風雨の声というほど吹いたという記憶はないのだが、酔っ払っていたから(笑)気がつかなかったのかもしれない。一夜にして道路脇には大量の落ち葉がたまっていた。
ごらんなさい、秋ももうじき終わりですよ、とおねえさんがやさしい声で知らせてくれるのならともかく、いきなり証拠を突きつけて恐れ入ったかといわんばかり、ずいぶんぶっきらぼうで愛想のない景色だ。
まるで自分の体の中にまで冷たい風が吹き込んでくるような気分がして、毎年のことながらドキリとするのである。
そういえばそろそろ行っておきたいところがある。
尻羽岬はどうなっただろうか。庶路ダムの紅葉は下旬が見頃かな。
October 09, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-09
株価暴落にあわてふためく投資家……ではなく、春採湖のコイ(フナ?)がアップアップ。
昨夜はブログをさぼって、ヴィンセント・オサリヴァンの『ルーパート・オレンジの取引』という短編を読んでいるうちに、ふと先日テレビで見た銭ゲバ、いや例のリーマン社会長の顔を連想したのであった。
裕福な環境にあったオレンジ君は、ひょんなことから貧乏のどん底へ転落する。服はボロボロ、部屋代にも事欠き、釧路ガス(?)にはガスの供給を止められるというありさま。
そこへ現れたのが悪魔である。「取引」とは悪魔との取引をいうのだが、こいつはなかなかの雄弁家で、オレンジ君に向かって放つセリフには、う~む、ごもっともと思わせる迫力がある。
まずい翻訳はご勘弁願うとして、ここでその一部をご紹介しよう。
富だよ! この世で求めるに値するは富
のみ!
いやはや、いかにもリーマン会長やホリエモンのいいそうなセリフではないか(彼らが悪魔だとまでいうつもりはないけれど……)
このホテルにいわゆる天才が着いたとし
ようか。そこへ時を同じくして百万長者が
やってきたとしたらどうだ。厚遇されるのは
百万長者のほうにきまっている。世界中を
旅する金持はどこへ行っても一目置かれ
る。どうしてか? 金がものをいうからさ。
19世紀の世の中で人の尊敬を得ようとす
ればそれにかぎる……金で買うのだ!
もちろんこの議論には抜け落ちたところがある。尊敬といったって、別に人間自体が尊敬されているわけではなく、ホテルの従業員は金の威力に表面上ひれ伏しているだけなのだから。それにしても、19世紀も21世紀もたいしてちがいはないね。
毎年のように売り買いされる美術品を手
に入れるのはだれだ? そいつをあがめる
貧乏書生かね? とんでもない。一番いい
値をつけて、代金をポンと支払う金持に売
られていくのさ。
この部分に異論はない(笑)。無趣味の親玉のようにいわれている貧乏人のぼくだって、マチスの絵を一枚欲しいと思わないでもないからだ。
シェイクスピアや、わがエマソンなみの頭
脳をもつ貧乏人が、金持女の乗った馬車に
泥水を引っかけられたとしようか。貧乏人が
抗議したって、巡査にシッシッと追い払われ
るのが関の山ではないか!
たしかに一面の真実を突いている。サギまがいの儲け話をぼくにもちかけるなら、これくらいの表現力は必要だな(笑)。
しかし悪魔と取引したらどうなるのか? 結末を知りたい方のために書き添えておくと、たしかこの作品には邦訳があり、創元社文庫ではなかったかと記憶している(納戸を探したけれど、みつからなくて確認できなかった)。
残念ながら入手したテキストにはミスタイプが多いため意味の通りにくい部分なきにしもあらず、あまり上等ではないけれど、ぼくが気のついたところだけ訂正したものがあるから、メールをいただければ、興味のある方にはご提供したい。
October 07, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-07
やれ株価が大暴落したの、世界恐慌だのと大騒ぎだけれど、こちとらもともと経済やら金融の知識はゼロだし、株なんてしゃれたものは持ち合わせがないから、さっぱり実感が湧いてこない。
欲の皮の突っぱったオヤジがタヌキからもらった金が一夜明けて木の葉にもどったという話にはだれも同情しないだろうし、投資家が損をするのは自業自得としても、たしかに不景気になれば善良なる貧乏人や金も力もない色男が大迷惑をこうむるだろう。
そうはいっても、いまさらジタバタしたってどうにもならない以上、突き出たおなかをさすりながら焼酎をぐいぐい呑みつつ、小皿たたいてチャンチキおけさを口ずさむのが、まっとうな庶民の取るべき道だと思う。少なくとも秋葉原でナイフを振り回すよりははるかにマシである。
おめえももっとノンキに生きろよ、というタヌキの忠告に従って、今日は代休をいただいて家に引きこもり、朝から浮世離れしたイギリス伝統の幽霊譚に読みふけっていた。
北海道の片隅にいても、今やウェブ上でテキストはいくらでもタダで手に入り、実にありがたい世の中だ。タダであるがゆえに bill を hill とするようなミスタイプも散見されるけれど、木の葉の金よりはたしかな値打があるのだから、文句をいってはバチがあたる。
金をかけずにぜいたくな時間を過ごす……大不況を目前にして、いよいよおれの時代が到来したようだ(笑)。
(写真は竹老園のタヌキ。2008年10月5日撮影)
October 06, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-06 北海道四分の一周 (14)
磯分内には雪印乳業の工場があるから、もっと立派な駅があってもよさそうだけれど、このへんでは自家用車なしの生活など考えられず、駅を利用するのはせいぜいお年寄りか高校生くらいのものだろう。
白塗りの駅舎は、庭でおとなしく留守番をしているポチのように見えた(よくごらんなさい。そう見えてくるから(笑))。
ローカル無人駅のさびしさにはもうなれっこになっているとはいえ、この寒々しい待合室で列車を待つ気分はどんなだろう、とあらためて想像してみた。
軽食喫茶の経営が成り立つ程度には観光客の訪れる藻琴駅や北浜駅、そして止別駅を思えば、ここはいかにも不遇の駅である。
なんだ、つまらない写真じゃねえか、などとおっしゃらないでいただきたい。
どうせたいした腕前もないくせに、人をあっといわせるような芸術写真を撮ろうなどと思ってはいけない(笑)、分をわきまえて、あくまでもクールに記録する心がけが大切、と自分にいい聞かせているからだ。
上が網走方面。下が釧路方面。
木の柱のペンキが剥げかかっているところをみると、この駅舎、新しそうに見えるけれど案外古く、外壁の化粧直しをしたのかもしれない。
今回の取材では最後の駅となったせいかわびしさもひとしお、このあと釧路へ戻るまでは、ほとんど無言で車を走らせたのであった。
ここでちょっとこのたびの取材旅行の反省をしてみよう。
一日の走行距離は意識的に抑えたつもりだが、車の旅の宿命とはいえ、結局ただ走るだけの時間が多くなってしまい、やはり欲ばりすぎであった。
もちろん自由になる時間や資金との相談になるけれど、移動距離はせめて一日200キロ以内にはおさめたい。もっと寄り道を楽しみたいからである。
もっともそんな調子では、いつになったら稚内までたどり着けるのか見当もつかないが……(笑)
(2008年9月6日 撮影)
October 04, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-04 北海道四分の一周 (13)
止別とは、いかにも大地ここに尽きるといわんばかり、薄氷堂がバッタリ倒れて人生に終止符を打つにふさわしい地名である。
しかしあたりには小さい集落もあり、けっして絶望感に打ちひしがれるような土地ではない。
駅舎にはやはり軽食喫茶店(ここではラーメン喫茶と称している)が同居しており、屋根の上のペガサスが異彩を放っている。
名刺をベタベタ貼り付けた北浜駅の駅舎を見たあとだけに、ちょっと心配しながら中へ入ると、ごらんのとおり、スッキリしていたので一安心。
自分の足跡を残したいという気持はわからないでもないが、壁に名刺を貼りつけるのは美観を損ねるのでいただけない。いわゆる駅ノートのほうがずっとスマートだと思う。
待合室には昔なつかしいストーブが据えられていたけれど、煙突がはずされていたから飾りものかもしれない。
喫茶店入口前のメニューを見ると、ラーメン・ソバ・ウドンの値段が新しく貼り替えられていた。最近の物価高騰の波は、ついに北海道の止別にまで及んだらしい。
ホームからの眺めも記録しておこう。
上は網走方面、下が釧路方面である。
すぐ近くの小清水海岸は、残念ながらここからは見えない。いつかこのあたりの海岸をゆっくり歩いて、オホーツク海をながめることにしよう。
ちょうど昼時だったから、ラーメン喫茶「えきばしゃ」に入ることにした。その名のとおり、店内はラーメン屋風六割、喫茶店風四割といった感じである。
先客はカップル一組とバイク乗りの青年ひとり。
運ばれてきたラーメンには麩が浮かんでいた。麩入りのラーメンにお目にかかるのは、広尾町の大衆食堂以来である。
おや、と思ったのは麺だ。ほとんど縮れのない太麺は札幌ラーメンともちがうし、もちろん釧路の縮れた細麺とはまったくちがう。全体として味はけっして悪くないのだが、釧路人ならこの麺にいささか違和感を覚えるかもしれない。
そういえば網走方面でラーメンを食べるのはこれがはじめてだから、このあたりではこういう麺が一般的なのか、それともこのお店独特の麺なのかはわからない。
網走管内ラーメン店の調査が必要だな。取材費を貯めねばなるまい(笑)。
すっかり脱線してしまったが、このたびの釧網本線駅めぐりも次回はいよいよ最終回。磯分内駅をご紹介したい。
(2008年9月6日 撮影)
October 03, 2008
Daily Oregraph: 2008-10-03 北海道四分の一周 (12)
北浜駅の次は原生花園駅だが、そこはパスして浜小清水駅をめざした。
ところがあるのは道の駅。最初は首をひねったけれど、よく見ればここは道の駅とJR浜小清水駅が同居しているのであった。
そういえば本別駅も道の駅といっしょだったが、あそこは廃線になってしまったから、現役の鉄道駅と道の駅とが同じ建物というのはめずらしいのではないだろうか。
ごらんのとおり、内部はみやげものを並べたごくふつうの道の駅である。
たしかにこぎれいだけれど、木造駅舎を見たあとでは、味も素っ気もない造りに思えてならない。
なつかしいハエ取りリボンがぶら下がっていなければ(笑)赤点をつけたいところだ。
ホームへ出てみると、ごくふつうのローカル駅である。
しかしどうもここはおもしろみに欠ける。景色がのっぺりしているのだ。
無趣味といってもいい。もう一度訪れようという気にはとてもなれないね。
-そんなら、どうしてこの駅の記事を取り上げるのだ?
まあ、お待ちなさい。この駅は逆転ホームランを放って、ぼくをアッといわせたのだから。
道路を走行中のDMVは釧路でもみかけたが、こいつは線路の上も走れるというJR北海道ご自慢の乗り物である。
おもしろいアイディアだとは思うが、実際には車社会の北海道ではあまり役に立たず、いつか忘れ去られてしまうだろうというのが、ぼくの予言である。JR北海道だって、まさかムダな投資をしてDMVを量産などしまいと思う。
だからDMVが逆転ホームランなのではない。
その意外性、そのバカバカしさ……いや、やるもんだなあ。
見ればごくふつうのコンパクトな饅頭である。浜小清水饅頭ともオホーツク饅頭とも、なんとでも名づけられようものを「DMVまんじゅう」とはあっぱれ。
この饅頭の前では、肝腎のDMVも影が薄く、ぼくはよほどおみやげに買おうかと思ったけれど(笑)、冷静に考えればちとお値段が高すぎる。そうさね、せいぜい600円がいいところかな。






























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