歩道橋を渡って
職場のある西港からは歩道橋を渡って新富士駅まで行くことができる。車だと遠回りになるが、このコースだと線路をひとまたぎ、案外近いのだ。
だがいくら近いとはいっても、用事のない場所には足は向かず、新富士駅などもう長いこと目にしていない。だれに頼まれたわけでもないが(笑)、駅舎シリーズをスタートしたからには行かねばならぬ。
というわけでやってきたのだが……どうも妙だ。
手前にある連絡橋(というのか?)の入口には「新富士駅」と記されているけれど、左手に「新富士駅→ 入口」という看板が立っている。
矢印の方向に駅舎があるのかと思い、確かめてみると、そんなものはどこにもないのである。ぼくのあいまいな記憶によれば、昔は木造の駅舎があったはずだ。
まさかこの連絡橋が新富士駅とは?
連絡橋を渡るとすぐホーム。なんと新富士駅は連絡橋とプラットホームだけという、あまりにもシンプルな駅なのであった。駅舎がないのである。長生きすればいろんな経験をするものだが、まったくなんという変わりようだろうか。
なあんだ、ちっぽけな駅じゃないかとお思いになるかもしれないが、実は新富士駅は意外に規模の大きい貨物ターミナル駅なのである。上の写真にも貨物専用の機関車と、その左手にコンテナが見える。
車社会の釧路市内だから利用する乗客は極端に少なく、駅舎の廃止も合理化のためにはやむをえなかったのだろう。
せっかく歩道橋があるのだから、たまには鉄ちゃんのまねごとをしてみた。
左はディーゼル版のデゴイチ(?)。右はたまたま通過した普通列車である。どちらも大楽毛方面、つまり西の方向にレンズを向けたもの。
もうひとつの新富士駅
そのまま帰ろうかとも思ったのだが、待てよ、これほどの貨物駅に駅舎も事務所もないのは不自然だ。大量のコンテナを捌くためには、きっとオフィスが必要だろう。
そこでもう一度駅前に出て、東へ向かって少し歩くと……あった。もうひとつの駅、つまり日本貨物鉄道株式会社の新富士駅である。
目的を達成することができたのはよかったけれど、駅の写真ばかりでは味気ない。
しかしあたりを見回すにつけ、新富士付近はなんともおもしろみのない場所だと思った。愛想というものがまったくないのである。
やっとみつけたのが、ぼく好みの(笑)倉庫。うしろに見えるのは日本製紙火力発電所の煙突である。
最後に西港側から撮った新富士駅の全景をごらんいただきたい。
ちょっと見にくいが、連絡橋の右手、ホームの上には雨風をしのげる待合所がある。乗客への配慮を忘れているわけではないから、新富士駅の名誉のために付け加えておきたい。
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