Daily Oregraph: 2007-09-02 あやめヶ原
あやめヶ原は名前の示すとおりヒオウギアヤメの一大群生地として有名だが、アヤメの時期をすぎても数多くの草花を鑑賞できる原生花園である。
実はそのことを知って、何年も前にここに来たのだが、駐車場の売店のスピーカーから大音量で流れる演歌に閉口し、ろくに見物もしないで退散したおぼえがある。
ついでにいわせていただくと、愛の鐘なる代物ができて以来、ぼくは愛冠岬にも足を運んでいない。観光客を呼ぶ秘策のつもりなのだろうが、かえって気分ぶちこわし、こちらまではずかしくていたたまれない気持になる。
自然を楽しむ場所では余計なことをしないのがほんとうのサービスだということに気づいてほしいものだ。
この日はぼくたちが一番乗りで、まだ売店も開いていなかった。シーズンオフのせいもあってか、帰るときも売店が沈黙を守っていたのはなによりであった。
さて釧路の方なら先刻ご承知だろうが、ご存じない読者のために、案内図を示しておこう。
景色はよし、植物も豊富、やかましい演歌さえ流れなければすばらしいところなのだから、どうかご安心いただきたい。
なお誤解のないよう申し添えておくと、演歌一般がわるいというのではない。ぼくだって酔っ払えば一節口ずさむこともあるからだ(笑)。たとえクラシックだって、われ鐘のような大音量で流されたら閉口するにきまっている。
海風に吹かれておとなしく草をはむ馬たちの姿をながめると、ほんとうにノンビリした気分になれる。これこそ上等のサービスといえるだろう。
岬へ至る道のところどころには、人と馬の平和共存をはかるため、木製のゲートがある。
通過するたびに開け閉めするのは、わずらわしいどころかおもしろくさえあり、これまた巧まざるサービスだと思う。
湯沸岬からの眺望ほど凄味はないけれど、北海道らしい広々とした景色を楽しめる。
この日目にした植物を少しだけご紹介したい。
写真左にはツリガネニンジンとミヤマアキノキリンソウが並んで見える。ミヤマアキノキリンソウの葉っぱの間からちらりと見える、紫がかったピンク色の花はエゾフウロで、ここだけでなく湯沸岬にもたくさん咲いていた。
写真右はミミコウモリ。これは春採湖畔でもみかける植物だが、ここでは群生しているのが目を引いた。
そして……このブログの読者には目にタコができるほど(笑)おなじみ、ナガボノシロワレモコウの群落である。
湯沸岬もそうだが、このあたりは海からの風が強い。どうしてこんなやせっぽちが群落まで作って風に吹かれたがるのか、まったく理解に苦しむ。
このほか場所によっては猛毒のエゾトリカブトも点在していたが、たぶんそこには馬は放さないのだろう。それとも馬にはトリカブトを見分ける能力があるのだろうか?
風が強いのは困りものだが、ここもまた植物観察には適した場所のひとつだと思う。ただし売店のスピーカーが心配の種。大勢の人が訪れるアヤメの時期が終わってから来るべきか。
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Comments
水煙管(キセルと呼ぶにはでか過ぎるような気もしますが)で・・・うははは
いやぁ、あの甘さには閉口しました。
変な画像が撮りたかったばっかりに、あんな目に遭うとは!
植物なのにコウモリとはこれ如何に?
伊豆の天城山には幻のと冠が付くイズカニコウモリという植物があるそうです。
コウモリも何故?ですが、更にミミだのカニだのが付くのも不思議です。
そう言えば、ああ勘違いの歌詞、私も長年「オイラ岬」だと思ってました。
向田邦子で有名な「夜中の薔薇」の他に、浦島太郎の「帰りてみれば怖い蟹~」とか、巨人の星の「重い~コンダ~ラ」など、結構あります。
Posted by: りら | September 05, 2007 at 15:39
>りらさん
あの写真を見てビックリしました。まったくばかでかいパイプですね。
> 植物なのにコウモリとはこれ如何に?
コウモリというのは、葉っぱのかたちから来ています。ミミは葉柄の基部が耳たぶみたいなので。
カニコウモリ(北海道にはないはず)の近い親戚で、図鑑を見ると花のつき方とミミのあるなしを除けば、よく似ています。
> 巨人の星の「重い~コンダ~ラ」など、結構あります。
浦島太郎の「こはいかに」はよくわかりますが、重い「コンダ~ラ」とははじめて聞きました(笑)。
Posted by: 薄氷堂 | September 05, 2007 at 21:11