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May 24, 2005

『雑草博士入門』

『たのしい自然観察 雑草博士入門』
岩瀬徹・川名興 著(2001年 全国農村教育協会)

zassohakase
 一見こども向けの入門書のようだが、たいへん豊かな内容を誇り、年齢を問わず薦められる良書。

 みばえのする花だけを取り上げるのではなく、根から実まで、植物を全体としてとらえようとする姿勢には、一種の感動さえ覚える。

 特に植物の「芽ばえと親の形」に独立した項目を割り当てているところなど、日頃植物図鑑に不満を感じている人々は、思わず膝を打つにちがいない。

 植物は芽ばえ、成長して花を咲かせ、やがて実を結んで枯れる。そのいずれの時期の姿からも、ぼくたちは名前を知りたいと願っているのだが、植物図鑑はその期待になかなか応えてはくれないからである。

 本書のもうひとつの特徴は、写真を最大限に活用していること。写真入りの植物解説書などめずらしくもないようだが、見えるべきところがきちんと見える写真を用いた本には、めったにお目にかかれないものだ。

 むろん十分なサイズの写真を多用しようにも、書物には紙数の制約という大問題がある。まして数千にも及ぶ日本の植物が芽ばえてから枯れるまでの姿をすべて掲載した本など想像もつかない。本書にしてもわずか190頁足らずの、ささやかな書物にすぎないから、雑草博士「入門」と称しているのだろう。

 しかし紙が無理だとしても、ウェブなら可能性はある。この小さい入門書を読んだぼくは、将来ウェブ上に巨大な写真データベースが誕生する日を夢見ている。

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