July 29, 2021

Daily Oregraph: いやな感じ

 今日の最高気温は23.8度。曇り。ひさしぶりに25度を下回ったけれど……

210729_01
港には霧がかかり、湿度が高いからちょっとベタベタして、いやな感じである。

 さて東京のコロナ新規感染者は3千人突破とやら。オリンピックどころではあるまいと思うのだが、どうやら神を恐れぬスガーリン氏は意地でも続行するつもりらしい。

210729_02
 五輪後の惨状を想像するだけでも恐ろしい。たぶんこんな景色だろう。死屍累々、この山を前にして、金メダルの効果はどれほどありや?

| | Comments (0)

July 26, 2021

Daily Oregraph: 気温差は10度

 今日の最高気温は26.1度。晴れ。ちょっと暑いなあとは思ったけれど、先ほどチェックしたら京都は36.4度だそうな。気温の差は10度以上だから、快適さにおいては都人(みやこびと)の負け、東夷(あずまえびす)の勝ちである。どんなもんだい。

210726_01
 本日の船上セキュリティ・チェックポイント。いくら快適とはいっても、ぼくらは体を動かせば汗をかく。しかしこの連中は南国育ちゆえ涼しい顔をしていた。

 さて19世紀ど真ん中の小説トロラップ作『慈善院長』だが、登場人物の一人である大執事(主教補佐)グラントリ家の住み込み女性家庭教師の年収が30ポンドであることがわかった。これはなんとジェイン・エアと同額だから、まずは水準(25ポンド程度)以上といえよう。ついでにいえば同家の女中頭は年収60ポンドとあるから、一通りの教育ある女性が当時いかに冷遇されていたか、よくわかると思う。

 ヴィクトリア時代の貨幣価値については諸説あり、もともと単純な換算は不可能な上、当然時期によっても変化するわけだが、中には1ポンド=7~8万円という推定もある。いくら貧乏でも現代日本では年収140~160万円程度はあるだろうという前提をもとにしたものだろう。

 しかしこれは明らかにとんでもない過大評価だとぼくは考える。希望的に推定したくなる気持はよく理解できるが、事実には反すると思う。実際は「超低賃金」だったはずで、最低賃金制の存在する現代日本の感覚で考えるのはまちがいのもとだと思う。19世紀イギリスでは賃金の一般水準はきわめて低く、貧乏人は「まさか!」と思うほど貧乏だったにちがいない。

 なぜそんなことにこだわるかといえば、ちょっと想像すればわかるように、小説の読み方が根本的に変ってくるからである。エゲレスの歴史書をたくさん読めば詳しいことがわかりそうだけれど、なかなか実現はむずかしいから(まことに面目ない)、当面は小説中に登場する庶民の年収を拾ってメモしておこうと思う。

| | Comments (0)

July 23, 2021

Daily Oregraph: 祝東京五輪開会式

 本日の最高気温は24.1度。晴れ。

 東京オリンピック開会式……まさかと思ったら、ほんとうにやったんですね。すごい勇気ですね。おめでとうございます。日本人であることが恥ずかしくて情けないほどめでたいですよ。

210723_01
 そこのさびしそうなお爺さん、耳をふさがずにお聞きなさい。哀れな国民を巻き添えにして無謀な挑戦をしたあなたには、たぶん全世界からの賞賛の声が聞こえるでありましょう。

| | Comments (0)

July 18, 2021

Daily Oregraph: ハマナスの実

 本日の最高気温は28.7度。晴れ。夏らしい天気になった。

210718_01
  はまなすや今も沖には未來あり  中村草田男
  (注:「はまなす」が第3水準の漢字だったので平仮名を使用)

 いつの間にかハマナスの実がたくさん成っていた。手元の俳句歳時記(角川書店版)には「晩夏に果實は紅熟し、小兒などが採つて食ふ」とあるが、今どきハマナスの実を食おうとするのはよほどの物好きだろうと思う。小兒ではなく、爺婆であろう。

| | Comments (2)

July 17, 2021

Daily Oregraph: 25度の日

 本日の最高気温は25.3度。晴れ。今日も狂気のオリンピック中止のニュースはなし。だれも責任を取ろうとしない(たとえ取ろうとしても取り切れない)のは原発事故と同じだから、いま止めなければ大変なことになりかねないと予想するのだが。

210717_01
 17時過ぎに散歩したのだが、さすがにこの気温ともなると、帰宅後に汗が噴き出した。しかし京都が32.4度で大阪は33.4度だと聞けば、ざまあみろとは思わないけれど(笑)、釧路に住む幸せを感じないわけにはいかない。

 さて捕物帖の次は恐ろしく渋い小説、アントニー・トロロープ(Anthony Trollope 正しい発音はトロラップ)の中編小説『慈善院長(The Warden)』(1855年)に取りかかった。慈善院は養老院としたほうがわかりやすいかも知れない。

 正確な時期は忘れたが、昔々市内古書展の3冊500円で入手したうちの一冊。もう一作『バーチェスターの塔(Barchester Towers)』という長編も収録されている。古書独特の紙の匂いが漂い、黄色いシミも浮いているけれど、書き込みひとつない美本である。どんな方がお読みになったのか、いささか興味がある。

 めくってみると、最初の数十頁を読んだ覚えがある。だんだん思い出してみると、退屈するどころかストーリーは案外おもしろかったのに、途中で放り出してしまったのである。会社勤めをしていた頃はそういうことが多く、結果として本棚には読みかけの本がたくさん残ってしまった。

 自由になる時間が増えてからは、そうした本を一冊また一冊と片づけて来たつもりだけれど、悲しいことにもう昔の馬力は失われてしまった。眼が弱ったせいもあるが、学生時代のように一週間ぶっ通しで食事の時間以外は本を読みつづけるというような芸当はもうできない。スローペースもいいところである。しかも読み残した本はまだどっさり残っているのだ。

 愚痴をこぼしてもしょうがないからコツコツ読むつもりだが、短編探偵小説とはまるで性質もちがうし、(少し読んだかぎりでは)教会利権とそれに反対する正義派との対立や人間関係の軋轢がテーマらしいから、ブログのネタにするのはひどくむずかしい。う~む、どないしましょ。毎日散歩でもしながら考えるとしようか……

| | Comments (0)

July 14, 2021

Daily Oregraph: 京都通信員だより 祇園祭の季節

 本日の最高気温は19.8度。晴れ。適温である。

210710_kyoto
 さてここは四条通りに面した下京区月鉾町。月鉾を建てているところを、バスの窓から撮影したとのこと(7月10日撮影)。今年は山鉾巡行中止なので、鉾だけ見てもらおうというわけなのだろう。

 京都は本日30.7度だから温度差10.9度とは恐ろしや。たとえコロナ禍がおさまっていたとしても、「そうだ京都、行こう」なんぞと思うはずがない。ご免こうむります。暑さだけではなく、祭りの人出の多さを想像しただけで気が遠くなりそうである。

210714_01
 こちとら地味に草むしりである。コンチキチンではなくコンチクショウとつぶやきながら、ひたすら草をむしる。虫刺され対策として上下ともに一枚余計に着こんで作業したので、この気温でも汗がポタポタ落ちてくる。

 ごほうびは昼間の缶ビール……これが今年のわが夏祭りかもしれない。

| | Comments (0)

July 12, 2021

Daily Oregraph: 最後の捕物帖

 本日の最高気温は20.2度。曇り。ひさしぶりに20度を越えたけれど、霧がかかっていたせいか、さほど暖かくは感じなかった。

Sholmes
 -いやあ薄氷堂さん、とうとうホームズ捕物帖も最後の事件になりましたなあ。

 -ほんとですねえ、先生。下級国民の時間つぶしとしちゃあ上等、とにかく金はかからないしね、立派なもんですよ。しかし最後はお互いだんだん息切れしてきましたね。

 -息切れといえば、さすがのドイルさんにも疲れが見えましたな。だが『ショスコム館(Shoscombe Old Place)事件』は最後の短編だけあって、ちょっとした怪奇味もあるし、なかなか読ませますぞ。

 -ところで題名のオールド・プレイスのプレイスはなんで「館」なんですか?

 -このプレイス(Place)は立派な構えの邸宅という意味なんですよ。で、この館の女主人は病弱の未亡人で、一緒に暮しているのが弟のサー・ロバート・ノーバトンですな。このサー・ロバートというのはあまりご立派な人物とはいえず、借金に首までつかった競馬狂で、いわば姉に寄生して生活しているわけです。

 -姉さんの地所から入る収入が頼りなんですね。で、ずいぶん仲のいい姉弟なんだが、あるときを境に二人の関係だけでなく姉の日課も急に大きく変ってしまう。一方借金取りに追いつめられたサー・ロバートは、間近に迫ったダービーに自分の持ち馬を出場させて、のるかそるかの大博打をもくろんでいる。負ければ万事休すだから必死です。

 -さよう、ぼったくり男爵の親戚みたいな男なんですな。さて姉弟関係の突然の異変とサー・ロバートの行動の異常さに不審を抱いた馬の調教師がこの事件の依頼人です。

 -今回のホームズの推理は冴えていて、実は姉はもう死んでいて、弟がその死を隠すために身代わりを立てているんじゃないかとにらみますね。問題はサー・ロバートが姉を殺したのかどうかという点でしょう。

 -さあそこですよ、薄氷堂さん。この事件のキーワードはライフ・インタレスト(life interest)なんです。

 -あたしにはそこが今ひとつピンとこなかったんですが、一体どういうものなんで?

 -生涯不動産権というやつです。つまりお姉さんは死んだご主人から屋敷と土地の権利を相続したんだが、それはお姉さんが生きている間だけ有効でして、死後は亡き夫の弟の手に移ることになるんですな。

 -なるほど、だとすれば金づるであるお姉さんに死なれたらたちまち弟は大困りですし、もともと仲がいいんだから殺す理由などまったくありませんね。

 -そのとおり。だからホームズは姉が死んでいると見抜いたときにはすでに事件の全貌をつかんでいたはずなんです。つまり殺人ではなく病死というわけですな。残る問題は遺体の処理ですよ。

 -しかし遺体をうまく処理したとしても、死亡証明はどうするつもりだったんでしょうかねえ? いつまでもごまかしきれるものじゃないから、いずれ遺体は検分されるはずだし、死後何週間も経過していることがわかれば当然疑いがかかるでしょうに。

 -そこは拙者も疑問に思いましたよ。結局ホームズが事実を明るみに出したことで、サー・ロバートはずいぶん得をしたわけですよ。時期がもっと遅くなれば、ひどく厄介な目に会っていたにちがいない。ドイルさんは最後にうまくまとめて片づけているんですが、ちと苦しいような気もしますな。

 -借金をこしらえても上級国民は上級国民、なあんだ結局お目こぼしかよ(笑)というところですね。

 -お目こぼしでもなんでも、これで拙者もホッとしましたよ。なにしろ全56編を読み切ったんですからな。

 -うむ、とにかくめでたい。こいつはお祝いしなくちゃいけませんね。親分にも声をかけて、お師匠さんの三味線でにぎやかにやりましょうよ。

 てなわけで、このあとはご想像にお任せいたしますが、捕物帖のあとはなにを取り上げるつもりなのか、あたしにもまるで見当がつきません(笑)。

【付記】実はぼくの使用したテキストにはとんでもない誤植が多く、インターネット上のさまざまなテキストと比較対照できたことは幸いであった。昔ならとても考えられないことで、実にありがたいと思う。

| | Comments (0)

«Daily Oregraph: 裏庭画報 エゾノシモツケソウとフウリンソウ