September 16, 2023
September 07, 2023
Daily Oregraph: 裏庭画報 イヌタデ
本日の最高気温は 25.5度。晴れ。
ひさしぶりに湿度が低く、からっとして気持のいい日であった。それにしてもあっという間に九月七日、恐ろしいスピードで時間が飛んでいく。
イヌタデ(アカマンマ)。地味な花だけれど、素朴なところに味わいがある。
クリスティの『青列車の謎』を読み終えた。実は25年以上前に一度読んでいるのだが、内容をほぼ100%忘れていたのには驚いた。ポアロの頭脳とはちがって、こちとらすでにボケが始まっているのかもしれない。
さすがミステリの名手の作品だけあって一気に読ませるけれど、犯人の仕組んだ計画がそんなにトントン拍子に運ぶものだろうかという疑問は残る。しかしそこにケチをつけるとたいていの推理小説は成立しないのだから、アラ探しはやめて素直に楽しめば、この種の小説は時間つぶしとしては最高だと思う。
次に取りかかったのはロバート・A・ハインライン(Robert A. Heinlein, 1907-88)の『レクイエム(Requiem)』 である。この人は大変有名なアメリカの SF作家なのだが、純文学派のみなさまはご存じないかもしれない。
30年前に札幌丸善だったか東京の八重洲ブックセンターだったかで、背表紙だけ見て衝動買いしたこの本を読むときがついにやって来た。それにしてもタイトルがレクイエムとは(笑)。
August 30, 2023
Daily Oregraph: 魅惑のミヤマニガウリ
本日の最高気温は 22.4度。曇り。
昨日からいきなり涼しくなった。実にありがたいことではあるが、変化があまりにも急なので、ちょっととまどいを感じる。しかも明日からはまた気温が上昇に転ずるというのだから困る。なんとかしてくれ。
さて本日はミヤマニガウリを見物するために春採湖畔へやって来た。まずはこの勇姿をごらんいただきたい。あたかも万物を覆いつくさんばかりの勢いである。どうしてこの驚異の植物がもっと注目を浴びないのか、ぼくにはまったく理解できない。
こいつが猛威をふるうのは、ツルをどんどん延ばして相手かまわず情け容赦なくからみつくからだ。手近に相手がいなければ自分自身にからみついてほどけなくなるというのはすごい。ツルの描く超絶的曲線を鑑賞するだけでも、春採湖畔を訪れる価値は十分にあると思う。
ミヤマニガウリの花はひどく小さい。ほんとかよ、といいたくなるほどである。しかしあれにツルを延ばしこれにからみつくうちに、パリの大通りを占拠するデモ隊ほどの偉観を呈するのだから、この奇妙な植物をみくびってはいけない。
さあ、あなたもさっそく春採湖畔へ!
August 27, 2023
Daily Oregraph: 裏庭画報 赤コスモスの謎
本日の最高気温は 28.1度。曇り。
暑い日が続いている。今日は少しましだけれど、昨日までは非常に湿度が高く、ベタベタして気持が悪かった。
さて昨年は盛大に咲き誇ったコスモスが今年は雑草に負けたらしく、白い花をたった一輪だけ確認したことは12日にご報告したとおりである。しかしその花は数日後にあっけなく姿を消してしまい、わずか一年にして絶滅したかと思われた。
ところが今朝行ってみると、そこからずいぶん離れた、しかも去年はひとつも花を咲かせなかった場所に、鮮やかな赤い花を確認した。つぼみもいくつか見える。植物の世界はまったく奇々怪々である。
『エリア随筆(正・続)』をやっと読了した……といっても、どこまで理解できたかまるで自信はない。そこでネットを検索しまくったら、ありがたいことに、正編のみだけれどたいへん詳しい注釈つきのテキストがみつかったので、もう一度注を参照しながら通読することにした。「よし、注釈があるんならおれも挑戦しよう」という、たぶん数千人に一人はいるであろう(笑)奇特なお方はぜひ。
そうはいっても、同じ作品を繰り返すのはいかにもつらいので、クリスティのミステリを併読することにした。『青列車の謎(The Mystery of the Blue Train)』というのだが、知るや君? 題名が涼しそうなのはうれしい。
August 19, 2023
Daily Oregraph: 裏庭画報 見なれぬ花
本日の最高気温は 27.1度。晴れのち曇り。
数日ぶりにのぞいてみたら、こんな花が咲いていた。正体はなにかわからないけれど初めて目にするもので、花はアジサイに似ているような気もする。たぶん越境してきた園芸種だろう。しかし園芸種は星の数ほどあるから、調べるのはやめにしておく。
こちらは15日に通りかかった釧路小学校前でみつけたエゾトリカブト。わが家でも数年前までは咲いていたのだが、いつの間にか姿を消してしまった。美しい花だと思う。猛毒の花が美しい、あるいは美しい花には毒があるというのは、ちょっとした教訓話のようでおもしろい。
『エリア随筆』(1823~1833)はなかなかはかどらない。なぜはかどらないかは、読んでみればすぐにわかる。見なれない単語が次々と登場する。わざと古い言い回しをしている。ダッシュを多用しているせいで、文章の路地に迷い込んでなかなか脱出できないことがある。古典の素養がないと固有名詞を調べるのに死ぬほど時間がかかる……などなど、根気を養うには最高の素材といえるかもしれない。
テーマによってはわかりやすいものもあるし、ふむふむなるほどと共感できるところも少なからず、ウィットに富んでいるからおもしろいのだが、とにかく文章は全体的にわかりにくい。『国富論』(1776年)のほうが(内容を正しく理解できるかどうかはともかく)文章ははるかに明晰で読みやすいのだから、ジャンルがちがうとはいえ、ビックリすること請け合いである。
おまけにぼくの手元にあるテキストは活字が細かいので読み取りにくく、ときどき読みちがえたりするから、腹が立つやらくやしいやら……本をお求めになるときは、値段だけではなく(笑)、こういう点も考慮に入れて選ばれるようご忠告しておきたい。
Recent Comments