January 16, 2017

Daily Oregraph: 橇の鈴さえ

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 わが家の周辺は、いくらなんでも橇の鈴さへ寂しく響く雪の曠野ではないが、ダダダダダダという音に窓を開けると、小型除雪機で歩道を確保してくれているところであった。

 積雪は10センチほどであろうか、日本海側の豪雪とは比較にならないけれど、雪かきをしないわけにはいかない。雪はもういりまへん。

   市人に此傘(このからかさ)の雪うらん   芭蕉

     たゞでやるから持つてけ泥棒   薄氷堂

 いくら風流人が浮世離れしているからといって、雪を売ろうとは非常識な……(笑)

 さて今日はいいこともあった。実は1994年に一念発起して、読書しながら英単語・熟語・文例を拾い集めたことがあった。のちにそれを EXCEL のシートに入力し、一万項目を目指したのだが、9,432項目で中断してから幾星霜(笑)、昨年末の『怒りの葡萄』を機に再び項目を追加するとともに、古いファイルの大幅な手直しに着手した。

 それが本日めでたく「万」願成就、10,012項目となったのである。今後2012年にノートに手書きしたデータを追加してから、すでにアップロードずみの旧ファイル(どこにアップロードしたか忘れてしまった)の改訂版を公開する予定である。当分はその作業に専念するつもり。

 たった一万項目かというなかれ。どの英和辞書にも載っていない項目が相当数ある。文例は現在のところ約11,800弱。実践的だから必ずお役に立つと信ずるが、お代はいらない。持ってけ泥棒。ただしもうしばらくお待ちあれ(そんな酔狂な人がいればだが……)。

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January 14, 2017

Daily Oregraph: 港町氷漬け

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 今日は風もなく穏やかな天気だったが、空気はひどく冷たい。ひょっとしたら……と思って港町岸壁に来てみたら、11日には水面に一片の氷も浮かんでいなかったのに、景色は一変していた。

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 恵比須丸は氷漬けである。

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 カモメ界のカント。ふだんは間抜けな鳥のくせに、なにやら深く考えこんでいるらしいが、ただ腹を空かしているだけなのかもしれない。

 見ているとカモメの足は氷の上でも滑らないようだが、こちらはそうはいかない。道路は相変らずカチカチだし、運動不足を解消したいけれど、長居は無用。氷を見物してさっさと引き上げた。

 さっぱり体重の減らないことが今の時期の悩みである。ああ……

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January 11, 2017

Daily Oregraph: 風に切られる

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 郵便局で用事を足したついでに港町岸壁へ立ち寄ったら……車から出たとたん、猛烈に冷たい西風が吹きつけてきた。いや、切られたといったほうがいい。いきなりだから、まるで辻斬りである。

 ここは吹きさらしなので、風の強さがちがう。しばらく付近をぶらつくつもりだったのだが、冗談じゃない。切られの与三郎になるのはまっぴらご免だから、すぐさま車に逃げ帰ったことはもちろんである。

 そんな寒さにもかかわらず、水面にまだ氷はなかった。本格的に寒くなるのはこれからである。

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January 08, 2017

Daily Oregraph: 代参ご報告

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 -親分、無事帰ってめえりやした。

 天気もよし、散歩を兼ねて、森の石松になったつもりで、三友亭さんの名代として厳島神社へ代参。

 宝船の下を通り、茅の輪をくぐったのは上出来であったが、たしかくぐり方には作法があったはずである。だからひょいと輪をまたいでくぐったぼくにはご利益はあるまいと思う。

 日曜日だからだろうか、二日前に来たときよりも参拝客は多かった。

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 しばらく観察していると、みなさん御得稲荷さんには見向きもせず、すぐ右手にある蛇を祀った祠や、もとからある左手のお稲荷さんにお賽銭を上げて手を合わせていた。

 神社が取り壊されて合祀された御得稲荷さんの境遇に、トラクターに農地を奪われてカリフォルニアへ流れこんだ農民の苦境が重ね合わされて(笑)、生来のへそ曲がりがむくむくと頭をもたげてきた。これではあまりにもお気の毒ではないか。

 厳島神社の境内にはたしか五、六ヶ所は賽銭箱があったと思う。ぼくは五円玉ばかり十枚用意してきたのだが、当初の方針を変えて、すべて御得稲荷さんにさし上げることにした。予算は金持にではなく困っている人(神様?)に投ずるのが筋であろう。

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 これが証拠写真。いわば三友亭さんの今年の運勢を、御得稲荷さんに賭けたわけである。

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 ご利益は必ずあるはず。ゆめ疑うことなかれ。

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January 07, 2017

Daily Oregraph: 新春ホッケ定食

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 本日の昼食は、なんとでかいホッケが丸ごと一尾のホッケ定食。ジジイにはぴったりの半身も選択できるのだが、三友亭さんにみせびらかしたくて(笑)、こちらを選んだのである。

 絶妙の干し加減だから身離れがよく、焼き立ての分厚い身は脂が乗ってふっくら。口に入れると、噛まなくてもじわっと旨味がひろがってくる。うまい! これほどのホッケを口にするのはひさしぶりである。こいつをつつきながら一杯やったら最高にちがいない(残念)。

 大きな椀にはタラの三平汁。これがまた実に美味であって、身も肝もたっぷりと入った豪華版である。最初の一口を啜ったところで、思わずウ~ンと唸ってしまった。この汁と飯だけでも十分立派な昼食として成立するだろう。

 若者なら飯をもう一杯追加してもおかしくはないけれど、欲張ってホッケを一尾完食したぼくは、腹が一杯で動くのもおっくうになってしまった。毎年のことだが正月太りで体が重いところにヘビー級の昼飯を詰めこんだから、うれしいやら恐いやら、今夜からは節制と決まった。

 おみくじの大吉、案外ばかにはできない。スポンサーにお礼をいわなくてはなるまい(笑)。どうもごちそうさまでした。

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January 06, 2017

Daily Oregraph: にわか信心

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 家人が神社に行きたいというから、昼少し前につきあった。正月も六日ともなれば人影は少ない。その代り、木の枝は結ばれたおみくじで真っ白になっていた。

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 おみくじや破魔矢などの屋台(?)は店仕舞いをしているところであった。いわば後の祭りである。

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 不信心者らしくお参りを人任せにして境内を眺めていると、真新しいお稲荷さんの祠が目に入った。そのへんをコソコソそうろつき回っている気弱なキタキツネとは大ちがいで、眼光鋭いお狐さんである。

 石碑を読んでみると、

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ああ、あの神社が合祀されたのか。

 御得稲荷大神がいかなる神様かは知らないけれど、なんとなく現世利益がありそうなお名前である。日本の神様はガラリと戸を開ければ長火鉢を前に赤い顔をして熱燗を一杯やっていそうだから、気楽に頼み事できるような気がする。

 そのためにも次に来たときにはお賽銭を上げなくてはいけない。

 -ばかもの! 手ぶらで来るとはなにごとか。

 とまあ、神様からお叱りを受けたわけだが、世間並みの信仰心を持ち合せている家人がぼくのために求めたおみくじは大吉であった。迷信とばかにしてはいけない。ことばには力があるのだ。大吉といわれて気を悪くするような人はいまい。

 今度はきっと五円玉を用意してまいりますから、大吉の私めをなにとぞよろしく。

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January 01, 2017

Daily Oregraph: 初手柄

 明けましておめでとうございます。本年もどうかご贔屓のほどよろしくお願い申し上げます。

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 年が改まったからといって、特別なにかが変ったわけではないけれど、風もなくおだやかな日和であることはめでたいかぎりだ。こうもめでたくては家にこもっているのはもったいない。

 今年初の定点撮影である。道路はどこもツルツル滑るけれど、レールの間は意外にも歩きやすかった。この線路沿いは日当り抜群だからであろう、雪が凍りついていないので、ザクザクと音を立てながら歩くのは気持がよかった。

 線路の両脇は雪の深さが倍以上もあったから、たぶんラッセル車が除雪したのだろう。あまりにも線路内を歩くのが快適だったので、本日は厳島神社をパスして、知人の浜までのコースを往復することにした。
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 満潮時の波打ち際の跡が氷の帯となって残っているのがおもしろい。

 海はほとんど波もなく、ここは琵琶湖であるといっても通りそうなくらいである。一年の初めとしては幸先がよく、昨日ぼくがハッパをかけたせいではあるまいが(笑)、さっそく八百万の神々のご利益があったのかも知れない。明日からも怠けずにお働き願いたいところである。

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 本日は線路を往復することにしたから、ここで方向転換。

 ところでお断りしておくが、元日だから安心して線路上を歩けるわけで、石炭列車の運行がはじまったら、雪のやや深い線路脇に待避するのは困難である。線路上の歩行をおすすめできないことはもちろんである。マネをする物好きなお方はいまいと思うが、念のため。

 さて場面は一転して、ここは神田明神下の親分宅……

 殺風景な薄氷堂の家とはちがって、立派な正月の飾りつけをした玄関の戸を、横着にも足でガラガラッと開けて飛びこんで来たのは、ご存じガラッ八であります。

 -親分、てえへんだ!

 -なんだ、正月の挨拶もしねえで、どうしたというのだ。

 -ありやした、もうありやした。

 -だから、なにがあったというのだ。

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 -あッ、こいつはフキノトウじゃねえか。へえ、もう顔を出したかい。

 -ね、驚くじゃありませんか。元旦にフキノトウですぜ。こいつは春から、

 -縁起がいいわい。でかしたぞ、八。こいつはおめえの初手柄だ。

 -あ、親分、酒が煮えたぎっちまうんじゃ……

 -おっと、危ねえ、危ねえ。おう、八、おめえも一杯いこう。

 通りからは羽根をつく娘たちの笑い声が、裏のご隠居の住む離れからは調子外れの謡が切れ切れに聞こえてまいります。

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