March 17, 2019

Daily Oregraph: 廃駅・新駅

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 3月15日に釧路管内の JR根室線尺別駅と直別駅が廃止された(根室管内では花咲線初田牛駅が廃止)。写真は3月13日に釧路市立博物館で撮影したものである。

 ふだんはほとんど利用客のないこれらの駅には、15日大勢の人々が集まったらしい。全国にローカル駅ファンはそこそこいるらしいけれど、彼らが相手ではとても商売にならないから、廃止もやむをえないのだろう。

 もともと面積が広く人口密度の低い北海道のローカル線は、わが国でももっとも条件が悪く、しかも地元住民のほとんどが車に頼る現在、採算が取れなくて当然だろう。


 高齢化の進行とともに車を運転できない人が増えるにしたがって、田舎暮らしはますます困難になる。地方創生などときれいごとをいったって、買物するにも通院するにも不便きわまる地域はさびれる一方にきまっている。


 さればこそ、ここは税金の使いどころだと思うのだが、たいして役にも立たぬアメリカの兵器を言い値で買う一方で、地方に住む自国民を軽視するような政府にはとても期待できない。

 そんな不景気な話にうんざりしているところへ、当社京都通信員から一報が……

 
3月16日JR嵯峨野線・京都~丹波口間に梅小路京都西駅が新設された。この駅はすでに廃線になっている貨物線の「山陰連絡線」の分岐点に位置し、かつては大阪方面から嵐山へ臨時の旅客列車も運行されていたらしい。

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 山陰連絡線の廃線跡は遊歩道として活用されることとなり、すでに改札前から七条通北側へ通ずる歩道橋は開通されている。南側はこれから整備される模様。廃線跡がサイクリングロードなどになることはふつうだが、高架が遊歩道になる例は極めて珍しい。

 地方では駅が次々と廃止される一方で大都市で新駅が設置されるとは、格差拡大を象徴する出来事である。地方の衰退はすなわち国土の荒廃に直結するのだから、日頃保守派を自認するみなさまには、あなたたちの抱いている幻想(ひょっとしたら「美しい日本」?)が確実に崩壊しつつある現実に気づいていただきたいものだと願っている。

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March 12, 2019

Daily Oregraph: 雪中泡盛

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 せっかく道路から雪が消えたというのに、降ったよ。降りやがった。しかも、どっさり。たっぷり水分を含んだ重い雪である。

 -やあ、降りましたねえ。親分のいったとおりだ。

 -春先はいつもこうだ。おれもだてに年を取っちゃいねえよ。

 親分と八公、まだ三月なのに汗をかきながら、せっせと雪かきにはげんだことは申し上げるまでもない。しかしまるで楽しみがないわけではなく……

 といったって、「旦那」となまめかしく婀娜な声がしたわけじゃないけれど、雪中にきらりと光ったのは、

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 -おっと、こいつは……?

 -スコップ屋の旦那からいただいた泡盛よ。琉球の風で雪を追い払おうという趣向さ。

 さすがは親分、だてに年を取っちゃいない。馬の鼻面には人参、八公を釣るにはアルコールと心得ている。八のやつ、猛然とスコップをふるいはじめたから、まずは作戦成功というところだ。

 -しかしなあ、八よ、おれも焼きが回ったらしい。節々が痛くてかなわねえよ。

 親分、嘆き給うな。泡盛が待っていますぜ。

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March 09, 2019

Daily Oregraph: 氷ゆるむ

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 本日の春採湖。氷は少しゆるんできたようだが、春はまだ遠い。

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 昨日古本屋で拾った鏡花『日本橋』の初版復刻本から。装幀は小村雪岱。色っぽいご婦人が登場するだけに、殺風景な春採湖の眺めとは大ちがいである。

 パラパラめくっていると、ギョッとした。

 「真個(ほんとう)に貴下(あなた)、そんなぢや情婦(いろ)は出来ない。口説くのは下拙(へた)だし、お金子(かね)は無ささうだし、

 おいおい、それはおれのことかい(笑)。

 いったい鏡花の小説は文章が独特だから読みにくいし、筋もわかりにくいものが多いけれど、そんなことはどうでもいい。不世出の天才ゆえになんでもゆるされるのである。

 たとえば、

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 もはや筋がどうの、意味がどうのとヤボなことをいってる場合じゃない(笑)。あだな声、下駄の音、留木(香木)の匂い。朧を透かした霞の姿とははっきりわかりかねるけれど、いきなり暗がりに女が幽霊のように出現した情景を、極上の酒を舌で転がすように味わえばいいのである。

 少なくとも……国会で繰り返されるやりとりよりは一万倍も上等の日本語だから、すさんだ心の安定を取り戻す妙薬にはちがいない。

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March 05, 2019

Daily Oregraph: 知恵足らずとも

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 三友亭さんに代参をお願いした久延彦さんのお社である(2014年9月23日撮影)。最近知恵が足りないから、よろしくお願いします。

 ずいぶん間が開いてしまったけれど、けっしてボーッと生きていたわけではない。ウォーの小説を読了。この人は保守派の作家だけれど、けっして安っぽい戦争賛美小説などは書かない。クレテ島の敗退・脱出の場面などは特にみごとな描写で、思わずうなったよ。しょせんは横文字、ぼくの頭ではせいぜい八割程度しかわからないけれど、それでもいい文章は読み手をうならせる。ウソじゃない。

 一方経済学の本は苦手だからめったに開かないのだが、たまに読みはじめると五、六頁は先へ進む。文章の息が長いから一度ではわからず、二度読んではじめて意味を了解することも多く、実に情けない。しかしボケた脳味噌に刺激を与えてくれることは確かで、頭のいい人の文章は一味ちがうなあなどと、本筋とは無関係なところに感心するのである。

 うまい文章や緻密な文章を読む一方で、無学無教養かつ傲慢な暗愚の宰相の支離滅裂な発言を耳にすると、なけなしの金をはたいて買った新品のコートに泥水を浴びせられたような気分になる。そんな目に会ったら「ばかやろう、気をつけろ!」と叫ぶのがふつうの人間だろう。それともあなたはやせた野良犬みたいに尻尾を巻いて逃げようとするだろうか?

 おれは犬じゃないというのなら、いま日本でもっとも先進的な沖縄県民とともに、あなたもぼくも「ばかやろう!」と叫ぼうではないか。いまだに「内地」という言葉が死語になっていない(笑)北海道の住人ならなおさらのことだ。

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February 23, 2019

Daily Oregraph: 散歩再開

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   ひさしぶりに散歩に出たので、氷を見物しようと港町岸壁までやって来たら、もうほとんど融けていた。飲み残しの水割りみたいなもので、まるで絵にならない。祭りが終ったあとのさびしさにも似ている。

 さすがに風はまだ少々冷たいけれど、日射しはけっして弱々しくない。真冬の間はどうしても運動不足がちになるものだが、そろそろ二本の足を使う時期になったようだ。

 足から弱るか、頭から老いぼれるか……どっちにしてもゾッとするけれど、まずは歩け、歩け。

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February 19, 2019

Daily Oregraph: 春はいずこ

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 本日の十勝港。

 青空は見えるけれど、厚く巨大なお盆のような雲が太陽をさえぎっている。そのため気温はけっして低くないのに、まるで暖かさを感じない。貴重な年金を注ぎこんで株価を維持し、諸統計をごまかして空前の好景気などと大ボラを吹きながら、庶民の懐は寒いままの日本国みたいな天気である。

 その中途半端な空の下、車を走らせて釧路に戻ってきた。道路にはもうほとんど雪はなく大助かりだけど、このまますんなり春が来るとは思えない。春先にはたいていドカッと雪が降るのである。

 油断大敵である。雪かきに備えて、青年よ、いやジジイもだが(笑)、鍛えておけ。

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February 14, 2019

Daily Oregraph: Samui!

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 本日、いや昨日の船上セキュリティ・チェックポイント。

 え、ちっとも寒そうに見えないぞ、とおっしゃるので?

 そこが素人の浅はかさ。日中はともかく、夕方になってごらんなさい。そして夜。Cold, colder, coldest の変化をたっぷり味わえるんだから。

 そんな寒さの中を、船員や作業員の方々は屋外で長時間働いている。フィリピン人船員の多くは、"Samui" という日本語を知っている。ただしちょっと訛っているから、ぼくたちの耳には "Samoi" に近い音に聞こえる。ほんと、サモイよなあ。

 根性なしのぼくはときどき暖かい場所に逃げ込むけれど(完全武装していないせいもあるのだが……)、そんな贅沢のゆるされない人々は、まことにお気の毒である。

 本日も日没とともにぐんぐん気温が下がりだした。この寒さを、わが敬愛する森羅万象大臣にもぜひ味わっていただきたいと願っている(笑)。

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