Daily Oregraph: 逆から見れば

今日はいくつか雑用のあった合間に、中央埠頭・北埠頭方面に立ち寄った。南埠頭から港内の氷を撮影したからには、反対方向からも観察しておこうというわけである。
中央埠頭西側から北埠頭を見ると、巡視船「そうや」から盛んに煙が立ち上っていた。蒸気機関車の吐き出す煙には大勢の写真ファンが群がるけれど……
現場に急行しても、カメラを持った趣味人(笑)はひとりもいなかった。もったいないなあ。豪華客船ばかりが船じゃないんだし、「そうや」はたいへん美しい優秀船なのだから、どうかひいきにしていただきたいものである。
北埠頭南側岸壁から南埠頭方面を見る。水面にはまったく氷がない。逆光で見にくいけれど、氷はすべて南に吹き寄せられているからだ。あたりまえの話だが、逆方向から見れば景色は一変する。
岸壁の雪かきしていない部分はテカテカ光っている。恐ろしいほど滑るから、命が惜しければ要注意である。
さて今日の古新聞だが、2011年8月6日の記事を読んでみた。
2011年7月にノルウェイで起こった、32歳の極右青年による大量殺人事件をご記憶だろうか。ムスリム(イスラム教徒)から欧州を守るというのが犯人の動機で、事件後もまったく反省の色を浮かべていないという。
犯人が過激の度を加えていった背景には、欧州各国の右翼団体や極右系ウェブサイトの影響があると指摘されていることはご存じだと思う。欧州の右翼の掲げる反マルチナショナリズムは、主にイスラム系移民を標的とするものである。
ノルウェイ国内でも、第2党である右派の進歩党 (Progress Party)は、前回の選挙では23%の票を獲得したというから、あなどれない勢力を誇っている。欧州ではもっとも移民にオープンなスウェーデンでも、極右が勢力を増しているという。
こうした状況下、事件の4ヶ月前、英国のキャメロン首相は「英国ではマルチナショナリズムは失敗に終わった」と述べた。その発言を、英国内だけではなくフランスの右派も歓迎している。
それに対して、ノルウェイの元首相にしてノーベル平和賞委員会議長である Thorbjorn Jagland 氏(北欧語の発音はたいへんむずかしいので、そのままにしておく)は、
政治的指導者は、社会がいっそう多様化しているという事実を擁護せねばなりません。
として、政治家の軽率な発言をいましめ、マルチナショナリズムに替えて多様性(diversity)ということばを使おうと主張している。
イスラム・テロということばも、テロリズムはイスラムにかかわるものだということですから、使うのをやめるべきです。テロリズムはテロリズムであって、宗教とは関係ないというべきなのです。
ぼくはノーベル平和賞については少々疑問もないではないが、Jagland さんの発言はたいへん適切なものだと感心した。大人とはこういう人のことをいうのであろう。
日本の政治家のうちに、世界に向かって堂々とこういう発言をすることのできる人物がたったひとりでもいるだろうか。情けない話である。
なおこの事件では、犯人の標的がイスラム移民そのものではなく、マルチナショナリズムに寛容な人々であったことは注目に値すると思う。どこの国でも似たような事件が起こりそうないやな予感がする。
いやでもこういう気の重くなる記事に出くわすから、そろそろ古新聞あさりも止めどきだろう。さてどっちへ向かおうか。


























Recent Comments